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第三章「レゼンタック」
第二十四話「10コード」
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うーん……
今日は雲一つない快晴だが、黄色い空だと爽快さが半減している気がする。
せっかくのお散歩だというのに気分が乗らないな。
「まず外に出てやることは指令室との連絡だ!」
「耳に着けた機械を軽く触ると、マイクが繋がる!」
「ちなみに、その通信機はクソ高いから絶対に壊すなよ!!」
「連絡はどっちがやる?」
「俺がやります」
ハリソン君は勢いよく手を挙げた。
耳に付けているイヤホンにはマイクが見えなかったのでマイクは通信機本体に付いていると思っていたのだが、どうやらマイクが内蔵されているタイプだったようだ。
「よし、そしたら通信機の裏を見てくれ!」
俺とハリソン君はベルトから通信機を取り外し、後ろを見た。
通信機の後ろには数字などが書かれた手作りの表が貼り付けてある。
ノアの説明によると、壁の外での任務中は、言い間違えと聞き間違えを減らすために[10コード]というものを使うらしい。
例えば『10-4(テンフォア)』で了解やOKというような10-0から10-10までコードは存在し、さらに『Code Red(コードレッド)』が負傷や緊急事態というような色のコードも存在する。
一見ややこしいように感じるが、ノアが馬鹿なおかげですべての通信機の裏側に対応表がついているので安心だ。
その他にも、数字の読み方を少し変える必要があるが、とりあえずカッコつけていれば問題ない。
ちなみに壁の中では通信が出来ないそうなので、必ず壁の外に出てから通信をするようだ。
「10-8,10-8(テンエイト、テンエイト)」
「ハリソン、ノア、アレンより指令室へ」
「時刻12:41より西門から出発します」
ハリソン君は時計を片手にノアに教えられた文言を喋っている。
その声は俺のイヤホンからも聞こえてきた。
「……10-2」
「……地点A72(アルファセブンツー)へ移動せよ」
「初任務、頑張ってください」
「10-4」
「ふぅ……」
初通信を終えたハリソン君は自慢げな顔をしている。
カッコいい。
俺も早く『椅子のお姉さん』とお話してみたい。
「二人とも、移動中にモンスターを探して見つけたらすぐに報告しろ!」
「それとこの仕事は基本的には15分刻みで動いているから、今回なら1時ちょうどにA72に到着するのがベストだ!」
「走る速度はそのうち慣れてくる!」
「よし、いくぞ!」
ノアはそう言うと、壁に沿って北に走り始めた。
走る速度は軽めのマラソン程度だったので体力的には大丈夫そうだ。
壁の西側には初めて出たが、山が見えるだけで景色は特に変わらない。
……コンパスと地図だけで自分が地点A72にいるってどうやって判断するんだ?
「よし、ここだ!」
「アレン、時間は?」
「ふぅー」
「えーっと、1時ぴったり」
俺は腰のポーチから時計を取り出して時間を確認する。
時間ぴったりか……
ノア、すごいな。
「二人とも、そこの地面を見てみろ!」
ノアが指差した地面にオレンジ色の石の円盤が置いてある。
そこには白い文字で[A72]と書いてあった。
ということは地点ごとにこの円盤が置いてあるのか……
意外と気づかないものだな。
「その石の下に発煙筒が入ってるからな!」
「開けるとレゼンタックで馬鹿でかい警報が鳴るから緊急事態以外に開けるなよ!」
「そしたらアレン、地点を確認したら指令室に報告だ!」
「わかった」
俺は耳につけたイヤホンに軽く触れる。
プンッ
マイクが繋がったのか、ポップな音がイヤホンから鳴った。
「アレン、ノア、ハリソンより指令室へ」
「地点A72、到着しました」
「……10-4」
「……地点A72で待機せよ」
「10-4」
ハリソン君の時みたいに『頑張って』的な言葉はないのか……
少し寂しいな。
