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第三章
初めての従魔師ギルド
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翌日、僕の頭の中はまだ混乱したままだったのだが、いつものように朝食を作り、いつものように皆と普通に会話して、昨夜の事は夢でも見ていたのかなんて思ったりもしたのだが、僕が視線を向ければロイドは頬を染めて視線を逸らすし、そんな彼をルーファウスは睨むしで大変だった。
いつもと全く変わらないのはアランだけ、だけどロイド情報によるとアランも……なんて、本人から直接聞いたわけじゃないし今は何も考えまい。
何となく落ち着かない朝食を終えて僕達は昨夜の話し合いの通り、連れ立って従魔師ギルドへと足を向けた。
ちなみに従魔師ギルドというのは冒険者ギルドと似たようなものだけど、従魔師だけが所属する組合のような場所だ。他にも魔術師ギルドや商人ギルドなど職業ごとにギルドはあって、そこに行けばその職業に関する情報を得る事ができる。
従魔師ギルドはその名の通り従魔に関するありとあらゆる情報が集まる場所であり、従魔の売買などもされているらしい。
冒険者ギルドにはよくお世話になっている僕達だけど、それ以外のギルドにお邪魔するのは初めてで少しドキドキする。
建物の扉をくぐると少しだけ獣臭を感じる、これはペットショップの匂いに似ている気がする。従魔師ギルドと言うだけあって、そこにいる人達のほとんどが何かしらの従魔を連れていて鳴き声などで賑やかな事この上ない。
従魔の種類は様々で四つ足の獣タイプから鳥類や爬虫類も見てとれる。恐らく天敵同士の従魔もいるのだろうに、どの従魔もしっかり躾がされているのだろう大人しいものだ。中には大きく狂暴そうな見た目をしている魔物もいるのだが、自分の主の傍らで満足気な表情をしていて幸せそうだ。
「従魔とひとくちで言っても色々な種類がいるものなんですねぇ」
「それはそうだ、従魔と従魔師には相性というものがある、従魔師によっては獣タイプには好かれるが小型の魔物には嫌われるとか、鳥類には好かれるが爬虫類には嫌われるとかそういうのもあるからな」
なるほど、相性か。僕はどんな魔物と相性が良いんだろう? ライムは最初から付いてきたくて付いてきたって感じだったから、僕は小動物に好かれる感じだろうか? でもライムが小動物かと問われたら疑問も残る。時々めちゃくちゃ大きくなる時もあるからな。
「従魔師ギルドへようこそ、本日はどういったご用件で?」
受付と思われるギルド職員の前に立つと職員は愛想よくアランとルーファウスの二人を見やる。
「この子と相性のいい従魔を探しています、購入を検討しているのですがギルドで扱っている魔物を見せていただけますか?」
ルーファウスが僕の背に手を添えてそう説明すると「そちらの坊ちゃんのですか?」と職員は少し怪訝そうな表情を見せたのだが、すぐに気を取り直したように笑みを浮かべた。
「どのような魔物をご希望ですか? 愛玩用の手のかからない魔物でしたら当ギルドを通さずとも街の外で簡単に捕らえる事もできると思いますが」
「できれば俺達を乗せて空を飛べるようなのが良いんだ、何か居ないか?」
「皆さまを、ですか……そうしますと大型の鳥類という事になりますが、その、お坊ちゃまは今まで従魔を従えた事はおありで?」
「あ、はい、一応」
「ちなみに獣種を教えていただいても?」
「スライムです」
僕の返答に職員は「スライム?」と一言言って、困ったようにアランとルーファウスの二人を見やる。
「あの、本当にその子にそんな大型の従魔を購入されるおつもりなのですか? 従魔は生き物です、従魔師が世話をしなければ従魔は生きていけません、この子にそれができますか? こちらも商売でやってはいますが、みすみす購入された従魔を不幸にさせるような売買はできません、できればもう少し手のかからないお坊ちゃんに合う従魔を用意された方がよろしいかと……」
ああ、やっぱりそうなっちゃうよね。僕だって、急にそんな大きな従魔を従えるのは無茶なんじゃないかと思っていたのだ、販売する方だってそりゃあ慎重になるよな。
