オメガの王 

むつみ

文字の大きさ
上 下
6 / 43

6話 1ヶ月経過

しおりを挟む
 編入から1ヶ月ほど経った現在、クリスは同じオメガの集団に混じり、次の教場へと移動する。

 今から行われる講義にはオメガだけが参加し、アルファ達はまた別の場所で講義を受けている。

 先生が教場に入ってきて、授業が開始された。今回は、格バース性の特徴と簡単な歴史についてが、テーマのようだ。
 
 この学園では、教育カリキュラムの中に全生徒が必須となる同一人民学やバース性に分かれてつ学ぶ第二性学がある。

 第二性学では、家の家庭教師からは聞かされなかったオメガの歴史も学ぶ事が出来た。

 今、国の人口の殆どがβベータであり、αアルファΩオメガは数が少ない。その中でも繁殖能力に優れているΩオメガは圧倒的に少数と言われている。

 かつて、オメガは三つのバース性の中で最下層に位置づけられ、アルファの子を産む道具として虐げられていた。その理由は圧倒的総数の少なさと、月に一度ある発情期により、定職が困難であり生活能力が低いとされていたからだ。

 しかし、時代が進むにつれて、オメガ達の境遇は一変した。オメガ達が独自に対バース性の薬を開発するのに成功したからだ。定期的な発情期により学識が乏しいとされていたオメガ達だったが、自分達で協力し研究内容を供用する事で問題なく研究を続けることができた。

 そのオメガ達の研究により、開発された対バース薬は数種類にも及び、オメガだけでなくアルファや時にはオメガのフェロモンが効きやすいベータにも広く供給されるようになった。

 それにより、以前よりも発情期に悩まされる事が少なくなり、オメガ達は他のバース性と同じように暮らせるようになった。

 そして、今はオメガ達の社会的地位の回復時期だと言われている。

 そして、この学園でも時代の流れに合わせて、学生の頃にオメガ性とアルファ性を集め、同じ建物で暮らし学ばせ、お互いのバース性の特徴を知り、理解を深め、バース性への差別的意識の減少を目指しているという。

 聞く限りではなかなか美談ではあるけど、なかなか上手くはいってないみたいだ。
   
 唯でさえ思春期を迎えた精神的不安定な時期であるのに、アルファとオメガという特殊なバース性を集めれば問題が起きないのが不思議なくらいだ。

 バース性の集団の統制を図る為に、何人かの王を定めたはいいけど、アルファの王とオメガの王では権力の差が大きいらしい。

 現在も、学園カーストではアルファの王が位置し学園を支配しているとか(オメガ仲間が話していた)

 
 アルファ支配のままでは、復讐計画が進まないな、、

 兄様が目覚める前に、一刻も早く犯人を見つけないと、

 ・・やっぱり、真王になって権力を手に入れるしかないのか
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

春に落ちる恋

BL / 連載中 24h.ポイント:35pt お気に入り:658

あの日の僕らの声がする

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:146

デュエット

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:118

白狼アルファは純真オメガの初恋に堕ちる

BL / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:41

【R18】片翼のアルファと欠陥オメガ

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:81

【完結】娼館BLゲームで働くオメガをアルファは愛でる

BL / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:144

両片思いのI LOVE YOU

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:237

哀しい愛

BL / 連載中 24h.ポイント:42pt お気に入り:328

処理中です...