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君と僕の物語
朗報
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また何事もなく数日が過ぎる。だがやはりエディは僕の前には現れなかった。
1人で帰るという選択肢もある、だがルーンからメルクードに来るまでの間に襲われた数を数えると、一人旅には不安しかない。
襲って来た者の中には大臣からの刺客もいたのだろうし、その大臣が捕まったのだからもう大丈夫かもとは思っても、やはり不安は拭えなかった。
自分もエディやグノーくらいに強かったらと思うのだが、剣をふるってみた所で一朝一夕に彼等のように強くなれる訳でもなく、自分が情けなくなる。
「あの男はまだ来ないのか?」
「そうだねぇ……本当に一度イリヤに帰っちゃったのかなぁ?」
ランティスの首都メルクードとファルスの首都イリヤはずいぶん遠いのだ、どうせ帰るのなら一度くらい顔を見せてくれたら良かったのにと拗ねたような気持ちになってしまう。
ランティス城はずいぶん平穏を取り戻していた。
大臣捕縛で政治の根幹が大きく揺れはしたが、国王が動揺もせずどっしり構えているのと、今まで大臣に蔑ろにされていた優秀な文官がここぞとばかりに力を発揮して、ランティスの内政を立て直す為に昼夜を問わず働き通した結果、国政は大した打撃も受けずに国は回っていた。
「そういえばまたメリア王が父上に妙な手紙を送りつけてきたらしい、一体何度目だ……こちらは何も知らんと言っているのに!」
「またグノーの?」
「正しくは王の弟の所在確認だ。知るかって言うんだよ、なんで俺達がメリアの人間の所在を知っていると思うのか、皆目分からん」
「……なんでメリア王はグノーを弟だと思い込んでるんだろう?」
父に呼び出されてから数日、大臣捕縛後メリア王は頻繁に王へと書状を送りつけてくるようになったらしい。
内容は決まってメリア王の弟に関する事で、そんな者は知らないし、ランティスにはいないと何度も返事を返しているのだが、メリア王は頑として聞き入れないらしい。
どういう事かと大臣に問うても、王はどうやらグノーの事を自身の弟だと思っているようだとしか返答は返ってこない。
この事件を起す前からメリア王は大臣にもしつこくその所在を問い質す手紙を送りつけていたようで、その事に関しては自分も与り知らない事だと大臣は首をふった。
「連れて来いと言われても、デルクマン家の次男からの情報が正しければそいつはカサバラ渓谷をデルクマン家の長男と一緒に転落している。あそこを落ちて助かっている可能性はほぼない」
自分達も降りる術がないから確認する事もできないが……と兄は苦虫を噛み潰したような表情で吐き捨てた。
「本当にそいつは何者だったんだ?」
「グノーはグノーだよ、僕は知らない。そう言えば元々エディのお父さんの友達だし、ブラックさんなら何か知ってるかも?」
「ファルスの国王か?」
「そう言われちゃうとそうなんだけど、グノーもブラックさんが国王だったなんて知らなかったと思うよ。嫌ってたし」
「嫌いなのに友達?」
「自分はあいつを利用してるってグノーは言ってた。実際ブラックさんに貰ったお守りが僕達Ωの匂いを消してくれて、助かった部分もあるんだよ。でもやっぱりαは嫌いだ、ってグノーは凄くα嫌いだったから……」
思えば短い旅だったが、彼との思い出が次々と思い出されて目頭が熱くなる。
「そういえばそいつも男性Ωだったっけな。確かに男性Ωの数は少ない、それでもメリアに男性Ωが1人しかいないって事もないだろうし、他にも何かメリア王が自分の弟だとそう思わせる事があったのかもな」
「そういえば僕、大臣にグノーの瞳の色聞かれたよ。綺麗なルビーの瞳だったけど、もしかして珍しいの?」
「ルビーの……? そいつの瞳は紅かったのか?」
「うん、髪の毛とお揃いで綺麗だったよ。顔も隠してたけど凄く美形だったしね」
僕の言葉に兄エリオットは少し考え込むような素振りを見せて呟いた。
「紅玉の姫君……」
「え? なに?」
「先代の王が娶った妃は更にその前の王の正統な血筋の姫だった、先代の王は妾腹だったんだよ。それでその妃になった王妃の通称が紅玉の姫君……」
「でもグノーは男だったし、そこはもう絶対だし!」
「それは分かってる……でもその姫の息子がその瞳を受け継いでいたとしても不思議じゃないだろ? メリアで紅い瞳の人間がどの程度いるのか分からないが、少なくともその弟の瞳の色は紅かったんだろうな」
それでメリア王はグノーを弟だと勘違いした……?
