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第三章
僕は嘘なんか吐いてません!
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数日ぶりにダンジョンから帰還した僕達はその足で冒険者ギルドへと向かった。来訪理由はダンジョン城48階層の調査報告とリヴァイアサンの素材を買い取りしてもらう為だ。
数日ぶりの冒険者ギルド、僕達がそこに足を踏み入れると、冒険者たちが何故かこちらをちらちらと見やる。今までここではそんな風に見られた事がなかった僕は、それが不思議で小首を傾げた。
「なんだか、僕たち今日はやけに見られている気が……」
「俺達、じゃなくてオロチだろ」
「え?」
言われた意味が分からなくて僕は更に首を傾げる。
「え? じゃない! 普通にオロチは目立つからな、ただでさえ亜人は目立つんだ、当たり前だろう」
現在オロチは亜人の姿で僕の隣を歩いている。確かにオロチには立派な角もあるし、ごつい尻尾も生えているけど、普通に獣人が闊歩するこの世界で目立つと言われても、なにか腑に落ちない。
亜人の姿は多少異形ではあるけれど、普通にイケメンじゃないか、何がおかしいのだ?
「そんなに目立ちますか?」
「彼には首輪も付いていませんしね、それはそうでしょう」
首輪! 確かに現在オロチは僕の従魔なのだから、それを証明するためにも何かしらの装備はさせないといけないのだった。そういえばそんな事すっかり忘れていたな。
『何故俺様が首輪など付けねばならん! そんな物、絶対に俺様は付けないからな!』
「ふふ、そうだよねぇ。オロチはそういうの嫌いだもんねぇ」
だけど首輪が駄目となると一体何を目印として装備させたらいいのか。その辺はライムと一緒で自分で選んで貰うしかないか。
「そういえばタケル、タケルはまだ冒険者ギルドにオロチの従魔登録をしていないのではありませんか?」
「え……あ! そういえばそうでした!」
従魔師は従魔契約をしたらその従魔をギルドに報告して登録する義務がある。それは自分の従えた魔物が何か問題を起こした時に責任の所在をはっきりさせるために必要な事なのだ。
ライムを従魔登録したのは3年前で、それから従魔を増やしていなかった僕はそんな手続きをすっかり失念していた。
ダンジョン城の調査報告は直接ギルドマスターへと報告する事になっているアランとルーファウスは受付でギルドマスターへの面会を求め、ギルドマスターが来るまでの間に僕はオロチの従魔登録をする事に。
「すみません、従魔登録をお願いします!」
「はい、承りました。こちらに従魔のお名前、種別のご記入を。ご記入いただけましたらギルドカードを提示の上、必要書類がございましたらそれも一緒にご提出ください」
僕は渡された用紙に必要事項を記入して冒険者ギルドカードと一緒に受付へと提出する。けれど受付職員は僕が提出した書類を一瞥すると「ボク、虚偽の申告はペナルティがあるからしちゃダメだよ」と窘められた。
「? 僕は虚偽申請なんてしてませんよ?」
「その後ろにいる亜人が君の従魔だよね? 親御さんに購入して貰ったのかな? ちゃんと従魔契約は出来てる? 奴隷なんじゃないの? あと、種族がドラゴンって、さすがにそれはないでしょう」
半笑いでそんな事を僕に告げる職員さん。だけど、僕は虚偽記載なんて一切していない。
「確かにオロチとは一年契約ですけど、虚偽はないです! 登録してください!」
「従魔と一年契約って……ここは子供の遊び場じゃないんだから、冒険者ごっこがしたいのならおうちでやろうね、ボク」
完全に信用されてない! しかもごっこ遊びだと思われた! 僕の冒険者ギルドカードはDランク冒険者である事がちゃんと明記されているはずなのに、失礼にも程がある!
「タケル、やけにてこずっているようですが、どうかしましたか?」
少し離れた場所で僕の従魔登録を見守っていたルーファウスが職員と言い合いを続けている僕を見かねたように傍らに寄って来た。
「貴方、この子の保護者ですか? 虚偽の申請はペナルティがあると先程から申し上げているのですが、このまま登録をして欲しいと聞かなくて」
職員がそう言ってルーファウスの前に僕の登録用紙を差し出す。ルーファウスがその用紙を確認して「虚偽も誤字もありませんが?」と告げると、またしても職員は半笑いだ。
「そこまで言うのであれば分かりました、ですが大型魔物の登録には従魔師ギルドの証明書が必要となる事くらいご存じですよね? 書類不備です、どのみち登録はできません」
なんか言い方がいちいちカチンとくるな! そもそもそんな話今初めて聞いたし!
