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依頼とお告げ
依頼とお告げ7
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「エミリ、大丈夫か?」
まったく動こうとしない彼女に、声をかけた。
エミリはゆっくりと目を開けると、何度も何度も俺を見た。
「ええ、大丈夫よ」
そう言うと、背中に隠れた。夕日に照らされて、俺達とは違う影が立っていたのだ。
「すみません。近づかないほうがいいのは分かっていたのですが……」
「大丈夫ですよ」
近くまで来ていたのは分かっていた。
けれど、エミリがあまりに真剣なものだから声を掛けられないでいた。
いや、嘘だな。これは必要なことだと思って許容した。
「娘は、ロマネは幸せだったのでしょうか……彼女は妻を失った私の心を癒し、元気にしてくれました。ですが最後は悲しい思いをさせてしまった」
おっちゃんは墓標の前に座ると、手を合わせた。
「私はいつも遅すぎる。妻の時も、娘の時も。感情に任せてしまって、あとで落ち着いてから後悔するのです」
それでか。最初に会った時とずいぶんと印象が違うのは。
「そっか……」
エミリはそっと息を吐くと墓標に向かって手を合わせた。
冷たくて思い墓場の空気。その空気が消え去り、エミリを取り巻く気配が変わった。
「すまないロマネ……私がもっと早く病気をどうにかできていれば」
「それは違うよ、パパ」
言ったのはエミリだが、そこにいるのは俺の知らない誰かだ。
「私は幸せだった。私こそごめんなさい、先に死んでしまって……もっとパパを幸せにしてあげられなくて」
おっちゃんは顔を上げた。その目にはどう映っているのだろうか?
驚いたままじっと、エミリの姿の誰かを見つめた。
「ロマネ……」
「ありがとうパパ。お姉ちゃんに会わせてくれて。それからね、もっとみんなを元気にしてあげて。パパならできるよ!いっぱい迷惑かけちゃって、最後までワガママを言うけど、笑って許してくれたら嬉しいな」
控えめな笑みをを浮かべながら、控えめに言った。
とても幸せそうに。
「許すさ……いや、もともと恨んでいなんていない。当たり前だ、私はお前の父親なんだから!」
おっちゃんはエミリに手を伸ばそうとして、寸前のところで止まった。
エミリはその姿を、優しく見守る。
「ありがとう。それからさようなら、元気でね」
エミリの体は倒れていき、俺は優しく受け止めた。その体は意識を失っている。
「娘は本当に幸せだったのでしょうか…」
「顕現。エミリのいくつかある力のひとつです。さっきのは紛れもなく、ロマネさん自身の言葉ですよ」
「そう、ですか」
おっちゃんはじっと、エミリを見つめる。
その姿をロマネと重ねているのだろう。
「俺には詳しい事情は分かりませんが、ひとつだけ確かなことはあります」
「なんでしょうか」
すがるような言葉に、俺はゆっくりと答えた。
「力の暴走は成長過程で必ず起こりますが、大きく分けて二種類あります。外に向けたものと内に向けたもの。前者は恨みや憎しみが爆発して起こります。」
ロマネの能力を俺は知らない。唯一知っていることと言えば、おっちゃんが無事だと言うことで、魔力暴走が誰かに向けられたものではなかったということ。
「そして後者、内に向けたものは、自分の力で誰かを傷つけたくないとため込んでしまった場合です。少なくとも娘さんはあなたを傷つけたくなかったのだと思いますよ」
おっちゃんはまた泣き崩れた。よく泣く人だ。
もしかしたらこの人も、ロマネと同じなんじゃないだろうか。
不安や悲しみをずっとため込んでいて、吐き出し口がなかったのだろう。
頭でも撫でてみたいところだが、生憎おっさん相手にそんな趣味はない。
代わりに、手近なところにあったエミリの頭を撫でておいた。
まったく動こうとしない彼女に、声をかけた。
エミリはゆっくりと目を開けると、何度も何度も俺を見た。
「ええ、大丈夫よ」
そう言うと、背中に隠れた。夕日に照らされて、俺達とは違う影が立っていたのだ。
「すみません。近づかないほうがいいのは分かっていたのですが……」
「大丈夫ですよ」
近くまで来ていたのは分かっていた。
けれど、エミリがあまりに真剣なものだから声を掛けられないでいた。
いや、嘘だな。これは必要なことだと思って許容した。
「娘は、ロマネは幸せだったのでしょうか……彼女は妻を失った私の心を癒し、元気にしてくれました。ですが最後は悲しい思いをさせてしまった」
おっちゃんは墓標の前に座ると、手を合わせた。
「私はいつも遅すぎる。妻の時も、娘の時も。感情に任せてしまって、あとで落ち着いてから後悔するのです」
それでか。最初に会った時とずいぶんと印象が違うのは。
「そっか……」
エミリはそっと息を吐くと墓標に向かって手を合わせた。
冷たくて思い墓場の空気。その空気が消え去り、エミリを取り巻く気配が変わった。
「すまないロマネ……私がもっと早く病気をどうにかできていれば」
「それは違うよ、パパ」
言ったのはエミリだが、そこにいるのは俺の知らない誰かだ。
「私は幸せだった。私こそごめんなさい、先に死んでしまって……もっとパパを幸せにしてあげられなくて」
おっちゃんは顔を上げた。その目にはどう映っているのだろうか?
驚いたままじっと、エミリの姿の誰かを見つめた。
「ロマネ……」
「ありがとうパパ。お姉ちゃんに会わせてくれて。それからね、もっとみんなを元気にしてあげて。パパならできるよ!いっぱい迷惑かけちゃって、最後までワガママを言うけど、笑って許してくれたら嬉しいな」
控えめな笑みをを浮かべながら、控えめに言った。
とても幸せそうに。
「許すさ……いや、もともと恨んでいなんていない。当たり前だ、私はお前の父親なんだから!」
おっちゃんはエミリに手を伸ばそうとして、寸前のところで止まった。
エミリはその姿を、優しく見守る。
「ありがとう。それからさようなら、元気でね」
エミリの体は倒れていき、俺は優しく受け止めた。その体は意識を失っている。
「娘は本当に幸せだったのでしょうか…」
「顕現。エミリのいくつかある力のひとつです。さっきのは紛れもなく、ロマネさん自身の言葉ですよ」
「そう、ですか」
おっちゃんはじっと、エミリを見つめる。
その姿をロマネと重ねているのだろう。
「俺には詳しい事情は分かりませんが、ひとつだけ確かなことはあります」
「なんでしょうか」
すがるような言葉に、俺はゆっくりと答えた。
「力の暴走は成長過程で必ず起こりますが、大きく分けて二種類あります。外に向けたものと内に向けたもの。前者は恨みや憎しみが爆発して起こります。」
ロマネの能力を俺は知らない。唯一知っていることと言えば、おっちゃんが無事だと言うことで、魔力暴走が誰かに向けられたものではなかったということ。
「そして後者、内に向けたものは、自分の力で誰かを傷つけたくないとため込んでしまった場合です。少なくとも娘さんはあなたを傷つけたくなかったのだと思いますよ」
おっちゃんはまた泣き崩れた。よく泣く人だ。
もしかしたらこの人も、ロマネと同じなんじゃないだろうか。
不安や悲しみをずっとため込んでいて、吐き出し口がなかったのだろう。
頭でも撫でてみたいところだが、生憎おっさん相手にそんな趣味はない。
代わりに、手近なところにあったエミリの頭を撫でておいた。
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