「あの、見せていただくだけでも出来ませんか? 購入はあくまで検討で、無理そうなら諦めますので」
僕の言葉に「そういう事なら」と職員は建物の裏手へと案内してくれた。従魔師ギルドの裏手には大きな建物が立っていて、その中には色々な獣種の魔物達が大小の檻の中に入れられて世話をされていた。
今まで見た事のある魔物もいれば、全く見た事もない魔物もいる、まだ野生に近いのだろうその魔物達は僕達の姿を見るとこちらへと威嚇するように牙を剥いたり、落ち着かない様子でこちらを窺い見ている。
「なんだか今日は魔物達の落ち着きがないな。君、あまり近寄らないでくださいね、怪我をしても責任は負えませんよ」
ギルド職員はそう言って僕達に魔物の種類などの説明をしてくれる、肉食で気の荒い魔物は戦闘向き、比較的大人しい扱いやすい魔物は戦闘には向かないが荷運びなどの仕事に適しているらしい。従魔師が魔物を従える用途と言うのは様々で、僕達は冒険者を生業としてるから従魔師と言うと戦闘向きの魔物を操って戦う人と思い込んでいたけど、魔物を使って何かしらの商いをしている従魔師も多いんだそうだ。
『タケル~ここどこ?』
複数の魔物の気配に気付いたのかローブの中で寝ていたライムがひょこりと顔を覗かせて僕の肩の上にぴょこんと乗った。ライムの頭の上には相変らずあの小さな王冠がちょこんと乗っていてとても可愛い。
「え、あ! そのスライム!」
不意に食い入るようにギルド職員がライムの方へと身を乗り出した。
「ああ、そうか! スライム! 君があのスライムキングだったんだ!」
「?? スライムキングって何ですか?」
突然意味不明の名称で呼ばれて僕は意味が分からず首を傾げる。一方で職員さんは興奮した様子でライムを見やり「従魔師界隈でダンジョンで変わったスライムを操る少年がいるって噂になってたんだ、その名も通称『スライムキング』! 彼の操るスライムがスライムの癖に偉そうに王冠を被ってるって言うんでそんな名前になったみたいなんだけど、その割には従魔師ギルドに現れないからただのデマかと思ってた」と、一気にまくしたてた。
まさかの変な所で噂になってた……しかも変な通称まで付けられてた! スライムキングって、まるで僕がスライムの王様みたいじゃないか! スライムの王様なのはライムであって僕じゃないし!!
ギルド職員は従魔師らしくちょっと変わったスライムに興味津々で上から下から眺め回している。先程まではお客様相手の敬語だった彼なのに、テンションが上がり過ぎたのか言葉遣いもまるで友達にでも語りかけるように砕けてしまっている。まぁ、その方が僕も話しやすくて助かるけど。
「君のこのスライムは魔術を使うらしいって聞いているけど、本当に?」
「魔術は使わないですよ、分裂したり大きくなったりはしますけど」
「あれ? そうなんだ? 聞いてた話と違うなぁ、なんか凄く強力な魔術を放つって聞いていたんだけど」
「ああ、それならたぶん僕の魔術を取り込んで増幅してるのを見られたんだと思います、しいて言うなら僕とライムの合体技ですね」
そう、Eランク試験の時にやったライムの火炎放射、あんな事ができるのならば他の魔術も一旦ライムに取り込ませて放てば凄い事になるのでは? なんて思って試した結果、想像通りにライムはどんな魔術をも取り込んで増幅する事ができるようになった。
僕の放つただの火球だってライムを経由すれば連弾になる、はっきり言って僕とライムのタッグはかなり無敵だ。まぁ、そうなるまでには色々と試行錯誤もしたけれどね。
「従魔との合体技……ほうほう。君、見た目に反して意外と従魔師スキルのレベルが高いのかな?」
「えっと、どうなんでしょうね?」
「教会で確認したりはしていないのかい?」
「この三年くらいしてないですね」
なんてたって教会は僕にとっては鬼門だからね、この三年間一度だって足を踏み入れたりはしなかったよ。さすがに三年も経ったからいい加減諦めてくれてるとは思うけど、特別赴く用事もないからきっとこれからも教会には行かないと思う。