今までもライムを従魔にしている事で笑われる事は度々あったけど、こんなに面と向かって馬鹿にするような態度を取られたのは初めてだ。
「分かりました、書類を持って来ればいいのですね、貰ってきます!」
僕は書類とギルドカードを取り返し、カバンの中にしまい込むと、眉間に皺を刻んで皆の元に戻る。
「どうしたタケル、珍しく怒っているのか?」
「従魔登録させてもらえませんでした! 書類不備だそうなので、従魔師ギルドまで行ってきます!」
僕がそのまま出て行こうとすると、そこにちょうど冒険者ギルドマスターのスラッパーが現れた。
「おや、皆さんお揃いで。進捗報告ですよね、攻略は進みましたか?」
ギルドマスターは揉み手でもしそうな様子で僕達を見やり、ふとオロチに目を止めると「亜人ですか?」と瞳を細めた。
彼にはライムを売ってくれないかと散々粘られた過去があるので、僕はオロチの前に立ち「僕の従魔です」と、威嚇する。
この国ではあまり亜人を歓迎してはいないようだし、奴隷として売買する文化も根付いているようなので早目早目の牽制だ。
「ほう、ずいぶんと大きいですが種別は? その角を見るとミノタウロス? いや、尾もあるようなのでキメラか、いや、グリフォンですかな?」
スラッパーは幾つかの魔物の名を上げるけれど、やはりドラゴンだとは思い至らないようで、首を傾げた。
「オロチはドラゴンです。どうやら証明書がないと従魔登録してもらえないようなので、従魔師ギルドに行ってきます。オロチ、行くよ!」
『忙しないな、分かった分かった』
スラッパーがぽかんとしたような表情でオロチを見ている。そんな彼に気付いたのかオロチが威嚇するように彼に牙を剥くと、びくりと身を硬直させたのは面白かった。
どうやらギルドマスターはあの失礼な職員とは違って僕の言った事を嘘だとは思わなかったようなので、少しだけ溜飲が下がったよ。
数日ぶりの冒険者ギルド、僕達がそこに足を踏み入れると、冒険者たちが何故かこちらをちらちらと見やる。今までここではそんな風に見られた事がなかった僕は、それが不思議で小首を傾げた。
「なんだか、僕たち今日はやけに見られている気が……」
「俺達、じゃなくてオロチだろ」
「え?」
言われた意味が分からなくて僕は更に首を傾げる。
「え? じゃない! 普通にオロチは目立つからな、ただでさえ亜人は目立つんだ、当たり前だろう」
現在オロチは亜人の姿で僕の隣を歩いている。確かにオロチには立派な角もあるし、ごつい尻尾も生えているけど、普通に獣人が闊歩するこの世界で目立つと言われても、なにか腑に落ちない。
亜人の姿は多少異形ではあるけれど、普通にイケメンじゃないか、何がおかしいのだ?
