冴えないオタクの冴えすぎなゴールデンウィーク。

黒咲 ちゃまめん

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オタクとオタクの大間違いラブコメ

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高校二年生になった。
 今年から文系と理系に分かれたため男女比のバランスが崩れてしまった。

 俺は理系に進んだため女子というものに全く縁がなくなってしまったと思われていた。
 四月の初めの日、初の登校日で俺は思い知った。
 このクラスには氷の女王こと土宮凍子つちみやとうこがいることを!

 氷の女王こと土宮(以下略)は昨年の入学式にすでに十人以上もの男女に告られていたという話だ。
 それをすべてあしらったらしい。

 その後の告白も、友達になろうって言われたのもすべて味噌カスにけなして何人もの人間を敵に回してきた。
 一部は新たな境地を開拓したらしい。 

 それくらい魅力的な女性らしい。(友人調べ)というわけだ。

 ちなみに、友人はその境地を既に開拓している。
 ※土宮に関係なく。

 補足
 ・彼女は本が好きらしい(ジャンルは知らん)
 ・好きな教科は国語、特に現代。
 ・好きな食べ物はイカ焼きだそうだ。(イカ焼きとかギャップw)


 俺としては、特に干渉するつもりも鑑賞するつもりもない。
 ただのクラスメートでいるはずだったのになぁ。
 俺様は下界の女には興味がないのだ。

 ど・う・し・て・こ・う・な・っ・た???

 ゴールデンウィーク明け、彼女は俺の所有物彼女?になっていた。

 さかのぼること、春休み課題テスト後のホームルーム。
「席替えをする!」
 常にジャージを着て竹刀をもってそうないかつい顔をしている担任の鬼怒川(48)
 教科は美術だ。
 俺は美術取らないからあんまし関係ないけどな。とか思いつつ席替えの準備をする。

 どうやら席替えの概要は以下の通りらしい。

 ① 男子と女子に分かれてくじを引く。
 ② ペアが隣になる。

 ちなみに男女比は 4:26 だ。
 ここから編み出される勝ち確のくじは。

 先生が一人ひとりの名前を呼び呼ばれた奴は前に出てくじを引く制度だ。
 シンプルだが奥が深い。 やるな鬼怒川。
 「棚下多々たなしたたた
 一人で某ギャンブラーみたいな感じの雰囲気を醸し出して名前を呼ばれたのと同時に席を立つ。

 くくく、これなら女子の隣を引き当てることなんてないぞ。
 俺の破壊の邪眼ブラックアイズも疼いているぞ。

「このくじだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 そのくじには26という数字運命の宣告が刻まれていた。
 後ろの席か、先生からは見えにくいな。

 いったん我に返る。

 そう、俺は熱くなると中二病不治の病をぶり返してしまうオタクだ。

 まあ、展開からしてわかる通り、俺の隣には氷の女王がお座りになられた。

 彼女は静かに本を読んでいた。
 俺も心を落ち着かせるために「恋した幼なじみが変わりすぎてて・・・。焦る(;^ω^)」というラノベを開く。

 「ねえ、たたた君」
 なんともひねりのないあだ名で俺のことを呼んだのは氷の女王こと土宮さんだった。

 「どうしたんだい、ひょうさん」

 っっっ!
 俺の問いかけに見せた反応は、静かな怒りだった。

ほら、俺の足をゲシゲシと蹴ってくる。

 「なにもないわ、失せなさい下等生物」

 おっと、彼女は水の物質変化したものの名前で呼ばれるのは苦手のようだ。
 別に、彼女についてとやかく言いたくも思うこともなかったため俺としてはここから次の席替えまで話す予定はなかったのだが・・・。

 「俺は、席替え年一回しかやらないからな。今年はこれで仕舞だ。」
 鬼怒川の放った一言は男たちを抗議の海へと解き放った。

 俺の予定は崩されてしまった。
 この女との生活なんて・・・。

 ~~~~

 案の定、友達(文系)にキレられた。

 ~~~~

 と、いうことでこの話はゴールデンなウィークへと突入するのだ。

 その日は中日で皆は仕事があったり学校があったりするのだが。
 俺れの学校は、振替休日だった。(土曜日参観の)

 俺は、そんな日を利用してに来ていたのだった。
 まあ、オタ活動の一環だったのだ。

 メ〇トだけじゃ飽き足らず俺の足はメ〇ンブックスまで伸びていた。
 そこにはたくさんのラノベ、マンガ、同人誌が打っているなどオタクの夢オアシスのような空間だ。

 そこの前に一人の少女が経っていた。
 その後ろ姿、嫌な冷気。
 俺には覚えがあった。

 土宮凍子だった。

 「おい、何してんだ氷」
 俺は、麩菓子以上に軽く彼女に声をかけた。

 「誰で・す・・・か。。?」
 振り向くと同時に彼女は固まってしまった。
 それこそ氷のようにかちんこちんに。

 俺たちは状況を整理するために近くの喫茶店に入った。

 「さて、なぜあなたがここにいるのかしらたたた君」
 「それはこっちの話っすよ、氷さん」

 お互い三十秒ほどにらみ合ってからフロートに手を出す。
 ちゅーちゅーストローを吸っている彼女は学校での高嶺の花ならぬ高値のドライフラワーというあだ名に最も似合わないくらい可愛かった。

 ※値が高く、手が付けられないという意味なのです。

 「それで、なぜこんなとこにいたんだ?」
 俺の頭は、フロートによって冷やされたため冷静だった。

 「
 彼女はボソッと呟く。

 「え?」
 某議員のように耳に手を当ててみる。

 すると・・・。
「ライトノベルが欲しかったんですーーーー!!!!」

 彼女のやけくそ交じりの回答が飛んできた。

 だからメロ〇の前にいたのか。
 腑に落ちた。

 「あのさ、ついてきてくれないかしら。」
 彼女は、とてつもないくらいに顔を赤らめる。

 〇ロンに女の子と二人で!?

 「私だって仲良くしたいし、あなたと」

 なぜか倒置法が使われていたが、彼女の言葉に嘘はなさそうだった。
 なら俺も素直に答えるべきだと思ってこう返した。

 「すまん、無理だ」

 フロートの代金を机に置き席から立ち上がろうとする。

 すると。
 「まって、まってよ~。」

 彼女は何か考えているような感じだった。

 ・・・。

 「そうだ、一緒に来てくれたら何か一ついうことを聞いてあげるわ」

 「乗った、よし、行こう。」

 俺は彼女への命令を考えていた。

 時は過ぎた。

 買い物を終えて二人で電車に乗るために駅へと向かう。
 「何か考えた?」

 帰路の途中、彼女は俺に問う。

 「そうだなア」
 こんなチャンスは二度とない、ここでいかに面白いことを言えるかがカギだ。

 とか思いつつも何も言うつもりなんてなかった。
 彼女のオタク趣味を知れただけで十分な気がしていた。

 「なら、彼女が欲しい。」
 俺は、確かにそういった。
 ダメ元とかではない、ふざけていたんだ。
 しかしそんなふざけを彼女は真剣に聞き取った。

 「明日から私はあなたの彼女になります。」

 考えれば、俺のこの一言が人生を大きく変えたんだっけ?
 まあ、そんなこと当時の俺には知る由もなかった。
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