そもそも自分のスキルレベルを知りたかったら自分で自分を鑑定すればいいだけだし、それも特別マメにチェックするような事ではないと僕は思っている。
「まぁ、最近は教会も少しきな臭い事になってるからあまり近付かない方がいいのかもしれないけれど」
「? そうなんですか? きな臭いって何かあったんですか?」
「最近教会が躍起になって信者を増やそうとしているって噂があるんだよ。どうも王家と教会の確執が深まっているみたいで、王家に対抗するための人の壁を作ろうとしてるんじゃないかってもっぱらの噂」
「人の壁……」
あくまでも噂だと職員さんは言うけれど、何だか少し嫌な感じはするな。元々三年前から聖女であるエリシア様と婚約者である王子との不仲は噂されていた、王子がエリシア様以外の別の女性と結婚したという話は聞かないが、エリシア様と王子が上手くいっているという話も聞かない。
自分には関係ない話だとは思うのだけど、それでも少しだけ気にかかってしまうのは僕がエリシア様とは顔見知りだからなのだろうな。
エリシア様の暴走には辟易していたけれど、あまり話を聞いてあげなかったのは悪かったなと思わなくもないのだ。ただ、聞いたところで僕に何ができる訳でもないのだけれど。
「まぁ、そんな話はさておいて、本来なら従魔師のスキルレベルが5以上じゃないと案内する事が出来ない魔物が居るんだけど、君、興味ない?」
「え? そんな魔物、僕に見せてくれるんですか?」
「従魔との合体技を使える君ならたぶん大丈夫だと思うからね。あ、付き添いの人達はダメですよ」
さらっと言ってのけたギルド職員にルーファウスがムッとしたように鼻白む。
「それは何故ですか?」
「その魔物は人を選ぶからです、従魔師が従魔を選ぶのではなく、そこでは従魔が主を選ぶのです。資質のないモノを魔物は嫌います、従魔師以外はご遠慮ください」
「彼に危険は?」
「ありませんよ、向こうに興味がなければ一瞥されて終わりです」
僕達は魔物を購入しにきたはずなのだが、そこでは魔物が自ら主を選ぶのだと職員は言う。こちらが選ぶのではなく、魔物に選ばれるというのは一体どういう事なのだろう?
いや、それよりもそんな場所にどんな魔物がいるのかが凄く気になる。職員は危険はないと断言してくれたけど、やはり少し怖いな。まぁ、それより好奇心の方が勝るけど。
ギルド職員が僕を促す、僕は「ちょっと見てきますね」と皆を置いて彼の背を追った。
いつもと全く変わらないのはアランだけ、だけどロイド情報によるとアランも……なんて、本人から直接聞いたわけじゃないし今は何も考えまい。
何となく落ち着かない朝食を終えて僕達は昨夜の話し合いの通り、連れ立って従魔師ギルドへと足を向けた。
ちなみに従魔師ギルドというのは冒険者ギルドと似たようなものだけど、従魔師だけが所属する組合のような場所だ。他にも魔術師ギルドや商人ギルドなど職業ごとにギルドはあって、そこに行けばその職業に関する情報を得る事ができる。
従魔師ギルドはその名の通り従魔に関するありとあらゆる情報が集まる場所であり、従魔の売買などもされているらしい。
冒険者ギルドにはよくお世話になっている僕達だけど、それ以外のギルドにお邪魔するのは初めてで少しドキドキする。
建物の扉をくぐると少しだけ獣臭を感じる、これはペットショップの匂いに似ている気がする。従魔師ギルドと言うだけあって、そこにいる人達のほとんどが何かしらの従魔を連れていて鳴き声などで賑やかな事この上ない。
従魔の種類は様々で四つ足の獣タイプから鳥類や爬虫類も見てとれる。恐らく天敵同士の従魔もいるのだろうに、どの従魔もしっかり躾がされているのだろう大人しいものだ。中には大きく狂暴そうな見た目をしている魔物もいるのだが、自分の主の傍らで満足気な表情をしていて幸せそうだ。
「従魔とひとくちで言っても色々な種類がいるものなんですねぇ」
「それはそうだ、従魔と従魔師には相性というものがある、従魔師によっては獣タイプには好かれるが小型の魔物には嫌われるとか、鳥類には好かれるが爬虫類には嫌われるとかそういうのもあるからな」