「どちらにしても、こちらには関係のない事だ」
兄エリオットはそう言うが、そのメリア王の弟に対する執着がなんとも言えず気味が悪い。
大臣も気持ちが悪いと思ったが、別の意味でなんだかお近付きにはなりたくない感じの人だなと僕は漠然とそう思っていた。
その日も結局僕の前にエディは現れず、僕は溜息を零す。
これなら幽閉されていた時の方がよほどマメに顔を出してくれていた気がする。
「ねぇ、誰か居ないの?」
僕は僕に与えられた部屋で宙に向かって声をかけてみる。
兄から聞いているブラックさんの手下の者達がまだ自分には付いているのではないかと、なんとなくそう思ったのだ。
幽閉される前に僕に忠告を投げてくれた人もいた、きっとその人もブラックさんの息のかかった人だとそう思うのだ。
ブラックさんは恐らく僕がこんな事件に巻き込まれた事に責任を感じている、エディの『運命』である事も、彼の妻である叔母が守って連れて来た『甥』である事もきっと彼は知って放ってはおけなかったのだ。
「ねぇ、誰かいるなら応えてよ、エディは何処?」
天井が微かに軋んだような音がした。
ネズミがいるだけかもしれないし、柱が微かに軋んだだけかもしれない、それでも僕は宙に声をかける。
「ねぇ、僕はどうすればいい?」
「……いましばらくお待ちください……」
声は女性の物だ、あの時僕に忠告をしてくれた、きっとあの人!
「待っていればいいの? いつまで? エディはなんで来ないの?」
「まだお伝えできる事は何も……けれど近日中にはなにか連絡が入るはずです」
「そう……」
「あと、話してしまったのでお伝えだけしておきます。あなたの友人グノーは生きていますよ、デルクマンさんも、2人共大怪我を負ってはいますが命に別状はありません」
僕は目を見開いた。
「本当? ……本当に?」
「はい、生きています」
「何処に? カサバラ渓谷から落ちたって、落ちて死んだって僕そう聞いて……」
「場所は言えませんが、2人共元気に暮らしています。ただ現在グノーは妊娠中で……」
彼女の言葉に僕は更に目を見開いた。
「妊娠? グノーが? え? 本当に?」
「はい」
「誰の……? って聞くだけ野暮か、ナダールさんとグノーの子、だよね?」
「そうですね」
僕は口を手で覆う。そうしないと嬉しくて叫んでしまいそうだった。
2人共生きていた! しかもそのうえ子供まで!!
でもグノーは散々にナダールさんを嫌っていたのも知っている、望んだ妊娠ならいいけれどと一抹の不安が頭を掠めた。
「グノーは今どんな様子?」
「私も直接会っている訳ではなく、聞いた情報ですが、よく寝ている……と聞いています」
「寝てる?」
「はい、気付くと旦那さんの腕の中でひたすら寝ているらしいです」
いつもいつ寝ているのか分からなかったグノー、うなされては飛び起きて涙を堪えていたグノーがナダールさんの腕の中で寝てるって!
僕は嬉しくて仕方がない、やっぱり2人は『運命』だったんだ!!
「ふふ、うふふ……教えてくれてありがとう、お姉さん。良かった、本当に良かった」
2人は僕のせいで死んだりしなかった、どころか今グノーは自分の幸せを掴み取ろうとしている、こんな嬉しい事はない。
「僕、待ってるよ。お姉さん困らせてごめんなさい、ありがとう」
「いいえ、私は何ができる訳でもありませんが、話相手くらいにはなれます。不安な時には声をかけていただければ、お応えできる時はお応えします」
もう一度「ありがとう」と礼を述べて僕は彼女との会話を終えた。
ずっと澱のように心の中にわだかまっていた物が嘘のように消えて、僕の心はずいぶん軽くなっていた。
でもそういえばグノーがメリア王の弟って話しは本当の事なのかな?
