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第二章
お風呂で泳いではいけません
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「ロイド君、どうしたの?」
「いや、俺、ホントに風呂って初めてだからどうしていいか分からなくて……」
「別にそんなに気を張る必要ないと思うよ。ここには僕達しかいないし、足だけじゃなく、ゆっくり身体温めなよ」
「でもな、この湯、意外と熱い……」
そうなのかと思って腕を湯に突っ込んでみたのだが、そこまで熱いと思わなかった僕は首を傾げる。むしろ少し温いくらいじゃないか?
「普通こんなものじゃない?」
「そうなのか?」
風呂に浸かるという習慣がないと、そんな風に思うものなのかな? やはりところ変われば文化も変わるな。
僕はとりあえず湯を頭から被って持参した石鹸でわしわしと頭を洗う。ああ、久しぶりのこの感覚、気持ちいい~
この世界、風呂がメジャーじゃないのも勿論なのだが、何でもかんでも洗浄魔法で綺麗にする習慣が根付いているものだから、石鹸自体も珍しい貴重品だったりする。僕が持っているこの石鹼も、用途的には洗浄よりも香り付けの要素が強く、香水と同じような扱いの商品だったので探すのにとても苦労した。
ついでに言えば、控え目な匂いの物を探すのも一苦労で、見付けた時にはつい買いだめしてしまったよ。
髪を洗ってそのままの流れで身体も洗ってすっきりさっぱり、ああ、やっぱりこれだよ、これ。洗浄魔法だけでは拭いきれない爽・快・感!
『タケル、あわあわ~』
「ライムも洗ってやろうか?」
そう言って僕はもにもにとライムの体の上で泡を立てようとしたのだが泡は立たなかった。仕方がないのでとりあえず僕に付いた泡の塊を頭にそっと乗せたら大喜びだったので、良しとする。
一通り身体を洗って湯船に入ろうとしたら、何故かアランが泳いでた。いや、確かに泳げる広さはあるけれども!
「何で泳いでるんですか!?」
「風呂は泳ぐものだろう!」
断言された! 意味が分からないよっ!
「まぁ、広さにもよりますが、泳ぐ人は多いですよ。今回は貸し切りなので余裕もありますしね」
まさかのルーファウスまで肯定意見。嘘だろ!?
「というか、風呂で泳がずにして何とする?」
「え? それは露天ですし、周りの景色を眺めながらゆっくり疲れを癒すとか……」
「年寄りくさいな」
ぐさっ。
「そういう楽しみ方をする温泉というものも確かに存在はしますが、一般的に宿屋に併設されている大浴場なんてどこもこんな物ですよ。知りませんでしたか?」
再びのカルチャーショック。なんか僕のイメージしてた露天風呂と違う! こんなの大浴場じゃない! ただの温水プールじゃないか!
いや、でもこれはアレか? 温泉というよりはスパリゾート的な? 海外だとそういう方が主流だと聞くし、僕の固定観念の方が間違っているのか……
気持ち良さそうに泳ぐアラン、僕だって今まで広い大浴場で泳ぎたいと思った事がない訳ではない。けれどそれはルール違反だから出来なかっただけで、ここではそれが許される。
「僕も泳ぎます!」
飛び込むのはさすがに気が引けたので、ゆっくり湯につかって泳ぎだす。これ、意外と楽しいぞ。
「タケルは泳げるんだな」
少し驚いた様子のロイド。湯船は手前が浅く、奥に行くにつれ深くなっているのだが、彼は浅瀬で所在無さげに座っていた。
「ロイド君は泳げないの?」
「泳ぎを覚える機会がなかった。シュルクの街には泳げる水場がなかったからな。街中にはやっぱりこんな感じの浴場があったけど、行った事ない」
ああ、そう言われれば確かにシュルクの街には泳げそうな水辺は無かった気がする。
「一緒に泳いでみる?」
「えっと……」
「手を出して」
両手を繋いでバタ足の練習から。最初は湯に顔をつけるのに抵抗感があったようだが、元々運動神経の悪くないロイドはすぐにコツを覚えて泳げるようになった。
ちなみにライムはお湯に浮くようで、ぷかぷか浮いて遊んでいたので、少し大きくなってもらって浮き輪の代わりになってもらった。
お風呂で泳ぐなんて今までした事がなかった僕だけど、温水プールだと思えばこれはこれで悪くない。
ルーファウスははなから泳ぐ気がないようで、浅瀬で半身浴をしている。僕とアランとロイドの三人は童心に返り遊びまくった。それがあんまりにも楽しくて、つい時間を忘れてはしゃぎすぎ、結果……のぼせた。
「何をやっているんでしょうね、あなた達は」
「……面目ない」
ルーファウスが起こしてくれた風魔法がそよそよと火照った身体を冷ましてくれる。風呂は癒しで疲れるが取れるとか言っていた僕だけど、今は逆に滅茶苦茶疲れてる。
これはちょっと入浴としてはどうかと思う、だけど、すごく楽しかったな。
「いや、俺、ホントに風呂って初めてだからどうしていいか分からなくて……」
「別にそんなに気を張る必要ないと思うよ。ここには僕達しかいないし、足だけじゃなく、ゆっくり身体温めなよ」
「でもな、この湯、意外と熱い……」
そうなのかと思って腕を湯に突っ込んでみたのだが、そこまで熱いと思わなかった僕は首を傾げる。むしろ少し温いくらいじゃないか?