「そんなに目立ちますか?」
「彼には首輪も付いていませんしね、それはそうでしょう」
首輪! 確かに現在オロチは僕の従魔なのだから、それを証明するためにも何かしらの装備はさせないといけないのだった。そういえばそんな事すっかり忘れていたな。
『何故俺様が首輪など付けねばならん! そんな物、絶対に俺様は付けないからな!』
「ふふ、そうだよねぇ。オロチはそういうの嫌いだもんねぇ」
だけど首輪が駄目となると一体何を目印として装備させたらいいのか。その辺はライムと一緒で自分で選んで貰うしかないか。
「そういえばタケル、タケルはまだ冒険者ギルドにオロチの従魔登録をしていないのではありませんか?」
「え……あ! そういえばそうでした!」
従魔師は従魔契約をしたらその従魔をギルドに報告して登録する義務がある。それは自分の従えた魔物が何か問題を起こした時に責任の所在をはっきりさせるために必要な事なのだ。
ライムを従魔登録したのは3年前で、それから従魔を増やしていなかった僕はそんな手続きをすっかり失念していた。
ダンジョン城の調査報告は直接ギルドマスターへと報告する事になっているアランとルーファウスは受付でギルドマスターへの面会を求め、ギルドマスターが来るまでの間に僕はオロチの従魔登録をする事に。
「すみません、従魔登録をお願いします!」
「はい、承りました。こちらに従魔のお名前、種別のご記入を。ご記入いただけましたらギルドカードを提示の上、必要書類がございましたらそれも一緒にご提出ください」
僕は渡された用紙に必要事項を記入して冒険者ギルドカードと一緒に受付へと提出する。けれど受付職員は僕が提出した書類を一瞥すると「ボク、虚偽の申告はペナルティがあるからしちゃダメだよ」と窘められた。
「? 僕は虚偽申請なんてしてませんよ?」
「その後ろにいる亜人が君の従魔だよね? 親御さんに購入して貰ったのかな? ちゃんと従魔契約は出来てる? 奴隷なんじゃないの? あと、種族がドラゴンって、さすがにそれはないでしょう」
半笑いでそんな事を僕に告げる職員さん。だけど、僕は虚偽記載なんて一切していない。
「確かにオロチとは一年契約ですけど、虚偽はないです! 登録してください!」
「従魔と一年契約って……ここは子供の遊び場じゃないんだから、冒険者ごっこがしたいのならおうちでやろうね、ボク」
完全に信用されてない! しかもごっこ遊びだと思われた! 僕の冒険者ギルドカードはDランク冒険者である事がちゃんと明記されているはずなのに、失礼にも程がある!
「タケル、やけにてこずっているようですが、どうかしましたか?」
少し離れた場所で僕の従魔登録を見守っていたルーファウスが職員と言い合いを続けている僕を見かねたように傍らに寄って来た。
「貴方、この子の保護者ですか? 虚偽の申請はペナルティがあると先程から申し上げているのですが、このまま登録をして欲しいと聞かなくて」
職員がそう言ってルーファウスの前に僕の登録用紙を差し出す。ルーファウスがその用紙を確認して「虚偽も誤字もありませんが?」と告げると、またしても職員は半笑いだ。
「そこまで言うのであれば分かりました、ですが大型魔物の登録には従魔師ギルドの証明書が必要となる事くらいご存じですよね? 書類不備です、どのみち登録はできません」
なんか言い方がいちいちカチンとくるな! そもそもそんな話今初めて聞いたし!
今までもライムを従魔にしている事で笑われる事は度々あったけど、こんなに面と向かって馬鹿にするような態度を取られたのは初めてだ。
「分かりました、書類を持って来ればいいのですね、貰ってきます!」
僕は書類とギルドカードを取り返し、カバンの中にしまい込むと、眉間に皺を刻んで皆の元に戻る。
「どうしたタケル、珍しく怒っているのか?」
「従魔登録させてもらえませんでした! 書類不備だそうなので、従魔師ギルドまで行ってきます!」
僕がそのまま出て行こうとすると、そこにちょうど冒険者ギルドマスターのスラッパーが現れた。
「おや、皆さんお揃いで。進捗報告ですよね、攻略は進みましたか?」
ギルドマスターは揉み手でもしそうな様子で僕達を見やり、ふとオロチに目を止めると「亜人ですか?」と瞳を細めた。
彼にはライムを売ってくれないかと散々粘られた過去があるので、僕はオロチの前に立ち「僕の従魔です」と、威嚇する。
この国ではあまり亜人を歓迎してはいないようだし、奴隷として売買する文化も根付いているようなので早目早目の牽制だ。
「ほう、ずいぶんと大きいですが種別は? その角を見るとミノタウロス? いや、尾もあるようなのでキメラか、いや、グリフォンですかな?」
スラッパーは幾つかの魔物の名を上げるけれど、やはりドラゴンだとは思い至らないようで、首を傾げた。
「オロチはドラゴンです。どうやら証明書がないと従魔登録してもらえないようなので、従魔師ギルドに行ってきます。オロチ、行くよ!」
『忙しないな、分かった分かった』
スラッパーがぽかんとしたような表情でオロチを見ている。そんな彼に気付いたのかオロチが威嚇するように彼に牙を剥くと、びくりと身を硬直させたのは面白かった。
どうやらギルドマスターはあの失礼な職員とは違って僕の言った事を嘘だとは思わなかったようなので、少しだけ溜飲が下がったよ。
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読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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