生きているなら直接聞いてみたい気もするけど、妊娠中だというなら今は大事な時期だ、辛い時に傍にいてくれた僕の大事な友人をわざわざ巻き込む事もない。
特にエディに何かあった訳でもなさそうだし、待っていればそのうち迎えが来ると言うのなら、別に焦る必要もない。
「赤ちゃん、楽しみだなぁ」
自分もエディの子供産めたらいいなと腹を撫でる。
まだ碌にヒートがこない自分に不安はあるが、それでも彼は自分を望んでくれている、それだけは疑いようもなく確実だから、次のヒートの時にはエディの傍に居られたらいいなと僕はそんな事を思っていた。
1人で帰るという選択肢もある、だがルーンからメルクードに来るまでの間に襲われた数を数えると、一人旅には不安しかない。
襲って来た者の中には大臣からの刺客もいたのだろうし、その大臣が捕まったのだからもう大丈夫かもとは思っても、やはり不安は拭えなかった。
自分もエディやグノーくらいに強かったらと思うのだが、剣をふるってみた所で一朝一夕に彼等のように強くなれる訳でもなく、自分が情けなくなる。
「あの男はまだ来ないのか?」
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ランティスの首都メルクードとファルスの首都イリヤはずいぶん遠いのだ、どうせ帰るのなら一度くらい顔を見せてくれたら良かったのにと拗ねたような気持ちになってしまう。
ランティス城はずいぶん平穏を取り戻していた。
大臣捕縛で政治の根幹が大きく揺れはしたが、国王が動揺もせずどっしり構えているのと、今まで大臣に蔑ろにされていた優秀な文官がここぞとばかりに力を発揮して、ランティスの内政を立て直す為に昼夜を問わず働き通した結果、国政は大した打撃も受けずに国は回っていた。
「そういえばまたメリア王が父上に妙な手紙を送りつけてきたらしい、一体何度目だ……こちらは何も知らんと言っているのに!」
「またグノーの?」
「正しくは王の弟の所在確認だ。知るかって言うんだよ、なんで俺達がメリアの人間の所在を知っていると思うのか、皆目分からん」
「……なんでメリア王はグノーを弟だと思い込んでるんだろう?」
父に呼び出されてから数日、大臣捕縛後メリア王は頻繁に王へと書状を送りつけてくるようになったらしい。
内容は決まってメリア王の弟に関する事で、そんな者は知らないし、ランティスにはいないと何度も返事を返しているのだが、メリア王は頑として聞き入れないらしい。
どういう事かと大臣に問うても、王はどうやらグノーの事を自身の弟だと思っているようだとしか返答は返ってこない。
この事件を起す前からメリア王は大臣にもしつこくその所在を問い質す手紙を送りつけていたようで、その事に関しては自分も与り知らない事だと大臣は首をふった。
「連れて来いと言われても、デルクマン家の次男からの情報が正しければそいつはカサバラ渓谷をデルクマン家の長男と一緒に転落している。あそこを落ちて助かっている可能性はほぼない」
自分達も降りる術がないから確認する事もできないが……と兄は苦虫を噛み潰したような表情で吐き捨てた。
「本当にそいつは何者だったんだ?」
「グノーはグノーだよ、僕は知らない。そう言えば元々エディのお父さんの友達だし、ブラックさんなら何か知ってるかも?」
「ファルスの国王か?」
「そう言われちゃうとそうなんだけど、グノーもブラックさんが国王だったなんて知らなかったと思うよ。嫌ってたし」
「嫌いなのに友達?」
「自分はあいつを利用してるってグノーは言ってた。実際ブラックさんに貰ったお守りが僕達Ωの匂いを消してくれて、助かった部分もあるんだよ。でもやっぱりαは嫌いだ、ってグノーは凄くα嫌いだったから……」
思えば短い旅だったが、彼との思い出が次々と思い出されて目頭が熱くなる。
「そういえばそいつも男性Ωだったっけな。確かに男性Ωの数は少ない、それでもメリアに男性Ωが1人しかいないって事もないだろうし、他にも何かメリア王が自分の弟だとそう思わせる事があったのかもな」
「そういえば僕、大臣にグノーの瞳の色聞かれたよ。綺麗なルビーの瞳だったけど、もしかして珍しいの?」
「ルビーの……? そいつの瞳は紅かったのか?」
「うん、髪の毛とお揃いで綺麗だったよ。顔も隠してたけど凄く美形だったしね」
僕の言葉に兄エリオットは少し考え込むような素振りを見せて呟いた。
「紅玉の姫君……」
「え? なに?」
「先代の王が娶った妃は更にその前の王の正統な血筋の姫だった、先代の王は妾腹だったんだよ。それでその妃になった王妃の通称が紅玉の姫君……」
「でもグノーは男だったし、そこはもう絶対だし!」
「それは分かってる……でもその姫の息子がその瞳を受け継いでいたとしても不思議じゃないだろ? メリアで紅い瞳の人間がどの程度いるのか分からないが、少なくともその弟の瞳の色は紅かったんだろうな」
それでメリア王はグノーを弟だと勘違いした……?
