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第一章「ウォロ村」
第十二話「兄妹」
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「……え?」
「ケイとカイって兄妹だったんですか?」
思い返してみれば顔が少し似てるような気もする。
「知らなかったのか?」
そういえば今日の朝、ケイとカイには自己紹介してなかったな。
すっかり顔見知りの気分でいた。
「まぁいい、話を続けるぞ」
オムさんはすっかり俺に呆れてしまっている。
オムさんの話によると、ケイとカイの母親はセントエクリーガ国に仕える騎士団の大隊長をしていた。
しかし戦争で目を怪我したため退団し、その後ウォロの村が出身の男と結婚した後に、ケイとカイが生まれた。
その時に、騎士団の伝手で二人の職業を鑑定してもらったようだ。
実際には、ケイの職業は<〇〇メイド>というらしいが、オムさんが〇〇の部分を忘れてしまい、正確には分からないという。
しばらくして目の怪我が悪化し、医者に治せる見込みが無いと言われたので、夫の故郷であるこの村にケイとカイを連れてやってきた。
そして、ケイが6歳のころ母親は亡くなり、父親も病気で後を追ってしまった。
両親が死んでからはオムさんを中心に村人全員で面倒をみているそうだ。
……うん。
なんだこの複雑な事情。
やっぱり直接聞かなくて良かった。
「ところで、<聖騎士>ってどのくらい強いんですか?」
得られる<特能>は分かってもステータスまでは分からないからな。
「私も詳しくは分からないが、上級職より上の<職業>らしい」
「ケイの母親は女性ながら、騎士団の中でも5本の指に入ったそうだ」
「お前の職業も、もしかしたら<聖騎士>かもしれないな」
「はっはっはっはっは」
オムさんはなぜか大笑いしている。
「そうかもしれませんね」
「そんな訳ないだろ」
「<聖騎士>ならばレベル1で私よりも強い」
オムさんは急に笑うのを止め、真面目な顔で返した。
いや、本気で言ったわけじゃないよ……ほんとに。
「ハハハハハ」
「じゃ、この辺で帰りますわ」
このじじいにもムカついてきたので今日は足早に家を出る。
外にでると日が暮れかかっていた。
少し歩くと、村にあのスープの香りが微かに漂っているのに気付く。
俺はスキップを挟みながら帰り道を歩いた。
家に帰ると、まだ夕飯の準備はされてなかった。
俺はケイがくるのを寝床でゴロゴロしながら待つ。
しばらくすると、ケイが夕飯を持ってきた。
「余ったお肉追加してもらったよ!」
ケイはそう言い残すと、いつも通りの笑顔を俺に向け走り去っていった。
元気だなぁ。
さて、三食目にして初めて夕食を楽しみにしていた。
俺は夕飯を自分の近くに引き寄せる。
「ん?」
肉の量は増えているがスープの量が少ないように見える。
こぼされたのか?
それとも……
俺はそれ以上考えるのを止めた。
スープの味は変わらず美味しかった。
「さーてと……」
食事を食べ終えるといよいよお楽しみのSP振りタイムだ。
現在SPは30ポイント貯まっている。
あのじじいに殴られた時はHPやDEFからあげようと思ったが、この村で最強を目指せるならばその必要はない。
そして、今までの事を考慮すると俺のレベルは1に近く、上がる見込みも少ないだろう。
もしそうならば、俺にぴったりなぶっ壊れた<職業スキル>がある。
「……まあ、ミスってもまた貯まるからいっか」
「よし、ステイ」
俺は30ポイントすべてを使い切る。
そして昂る気持ちを抑えて眠りについた。
その判断を後に後悔するとも知らずに……
「ケイとカイって兄妹だったんですか?」
思い返してみれば顔が少し似てるような気もする。
「知らなかったのか?」
そういえば今日の朝、ケイとカイには自己紹介してなかったな。
すっかり顔見知りの気分でいた。
「まぁいい、話を続けるぞ」
オムさんはすっかり俺に呆れてしまっている。
オムさんの話によると、ケイとカイの母親はセントエクリーガ国に仕える騎士団の大隊長をしていた。
しかし戦争で目を怪我したため退団し、その後ウォロの村が出身の男と結婚した後に、ケイとカイが生まれた。
その時に、騎士団の伝手で二人の職業を鑑定してもらったようだ。
実際には、ケイの職業は<〇〇メイド>というらしいが、オムさんが〇〇の部分を忘れてしまい、正確には分からないという。
しばらくして目の怪我が悪化し、医者に治せる見込みが無いと言われたので、夫の故郷であるこの村にケイとカイを連れてやってきた。
そして、ケイが6歳のころ母親は亡くなり、父親も病気で後を追ってしまった。
両親が死んでからはオムさんを中心に村人全員で面倒をみているそうだ。
……うん。
なんだこの複雑な事情。
やっぱり直接聞かなくて良かった。
「ところで、<聖騎士>ってどのくらい強いんですか?」
得られる<特能>は分かってもステータスまでは分からないからな。
「私も詳しくは分からないが、上級職より上の<職業>らしい」
「ケイの母親は女性ながら、騎士団の中でも5本の指に入ったそうだ」
「お前の職業も、もしかしたら<聖騎士>かもしれないな」
「はっはっはっはっは」
オムさんはなぜか大笑いしている。
「そうかもしれませんね」
「そんな訳ないだろ」
「<聖騎士>ならばレベル1で私よりも強い」
オムさんは急に笑うのを止め、真面目な顔で返した。
いや、本気で言ったわけじゃないよ……ほんとに。
「ハハハハハ」
「じゃ、この辺で帰りますわ」
このじじいにもムカついてきたので今日は足早に家を出る。
外にでると日が暮れかかっていた。
少し歩くと、村にあのスープの香りが微かに漂っているのに気付く。
俺はスキップを挟みながら帰り道を歩いた。
家に帰ると、まだ夕飯の準備はされてなかった。
俺はケイがくるのを寝床でゴロゴロしながら待つ。
しばらくすると、ケイが夕飯を持ってきた。
「余ったお肉追加してもらったよ!」
ケイはそう言い残すと、いつも通りの笑顔を俺に向け走り去っていった。
元気だなぁ。
さて、三食目にして初めて夕食を楽しみにしていた。
俺は夕飯を自分の近くに引き寄せる。
「ん?」
肉の量は増えているがスープの量が少ないように見える。
こぼされたのか?
それとも……
俺はそれ以上考えるのを止めた。
スープの味は変わらず美味しかった。
「さーてと……」
食事を食べ終えるといよいよお楽しみのSP振りタイムだ。
現在SPは30ポイント貯まっている。
あのじじいに殴られた時はHPやDEFからあげようと思ったが、この村で最強を目指せるならばその必要はない。
そして、今までの事を考慮すると俺のレベルは1に近く、上がる見込みも少ないだろう。
もしそうならば、俺にぴったりなぶっ壊れた<職業スキル>がある。
「……まあ、ミスってもまた貯まるからいっか」
「よし、ステイ」
俺は30ポイントすべてを使い切る。
そして昂る気持ちを抑えて眠りについた。
その判断を後に後悔するとも知らずに……
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