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20話 捕らわれ2
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「おらよ。」
発情により意識が朦朧としていたクリスは、ドスンと荒々しくどこかに放り投げられハッと意識を取り戻す。
乱暴に投げられた割には身体が痛くない。
身じろぎ、何とか上半身を起こしたクリスは自分が何処かの部屋のベッドの上にいる事に気づいた。
クリスの部屋も、上位貴族として一般の学生よりは良い部屋を充てがわれているが、この部屋はそこよりも遥かに待遇が良さそうで、豪華な家具が並んでいる。
ベッドもふわふわでシーツもかなり上質な生地を使用しているらしく、肌触りがすべすべして気持ち良い。
・・αの王の部屋か?・・僕よりも良い部屋だな
「・・ん・んぁ」
ダメだ、、
また身体が疼き、思考がボーっとして来た。
発情が治らない
「お前もそろそろキツイだろう?これを飲め。」
どこかに行っていたのか、戻ってきたαの王がベッド端に腰掛けると、クリスに小瓶を渡してきた。
「ん・・なに・・これ」
「別に怪しい物じゃねえ。抑制剤だ。少しは楽になるだろう。」
そう言われてもαの王の言う事なんて、信用なんて出来ない。
クリスが躊躇っているとαの王は低く舌打ちし、ベッドに乗り上げると、自分で小瓶の中身を口に含み、グイッとクリスの胸ぐらを掴み引き寄せ、無理矢理口付けた。
急に口を塞がれ、クリスは眼を見開く。αの王を押し返そうとするが余計に強く抱きすくめられた。グチュりと自分の物では無い硬いザラザラした熱い舌が入り込んでくる。押し返そうと舌を出すと逆に絡め取られ甘い液体を喉の奥に流し込まれた。
「んーー!!んー!ぷはっ」
「お、、お前!!僕に何をするんだ!」
「ほら、俺の言った通りだろうが?少しは落ち着いたろ?」
この薬は即効性だからなぁ、とローカスは空瓶を放り捨てた。
え?とクリスは眼をパチクリとさせる。
・・本当だ
さっきよりもだいぶ身体が落ち着いている。
思わずαの王の顔を見ると、その唇がしっとりと潤っていた。その色気の帯びた肉厚な唇が目に入り、クリスの顔は火が出るように熱くなった。
「へえ、オメガなのにウブな反応だな。お前、もしかして初めてか?」
「ぼ、、僕は貴族だ!誰彼と身体を許すわけないだろ!」
オメガだからお前も淫乱なんじゃないか、と言われたように感じた。あまりに酷い言われようだ。
確かに、オメガには月に一度の発情期が訪れるため、中には結婚前でも相性の良いアルファがいれば、パートナーにするオメガもいる。
だけど、貴族でプライドも高いクリスは発情期でも、疼く穴を濡らし孤独を埋めてくれる相手がいない狂いそうな発情を迎えても、1人で何とか毎回耐えていた。
「ほう、初物か。それは良かった。お前が既に傷物だったら相手のアルファを八裂きにしてたからなぁ。」
クリスの話を聞いたローカスは、満足そうに口角を上げた。最後の言葉に背筋が凍る。本気なのだろうか。恐ろしくて聞けない。
「まあ、すぐには襲わなねえよ。俺は優しいからな。こうしてお前の理性を取り戻してやったんだ。まずはお互い自己紹介でもするかぁ?」
無理矢理連れてきてどの口が言うか。
クリスはグッと唇を噛み締めた。
発情により意識が朦朧としていたクリスは、ドスンと荒々しくどこかに放り投げられハッと意識を取り戻す。
乱暴に投げられた割には身体が痛くない。
身じろぎ、何とか上半身を起こしたクリスは自分が何処かの部屋のベッドの上にいる事に気づいた。
クリスの部屋も、上位貴族として一般の学生よりは良い部屋を充てがわれているが、この部屋はそこよりも遥かに待遇が良さそうで、豪華な家具が並んでいる。
ベッドもふわふわでシーツもかなり上質な生地を使用しているらしく、肌触りがすべすべして気持ち良い。
・・αの王の部屋か?・・僕よりも良い部屋だな
「・・ん・んぁ」
ダメだ、、
また身体が疼き、思考がボーっとして来た。
発情が治らない
「お前もそろそろキツイだろう?これを飲め。」
どこかに行っていたのか、戻ってきたαの王がベッド端に腰掛けると、クリスに小瓶を渡してきた。
「ん・・なに・・これ」
「別に怪しい物じゃねえ。抑制剤だ。少しは楽になるだろう。」
そう言われてもαの王の言う事なんて、信用なんて出来ない。
クリスが躊躇っているとαの王は低く舌打ちし、ベッドに乗り上げると、自分で小瓶の中身を口に含み、グイッとクリスの胸ぐらを掴み引き寄せ、無理矢理口付けた。
急に口を塞がれ、クリスは眼を見開く。αの王を押し返そうとするが余計に強く抱きすくめられた。グチュりと自分の物では無い硬いザラザラした熱い舌が入り込んでくる。押し返そうと舌を出すと逆に絡め取られ甘い液体を喉の奥に流し込まれた。
「んーー!!んー!ぷはっ」
「お、、お前!!僕に何をするんだ!」
「ほら、俺の言った通りだろうが?少しは落ち着いたろ?」
この薬は即効性だからなぁ、とローカスは空瓶を放り捨てた。
え?とクリスは眼をパチクリとさせる。
・・本当だ
さっきよりもだいぶ身体が落ち着いている。
思わずαの王の顔を見ると、その唇がしっとりと潤っていた。その色気の帯びた肉厚な唇が目に入り、クリスの顔は火が出るように熱くなった。
「へえ、オメガなのにウブな反応だな。お前、もしかして初めてか?」
「ぼ、、僕は貴族だ!誰彼と身体を許すわけないだろ!」
オメガだからお前も淫乱なんじゃないか、と言われたように感じた。あまりに酷い言われようだ。
確かに、オメガには月に一度の発情期が訪れるため、中には結婚前でも相性の良いアルファがいれば、パートナーにするオメガもいる。
だけど、貴族でプライドも高いクリスは発情期でも、疼く穴を濡らし孤独を埋めてくれる相手がいない狂いそうな発情を迎えても、1人で何とか毎回耐えていた。
「ほう、初物か。それは良かった。お前が既に傷物だったら相手のアルファを八裂きにしてたからなぁ。」
クリスの話を聞いたローカスは、満足そうに口角を上げた。最後の言葉に背筋が凍る。本気なのだろうか。恐ろしくて聞けない。
「まあ、すぐには襲わなねえよ。俺は優しいからな。こうしてお前の理性を取り戻してやったんだ。まずはお互い自己紹介でもするかぁ?」
無理矢理連れてきてどの口が言うか。
クリスはグッと唇を噛み締めた。
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