「どちらにしても、こちらには関係のない事だ」
兄エリオットはそう言うが、そのメリア王の弟に対する執着がなんとも言えず気味が悪い。
大臣も気持ちが悪いと思ったが、別の意味でなんだかお近付きにはなりたくない感じの人だなと僕は漠然とそう思っていた。
その日も結局僕の前にエディは現れず、僕は溜息を零す。
これなら幽閉されていた時の方がよほどマメに顔を出してくれていた気がする。
「ねぇ、誰か居ないの?」
僕は僕に与えられた部屋で宙に向かって声をかけてみる。
兄から聞いているブラックさんの手下の者達がまだ自分には付いているのではないかと、なんとなくそう思ったのだ。
幽閉される前に僕に忠告を投げてくれた人もいた、きっとその人もブラックさんの息のかかった人だとそう思うのだ。
ブラックさんは恐らく僕がこんな事件に巻き込まれた事に責任を感じている、エディの『運命』である事も、彼の妻である叔母が守って連れて来た『甥』である事もきっと彼は知って放ってはおけなかったのだ。
「ねぇ、誰かいるなら応えてよ、エディは何処?」
天井が微かに軋んだような音がした。
ネズミがいるだけかもしれないし、柱が微かに軋んだだけかもしれない、それでも僕は宙に声をかける。
「ねぇ、僕はどうすればいい?」
「……いましばらくお待ちください……」
声は女性の物だ、あの時僕に忠告をしてくれた、きっとあの人!
「待っていればいいの? いつまで? エディはなんで来ないの?」
「まだお伝えできる事は何も……けれど近日中にはなにか連絡が入るはずです」
「そう……」
「あと、話してしまったのでお伝えだけしておきます。あなたの友人グノーは生きていますよ、デルクマンさんも、2人共大怪我を負ってはいますが命に別状はありません」
僕は目を見開いた。
「本当? ……本当に?」
「はい、生きています」
「何処に? カサバラ渓谷から落ちたって、落ちて死んだって僕そう聞いて……」
「場所は言えませんが、2人共元気に暮らしています。ただ現在グノーは妊娠中で……」
彼女の言葉に僕は更に目を見開いた。
「妊娠? グノーが? え? 本当に?」
「はい」
「誰の……? って聞くだけ野暮か、ナダールさんとグノーの子、だよね?」
「そうですね」
僕は口を手で覆う。そうしないと嬉しくて叫んでしまいそうだった。
2人共生きていた! しかもそのうえ子供まで!!
でもグノーは散々にナダールさんを嫌っていたのも知っている、望んだ妊娠ならいいけれどと一抹の不安が頭を掠めた。
「グノーは今どんな様子?」
「私も直接会っている訳ではなく、聞いた情報ですが、よく寝ている……と聞いています」
「寝てる?」
「はい、気付くと旦那さんの腕の中でひたすら寝ているらしいです」
いつもいつ寝ているのか分からなかったグノー、うなされては飛び起きて涙を堪えていたグノーがナダールさんの腕の中で寝てるって!
僕は嬉しくて仕方がない、やっぱり2人は『運命』だったんだ!!
「ふふ、うふふ……教えてくれてありがとう、お姉さん。良かった、本当に良かった」
2人は僕のせいで死んだりしなかった、どころか今グノーは自分の幸せを掴み取ろうとしている、こんな嬉しい事はない。
「僕、待ってるよ。お姉さん困らせてごめんなさい、ありがとう」
「いいえ、私は何ができる訳でもありませんが、話相手くらいにはなれます。不安な時には声をかけていただければ、お応えできる時はお応えします」
もう一度「ありがとう」と礼を述べて僕は彼女との会話を終えた。
ずっと澱のように心の中にわだかまっていた物が嘘のように消えて、僕の心はずいぶん軽くなっていた。
でもそういえばグノーがメリア王の弟って話しは本当の事なのかな?
生きているなら直接聞いてみたい気もするけど、妊娠中だというなら今は大事な時期だ、辛い時に傍にいてくれた僕の大事な友人をわざわざ巻き込む事もない。
特にエディに何かあった訳でもなさそうだし、待っていればそのうち迎えが来ると言うのなら、別に焦る必要もない。
「赤ちゃん、楽しみだなぁ」
自分もエディの子供産めたらいいなと腹を撫でる。
まだ碌にヒートがこない自分に不安はあるが、それでも彼は自分を望んでくれている、それだけは疑いようもなく確実だから、次のヒートの時にはエディの傍に居られたらいいなと僕はそんな事を思っていた。
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