レベルってなんですか?

Nombre

文字の大きさ
26 / 244
第一章「ウォロ村」

第二十四話「便利な身体」

しおりを挟む
「まてまてまて」

 全く意味が分からない。
 昨日はSPを77ポイント手に入れて今日は53、いや使った分を含めて63ポイント手に入れている。
 とっくに上限の100ポイントは超えているではないか。

 ……今、思えば昼に<STR>に10ポイント振った時には既に100ポイントを超えていた?


「ふぅ……」

 考えている内に少し冷静になった。

 俺の出した結論としては、カテラとリベイロの片方は上限に到達したがもう片方は上限が50体ではない、もしくは1体で得られるスキルポイントが1ポイントではない。
 この2パターンが考えられる。

 しかし、今までの経験から仮説を立てても間違っているのは目に見えているので深く考えるのは止めることにした。

 明日、確かめれば済むことだ。


 それよりも今は予定外のこのポイントの使い道を考えよう。

 やはり、念のため40ポイントは残しておきたい。

 とりあえず、もう少し<STR>が欲しいので、まず5ポイント使う。
 これで+50だ。

 入り口の近くに置いてある鎌を拾いにいき、何度か振ってみる。
 一応、全力で振れるようにはなったが、まだ鎌が手から離れそうになる。

 俺はさらに5ポイント使う。
 昼間と合わせてこれで+200になる。

 これでしばらく安定するだろう。

 残り60ポイント。

 次に、今日の帰り道に自分の体力の無さを痛感したので<STA(スタミナ)>に10ポイント使う。
 これで<STA>も+100になる。

 おそらく、この10ポイントは大きい。

 これで残り50ポイント。

 正直<HP>に10ポイント振ることも考えたが、俺の今振っている<職業スキル>のおかげで<EVA(回避)>と<DVA(動体視力)>が60%上がっているのでそれぞれに5ポイントずつ振ることにした。


「ステイ」

 この世界に着いてから考える時間が増えた気がする。
 異世界というのはもう少しイージーかと思っていた。


 俺は<職業スキル>に100ポイント振る過程で得た<特能>を少し試す。


「疲れた」

 今日はもう寝よう



 次の日の朝、俺はいつものようにケイに起こされる。
 朝ごはんのメニューは変わらない。

「今日は水曜日だからお風呂の日だよ!」

 食事を置くと、ケイはそう言い残し走り去っていく。

「なん……だと……」

 てっきり週1かと思っていたお風呂が週2とは嬉しい知らせだ。

 ……日曜と水曜がお風呂の日で、土曜がお肉の日になっているのか。

 この世界が週7日制の事にも驚いたが、カレンダーらしき物がないこの村で曜日を把握するための先人の知恵なのかもしれない。


「……」

 それにしてもこの世界にきてからそろそろ一週間か……

 新しい事だらけだったので1か月ぐらいに感じる。

 顎に手を当て、髭が生えてないことに気づく。

 そういえばこの世界で汗をかいた記憶がない。

「便利な身体だな……」

 俺は少し感傷に浸りながら朝ごはんを食べ始めた。


 朝ごはんを食べ終わると綺麗に畳んでおいたスーツを手に取り入浴場へと向かう。

 前と同じ失敗をしないよう、今回は少し長めに入ろう。


 入浴場に着き、ささっと脱衣所で服を脱いで風呂場に入ると、そこにはカイの姿があった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

処理中です...