「よし、15分の休憩だ!」
ノアはそう言うと、円盤状の石の上に腰を下ろした。
今日は雲一つない快晴だが、黄色い空だと爽快さが半減している気がする。
せっかくのお散歩だというのに気分が乗らないな。
「まず外に出てやることは指令室との連絡だ!」
「耳に着けた機械を軽く触ると、マイクが繋がる!」
「ちなみに、その通信機はクソ高いから絶対に壊すなよ!!」
「連絡はどっちがやる?」
「俺がやります」
ハリソン君は勢いよく手を挙げた。
耳に付けているイヤホンにはマイクが見えなかったのでマイクは通信機本体に付いていると思っていたのだが、どうやらマイクが内蔵されているタイプだったようだ。
「よし、そしたら通信機の裏を見てくれ!」
俺とハリソン君はベルトから通信機を取り外し、後ろを見た。
通信機の後ろには数字などが書かれた手作りの表が貼り付けてある。
ノアの説明によると、壁の外での任務中は、言い間違えと聞き間違えを減らすために[10コード]というものを使うらしい。
例えば『10-4(テンフォア)』で了解やOKというような10-0から10-10までコードは存在し、さらに『Code Red(コードレッド)』が負傷や緊急事態というような色のコードも存在する。
一見ややこしいように感じるが、ノアが馬鹿なおかげですべての通信機の裏側に対応表がついているので安心だ。
その他にも、数字の読み方を少し変える必要があるが、とりあえずカッコつけていれば問題ない。
ちなみに壁の中では通信が出来ないそうなので、必ず壁の外に出てから通信をするようだ。
「10-8,10-8(テンエイト、テンエイト)」
「ハリソン、ノア、アレンより指令室へ」
「時刻12:41より西門から出発します」
ハリソン君は時計を片手にノアに教えられた文言を喋っている。
その声は俺のイヤホンからも聞こえてきた。
「……10-2」
「……地点A72(アルファセブンツー)へ移動せよ」
「初任務、頑張ってください」
「10-4」
「ふぅ……」
初通信を終えたハリソン君は自慢げな顔をしている。
カッコいい。
俺も早く『椅子のお姉さん』とお話してみたい。
「二人とも、移動中にモンスターを探して見つけたらすぐに報告しろ!」
「それとこの仕事は基本的には15分刻みで動いているから、今回なら1時ちょうどにA72に到着するのがベストだ!」
「走る速度はそのうち慣れてくる!」
「よし、いくぞ!」
ノアはそう言うと、壁に沿って北に走り始めた。
走る速度は軽めのマラソン程度だったので体力的には大丈夫そうだ。
壁の西側には初めて出たが、山が見えるだけで景色は特に変わらない。
……コンパスと地図だけで自分が地点A72にいるってどうやって判断するんだ?
「よし、ここだ!」
「アレン、時間は?」
「ふぅー」
「えーっと、1時ぴったり」
俺は腰のポーチから時計を取り出して時間を確認する。
時間ぴったりか……
ノア、すごいな。
「二人とも、そこの地面を見てみろ!」
ノアが指差した地面にオレンジ色の石の円盤が置いてある。
そこには白い文字で[A72]と書いてあった。
ということは地点ごとにこの円盤が置いてあるのか……
意外と気づかないものだな。
「その石の下に発煙筒が入ってるからな!」
「開けるとレゼンタックで馬鹿でかい警報が鳴るから緊急事態以外に開けるなよ!」
「そしたらアレン、地点を確認したら指令室に報告だ!」
「わかった」
俺は耳につけたイヤホンに軽く触れる。
プンッ
マイクが繋がったのか、ポップな音がイヤホンから鳴った。
「アレン、ノア、ハリソンより指令室へ」
「地点A72、到着しました」
「……10-4」
「……地点A72で待機せよ」
「10-4」
ハリソン君の時みたいに『頑張って』的な言葉はないのか……
少し寂しいな。
「よし、15分の休憩だ!」
ノアはそう言うと、円盤状の石の上に腰を下ろした。
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