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第二章
甘酸っぱい
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「村田くん、どーしたの?げ、元気ない、けど」
「あー、いや……ちょっと」
地味に一ノ瀬さんと顔が近いような気が………と、そっと目線を逸らした。
いつの間にか、今まで意識していなかった距離が、今は意識する距離感になっていた。
こんなの初めてだ。
いつも好きな人が出来たら、俺から仕掛けて簡単にやりきるのに……出来そうにない。
もしかしたら、今まで好きだって思っていた感情は、恋とか………,そんな感情じゃなかったのかもしれない。
こんな感情は初めてだから……っていうことは、一ノ瀬さんが初恋の相手ってこと、なのか。
「…………何かあったら……わ、私じゃ、頼りないけど、我慢せずに頼ってね」
ートクン
男子と話すの得意じゃないはずなのに、人の心配ばっかりしてくれて、ほんと一ノ瀬さんはいい人だな…
「ありがとう」
こんなにいい人を好きになったんだよな、俺は。
「一ノ瀬さんって、翼のこと好きなんだよな?」
ふと声に出ていた言葉。
その言葉を聞いた瞬間一ノ瀬さんの顔は真っ赤に。
すぐに顔に出るんだ……かわいい。
一ノ瀬さんの事を知れた事は嬉しいけど、この顔は翼に対する想いの現れだと思うと、嬉しくも何ともない。
「へ!え、あ……ち、違う!違います…」
必死に隠そうとしているけど、隠しきれていない。
顔にはっきりと書いてある。
翼が好きって。
「そ、そういう、村田くんは?いるんだよね?」
一ノ瀬さんはこの話題は気まずいと思ったのか、いきなり俺の方へと話題を変えてきた。
「柚希ちゃん?」
柚希!?……まぁ、仲いいけど、そんな関係じゃない。
小学校の時は毎日のように周りの男子が、勝手にデマを流していたから、処理が大変だった。
それがめんどくさくて、柚希と付き合っているっていう事にしておいた。
中学校に入ってからは、そんな噂はなくて、たまに付き合ってる?と聞かれたぐらいだった。
「柚希はただの幼なじみ!」
「え!じゃ、じゃあ……ヒント!」
最初は教えるつもりはなかったけど、一ノ瀬さんの良いところがたくさんあって、気持ちが溢れてしまって……
「大人しくて、人見知りがちだけど」
一ノ瀬さんは大人しくて、人見知り。
星野と翼の前でしか笑った事がなかったけど、段々と人前でもよく笑うようになった。
零夜もその1人。
「人のためになると……頑張れる人、かな?」
この前、俺に熱があるんじゃないかって、自分の事のようにものすごく心配してくれた。
大丈夫かって。
「そっかぁ。村田くんの好きな人、いい人だね」
一ノ瀬さんの事なんだけどな……
「うん、いい人だよ。ものすごく」
まぁ、でもこーゆうのが一ノ瀬さんらしいな。
鈍感なのかよく分からないけど…
「告白しないの?」
「え?こ、告白!?」
一ノ瀬さんの口からその言葉が出ると思ってなくて、思わずびっくりしてしまった。
「うん………してみたら?って言っても、私も勇気が出ないから出来ないんだけど……ね」
きっと翼の事を考えているんだろな。
今は俺と話しているのに、一ノ瀬さんの頭の中に居るのが一瞬で翼に塗り替えられた。
「俺さ、体育大会で頑張るから見てて」
些細な事なのかもしれないけど、それだけでも何だか悔しくて、
「え?あ、うん」
一ノ瀬さんの頭の中にいる存在が、
「翼よりも頑張るから」
翼よりも俺に移り変わってほしい。
「なんで翼くんが出てきて……」
一ノ瀬さんの笑顔をずっと側で見ていたい。
「もし、頑張れたら……話聞いて」
きっとこのままじゃ、何も起こらない。
意識してもらうために、体育大会で告白するんだ。
翼や零夜にも……誰にも取られたくない!