なるほど、相性か。僕はどんな魔物と相性が良いんだろう? ライムは最初から付いてきたくて付いてきたって感じだったから、僕は小動物に好かれる感じだろうか? でもライムが小動物かと問われたら疑問も残る。時々めちゃくちゃ大きくなる時もあるからな。
「従魔師ギルドへようこそ、本日はどういったご用件で?」
受付と思われるギルド職員の前に立つと職員は愛想よくアランとルーファウスの二人を見やる。
「この子と相性のいい従魔を探しています、購入を検討しているのですがギルドで扱っている魔物を見せていただけますか?」
ルーファウスが僕の背に手を添えてそう説明すると「そちらの坊ちゃんのですか?」と職員は少し怪訝そうな表情を見せたのだが、すぐに気を取り直したように笑みを浮かべた。
「どのような魔物をご希望ですか? 愛玩用の手のかからない魔物でしたら当ギルドを通さずとも街の外で簡単に捕らえる事もできると思いますが」
「できれば俺達を乗せて空を飛べるようなのが良いんだ、何か居ないか?」
「皆さまを、ですか……そうしますと大型の鳥類という事になりますが、その、お坊ちゃまは今まで従魔を従えた事はおありで?」
「あ、はい、一応」
「ちなみに獣種を教えていただいても?」
「スライムです」
僕の返答に職員は「スライム?」と一言言って、困ったようにアランとルーファウスの二人を見やる。
「あの、本当にその子にそんな大型の従魔を購入されるおつもりなのですか? 従魔は生き物です、従魔師が世話をしなければ従魔は生きていけません、この子にそれができますか? こちらも商売でやってはいますが、みすみす購入された従魔を不幸にさせるような売買はできません、できればもう少し手のかからないお坊ちゃんに合う従魔を用意された方がよろしいかと……」
ああ、やっぱりそうなっちゃうよね。僕だって、急にそんな大きな従魔を従えるのは無茶なんじゃないかと思っていたのだ、販売する方だってそりゃあ慎重になるよな。
「あの、見せていただくだけでも出来ませんか? 購入はあくまで検討で、無理そうなら諦めますので」
僕の言葉に「そういう事なら」と職員は建物の裏手へと案内してくれた。従魔師ギルドの裏手には大きな建物が立っていて、その中には色々な獣種の魔物達が大小の檻の中に入れられて世話をされていた。
今まで見た事のある魔物もいれば、全く見た事もない魔物もいる、まだ野生に近いのだろうその魔物達は僕達の姿を見るとこちらへと威嚇するように牙を剥いたり、落ち着かない様子でこちらを窺い見ている。
「なんだか今日は魔物達の落ち着きがないな。君、あまり近寄らないでくださいね、怪我をしても責任は負えませんよ」
ギルド職員はそう言って僕達に魔物の種類などの説明をしてくれる、肉食で気の荒い魔物は戦闘向き、比較的大人しい扱いやすい魔物は戦闘には向かないが荷運びなどの仕事に適しているらしい。従魔師が魔物を従える用途と言うのは様々で、僕達は冒険者を生業としてるから従魔師と言うと戦闘向きの魔物を操って戦う人と思い込んでいたけど、魔物を使って何かしらの商いをしている従魔師も多いんだそうだ。
『タケル~ここどこ?』
複数の魔物の気配に気付いたのかローブの中で寝ていたライムがひょこりと顔を覗かせて僕の肩の上にぴょこんと乗った。ライムの頭の上には相変らずあの小さな王冠がちょこんと乗っていてとても可愛い。
「え、あ! そのスライム!」
不意に食い入るようにギルド職員がライムの方へと身を乗り出した。
「ああ、そうか! スライム! 君があのスライムキングだったんだ!」
「?? スライムキングって何ですか?」
突然意味不明の名称で呼ばれて僕は意味が分からず首を傾げる。一方で職員さんは興奮した様子でライムを見やり「従魔師界隈でダンジョンで変わったスライムを操る少年がいるって噂になってたんだ、その名も通称『スライムキング』! 彼の操るスライムがスライムの癖に偉そうに王冠を被ってるって言うんでそんな名前になったみたいなんだけど、その割には従魔師ギルドに現れないからただのデマかと思ってた」と、一気にまくしたてた。
まさかの変な所で噂になってた……しかも変な通称まで付けられてた! スライムキングって、まるで僕がスライムの王様みたいじゃないか! スライムの王様なのはライムであって僕じゃないし!!