「普通こんなものじゃない?」
「そうなのか?」
風呂に浸かるという習慣がないと、そんな風に思うものなのかな? やはりところ変われば文化も変わるな。
僕はとりあえず湯を頭から被って持参した石鹸でわしわしと頭を洗う。ああ、久しぶりのこの感覚、気持ちいい~
この世界、風呂がメジャーじゃないのも勿論なのだが、何でもかんでも洗浄魔法で綺麗にする習慣が根付いているものだから、石鹸自体も珍しい貴重品だったりする。僕が持っているこの石鹼も、用途的には洗浄よりも香り付けの要素が強く、香水と同じような扱いの商品だったので探すのにとても苦労した。
ついでに言えば、控え目な匂いの物を探すのも一苦労で、見付けた時にはつい買いだめしてしまったよ。
髪を洗ってそのままの流れで身体も洗ってすっきりさっぱり、ああ、やっぱりこれだよ、これ。洗浄魔法だけでは拭いきれない爽・快・感!
『タケル、あわあわ~』
「ライムも洗ってやろうか?」
そう言って僕はもにもにとライムの体の上で泡を立てようとしたのだが泡は立たなかった。仕方がないのでとりあえず僕に付いた泡の塊を頭にそっと乗せたら大喜びだったので、良しとする。
一通り身体を洗って湯船に入ろうとしたら、何故かアランが泳いでた。いや、確かに泳げる広さはあるけれども!
「何で泳いでるんですか!?」
「風呂は泳ぐものだろう!」
断言された! 意味が分からないよっ!
「まぁ、広さにもよりますが、泳ぐ人は多いですよ。今回は貸し切りなので余裕もありますしね」
まさかのルーファウスまで肯定意見。嘘だろ!?
「というか、風呂で泳がずにして何とする?」
「え? それは露天ですし、周りの景色を眺めながらゆっくり疲れを癒すとか……」
「年寄りくさいな」
ぐさっ。
「そういう楽しみ方をする温泉というものも確かに存在はしますが、一般的に宿屋に併設されている大浴場なんてどこもこんな物ですよ。知りませんでしたか?」
再びのカルチャーショック。なんか僕のイメージしてた露天風呂と違う! こんなの大浴場じゃない! ただの温水プールじゃないか!
いや、でもこれはアレか? 温泉というよりはスパリゾート的な? 海外だとそういう方が主流だと聞くし、僕の固定観念の方が間違っているのか……
気持ち良さそうに泳ぐアラン、僕だって今まで広い大浴場で泳ぎたいと思った事がない訳ではない。けれどそれはルール違反だから出来なかっただけで、ここではそれが許される。
「僕も泳ぎます!」
飛び込むのはさすがに気が引けたので、ゆっくり湯につかって泳ぎだす。これ、意外と楽しいぞ。
「タケルは泳げるんだな」
少し驚いた様子のロイド。湯船は手前が浅く、奥に行くにつれ深くなっているのだが、彼は浅瀬で所在無さげに座っていた。
「ロイド君は泳げないの?」
「泳ぎを覚える機会がなかった。シュルクの街には泳げる水場がなかったからな。街中にはやっぱりこんな感じの浴場があったけど、行った事ない」
ああ、そう言われれば確かにシュルクの街には泳げそうな水辺は無かった気がする。
「一緒に泳いでみる?」
「えっと……」
「手を出して」
両手を繋いでバタ足の練習から。最初は湯に顔をつけるのに抵抗感があったようだが、元々運動神経の悪くないロイドはすぐにコツを覚えて泳げるようになった。
ちなみにライムはお湯に浮くようで、ぷかぷか浮いて遊んでいたので、少し大きくなってもらって浮き輪の代わりになってもらった。
お風呂で泳ぐなんて今までした事がなかった僕だけど、温水プールだと思えばこれはこれで悪くない。
ルーファウスははなから泳ぐ気がないようで、浅瀬で半身浴をしている。僕とアランとロイドの三人は童心に返り遊びまくった。それがあんまりにも楽しくて、つい時間を忘れてはしゃぎすぎ、結果……のぼせた。
「何をやっているんでしょうね、あなた達は」
「……面目ない」
ルーファウスが起こしてくれた風魔法がそよそよと火照った身体を冷ましてくれる。風呂は癒しで疲れるが取れるとか言っていた僕だけど、今は逆に滅茶苦茶疲れてる。
これはちょっと入浴としてはどうかと思う、だけど、すごく楽しかったな。
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