初めて人を好きになったから。
「あー、いや……ちょっと」
地味に一ノ瀬さんと顔が近いような気が………と、そっと目線を逸らした。
いつの間にか、今まで意識していなかった距離が、今は意識する距離感になっていた。
こんなの初めてだ。
いつも好きな人が出来たら、俺から仕掛けて簡単にやりきるのに……出来そうにない。
もしかしたら、今まで好きだって思っていた感情は、恋とか………,そんな感情じゃなかったのかもしれない。
こんな感情は初めてだから……っていうことは、一ノ瀬さんが初恋の相手ってこと、なのか。
「…………何かあったら……わ、私じゃ、頼りないけど、我慢せずに頼ってね」
ートクン
男子と話すの得意じゃないはずなのに、人の心配ばっかりしてくれて、ほんと一ノ瀬さんはいい人だな…
「ありがとう」
こんなにいい人を好きになったんだよな、俺は。
「一ノ瀬さんって、翼のこと好きなんだよな?」
ふと声に出ていた言葉。
その言葉を聞いた瞬間一ノ瀬さんの顔は真っ赤に。
すぐに顔に出るんだ……かわいい。
一ノ瀬さんの事を知れた事は嬉しいけど、この顔は翼に対する想いの現れだと思うと、嬉しくも何ともない。
「へ!え、あ……ち、違う!違います…」
必死に隠そうとしているけど、隠しきれていない。
顔にはっきりと書いてある。
翼が好きって。
「そ、そういう、村田くんは?いるんだよね?」
一ノ瀬さんはこの話題は気まずいと思ったのか、いきなり俺の方へと話題を変えてきた。
「柚希ちゃん?」
柚希!?……まぁ、仲いいけど、そんな関係じゃない。
小学校の時は毎日のように周りの男子が、勝手にデマを流していたから、処理が大変だった。
それがめんどくさくて、柚希と付き合っているっていう事にしておいた。
中学校に入ってからは、そんな噂はなくて、たまに付き合ってる?と聞かれたぐらいだった。
「柚希はただの幼なじみ!」
「え!じゃ、じゃあ……ヒント!」
最初は教えるつもりはなかったけど、一ノ瀬さんの良いところがたくさんあって、気持ちが溢れてしまって……
「大人しくて、人見知りがちだけど」
一ノ瀬さんは大人しくて、人見知り。
星野と翼の前でしか笑った事がなかったけど、段々と人前でもよく笑うようになった。
零夜もその1人。
「人のためになると……頑張れる人、かな?」
この前、俺に熱があるんじゃないかって、自分の事のようにものすごく心配してくれた。
大丈夫かって。
「そっかぁ。村田くんの好きな人、いい人だね」
一ノ瀬さんの事なんだけどな……
「うん、いい人だよ。ものすごく」
まぁ、でもこーゆうのが一ノ瀬さんらしいな。
鈍感なのかよく分からないけど…
「告白しないの?」
「え?こ、告白!?」
一ノ瀬さんの口からその言葉が出ると思ってなくて、思わずびっくりしてしまった。
「うん………してみたら?って言っても、私も勇気が出ないから出来ないんだけど……ね」
きっと翼の事を考えているんだろな。
今は俺と話しているのに、一ノ瀬さんの頭の中に居るのが一瞬で翼に塗り替えられた。
「俺さ、体育大会で頑張るから見てて」
些細な事なのかもしれないけど、それだけでも何だか悔しくて、
「え?あ、うん」
一ノ瀬さんの頭の中にいる存在が、
「翼よりも頑張るから」
翼よりも俺に移り変わってほしい。
「なんで翼くんが出てきて……」
一ノ瀬さんの笑顔をずっと側で見ていたい。
「もし、頑張れたら……話聞いて」
きっとこのままじゃ、何も起こらない。
意識してもらうために、体育大会で告白するんだ。
翼や零夜にも……誰にも取られたくない!
初めて人を好きになったから。
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