ギルド職員は従魔師らしくちょっと変わったスライムに興味津々で上から下から眺め回している。先程まではお客様相手の敬語だった彼なのに、テンションが上がり過ぎたのか言葉遣いもまるで友達にでも語りかけるように砕けてしまっている。まぁ、その方が僕も話しやすくて助かるけど。
「君のこのスライムは魔術を使うらしいって聞いているけど、本当に?」
「魔術は使わないですよ、分裂したり大きくなったりはしますけど」
「あれ? そうなんだ? 聞いてた話と違うなぁ、なんか凄く強力な魔術を放つって聞いていたんだけど」
「ああ、それならたぶん僕の魔術を取り込んで増幅してるのを見られたんだと思います、しいて言うなら僕とライムの合体技ですね」
そう、Eランク試験の時にやったライムの火炎放射、あんな事ができるのならば他の魔術も一旦ライムに取り込ませて放てば凄い事になるのでは? なんて思って試した結果、想像通りにライムはどんな魔術をも取り込んで増幅する事ができるようになった。
僕の放つただの火球だってライムを経由すれば連弾になる、はっきり言って僕とライムのタッグはかなり無敵だ。まぁ、そうなるまでには色々と試行錯誤もしたけれどね。
「従魔との合体技……ほうほう。君、見た目に反して意外と従魔師スキルのレベルが高いのかな?」
「えっと、どうなんでしょうね?」
「教会で確認したりはしていないのかい?」
「この三年くらいしてないですね」
なんてたって教会は僕にとっては鬼門だからね、この三年間一度だって足を踏み入れたりはしなかったよ。さすがに三年も経ったからいい加減諦めてくれてるとは思うけど、特別赴く用事もないからきっとこれからも教会には行かないと思う。
そもそも自分のスキルレベルを知りたかったら自分で自分を鑑定すればいいだけだし、それも特別マメにチェックするような事ではないと僕は思っている。
「まぁ、最近は教会も少しきな臭い事になってるからあまり近付かない方がいいのかもしれないけれど」
「? そうなんですか? きな臭いって何かあったんですか?」
「最近教会が躍起になって信者を増やそうとしているって噂があるんだよ。どうも王家と教会の確執が深まっているみたいで、王家に対抗するための人の壁を作ろうとしてるんじゃないかってもっぱらの噂」
「人の壁……」
あくまでも噂だと職員さんは言うけれど、何だか少し嫌な感じはするな。元々三年前から聖女であるエリシア様と婚約者である王子との不仲は噂されていた、王子がエリシア様以外の別の女性と結婚したという話は聞かないが、エリシア様と王子が上手くいっているという話も聞かない。
自分には関係ない話だとは思うのだけど、それでも少しだけ気にかかってしまうのは僕がエリシア様とは顔見知りだからなのだろうな。
エリシア様の暴走には辟易していたけれど、あまり話を聞いてあげなかったのは悪かったなと思わなくもないのだ。ただ、聞いたところで僕に何ができる訳でもないのだけれど。
「まぁ、そんな話はさておいて、本来なら従魔師のスキルレベルが5以上じゃないと案内する事が出来ない魔物が居るんだけど、君、興味ない?」
「え? そんな魔物、僕に見せてくれるんですか?」
「従魔との合体技を使える君ならたぶん大丈夫だと思うからね。あ、付き添いの人達はダメですよ」
さらっと言ってのけたギルド職員にルーファウスがムッとしたように鼻白む。
「それは何故ですか?」
「その魔物は人を選ぶからです、従魔師が従魔を選ぶのではなく、そこでは従魔が主を選ぶのです。資質のないモノを魔物は嫌います、従魔師以外はご遠慮ください」
「彼に危険は?」
「ありませんよ、向こうに興味がなければ一瞥されて終わりです」
僕達は魔物を購入しにきたはずなのだが、そこでは魔物が自ら主を選ぶのだと職員は言う。こちらが選ぶのではなく、魔物に選ばれるというのは一体どういう事なのだろう?
いや、それよりもそんな場所にどんな魔物がいるのかが凄く気になる。職員は危険はないと断言してくれたけど、やはり少し怖いな。まぁ、それより好奇心の方が勝るけど。
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皆様ありがとうございます😘
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めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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