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第三章「レゼンタック」
第三十三話「オニ」
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<ナイフ>にSPを40ポイント振って得た<抜刀1>はちょっと微妙だった。
鞘から短剣を抜きやすくなっただけで技術に補正がかかるわけではないようだ。
鞘と刀身の間に見えないローションを塗っただけ。
<特能>に甘えずにちょっと練習したほうがいいかもな……
今日は4月最後の金曜日。
任務地は北東方向。
そして給料が入る日。
俺はスキップをしながらB10方向に移動する。
ケイもあれから元気に仕事に復帰している。
給料は銀行に振り込まれるが通帳で確認するにはいちいち市役所にいかなくてはいけないので、機械で確認できるカードをトレバーさんに作ってもらっている。
そんな便利なカードがあるなら先に教えてといて欲しかった。
あれからSPは少しづつ増えているが新しい<特能>は会得できていない。
「地点C9からB10、2時方向にチンギアレ一体を発見、距離1200」
「……10-0」
「10-4」
「ふぅ……」
またイノシシちゃんだ。
倒してもSPが2ポイントしか入らないから嫌だ。
だがこれは仕事なので仕方がない。
俺は前足の腱を斬ってから核を壊す、慣れた方法でイノシシを倒す。
「10-0」
指令室に報告した瞬間、目の前で何か大きな物体が立ち上がった。
俺は慌てて体勢を低くする。
「……地点E9、3時方向にオニを発見、距離1000」
背の高さは3~4m。
赤い肌に二本の角。
ウォロ村で見た物よりは小さいがこの距離でも少し足がすくむ。
オニはおそらくまだこちらに気づいていないだろう。
だがしかし……
「……地点F9に移動後、改めて状況を報告せよ」
「3分後に加勢を送る」
「10-4」
「……よかった」
これに関してだけは絶対に一人でやりたくなかった。
オニはこの辺りで最高のCランクだ。
そもそもANP(適正対応人数)の一人の基準が曖昧なのも良くない。
ノアは俺ならCランクのオニ程度ならなんとかなると言っていたが、自信はまったくない。
「アレンより指令室へ」
「地点F9に到着しました」
「今から状況を報告します」
俺はなるべく体勢を低くしてオニがいる場所をじっくり観察する。
「……10-4」
「オニは地点F9より4時方向、距離500」
「おそらくC級が1体、F級が3体です」
「……10-4、その場で加勢を待て」
オニは成長するモンスターだ。
そして子育てをする。
オニにはC級、E級、F級が存在していて、それは体格や角の有無で判断できる。
F級は角無し、C級とE級は角有り。
D級が存在していない理由はE級とC級の見た目と強さの差がはっきりとしているからだ。
オニはE級からC級になる際に数時間で突然、大きくなる。
「お、アレンだったか!」
声が聞こえたので振り返ってみると、いつの間にかノアが槍を片手に堂々と立っていた。
自分の心臓の音で足音が全く聞こえなかった……
「お前なら一人で大丈夫だろ!」
「まだ俺達には気づいていないようだしな!」
「ガッハッハッハッハ!!」
ノアが大声で笑うと、いままでそっぽを向いていたオニがこちらをギロッと睨んだ。
せっかく息を殺して隠れていたのに……
「……気づかれたよ?」
「よし、やるか!」
まったく……
鞘から短剣を抜きやすくなっただけで技術に補正がかかるわけではないようだ。
鞘と刀身の間に見えないローションを塗っただけ。
<特能>に甘えずにちょっと練習したほうがいいかもな……
今日は4月最後の金曜日。
任務地は北東方向。
そして給料が入る日。
俺はスキップをしながらB10方向に移動する。
ケイもあれから元気に仕事に復帰している。
給料は銀行に振り込まれるが通帳で確認するにはいちいち市役所にいかなくてはいけないので、機械で確認できるカードをトレバーさんに作ってもらっている。
そんな便利なカードがあるなら先に教えてといて欲しかった。
あれからSPは少しづつ増えているが新しい<特能>は会得できていない。
「地点C9からB10、2時方向にチンギアレ一体を発見、距離1200」
「……10-0」
「10-4」
「ふぅ……」
またイノシシちゃんだ。
倒してもSPが2ポイントしか入らないから嫌だ。
だがこれは仕事なので仕方がない。
俺は前足の腱を斬ってから核を壊す、慣れた方法でイノシシを倒す。
「10-0」
指令室に報告した瞬間、目の前で何か大きな物体が立ち上がった。
俺は慌てて体勢を低くする。
「……地点E9、3時方向にオニを発見、距離1000」
背の高さは3~4m。
赤い肌に二本の角。
ウォロ村で見た物よりは小さいがこの距離でも少し足がすくむ。
オニはおそらくまだこちらに気づいていないだろう。
だがしかし……
「……地点F9に移動後、改めて状況を報告せよ」
「3分後に加勢を送る」
「10-4」
「……よかった」
これに関してだけは絶対に一人でやりたくなかった。
オニはこの辺りで最高のCランクだ。
そもそもANP(適正対応人数)の一人の基準が曖昧なのも良くない。
ノアは俺ならCランクのオニ程度ならなんとかなると言っていたが、自信はまったくない。
「アレンより指令室へ」
「地点F9に到着しました」
「今から状況を報告します」
俺はなるべく体勢を低くしてオニがいる場所をじっくり観察する。
「……10-4」
「オニは地点F9より4時方向、距離500」
「おそらくC級が1体、F級が3体です」
「……10-4、その場で加勢を待て」
オニは成長するモンスターだ。
そして子育てをする。
オニにはC級、E級、F級が存在していて、それは体格や角の有無で判断できる。
F級は角無し、C級とE級は角有り。
D級が存在していない理由はE級とC級の見た目と強さの差がはっきりとしているからだ。
オニはE級からC級になる際に数時間で突然、大きくなる。
「お、アレンだったか!」
声が聞こえたので振り返ってみると、いつの間にかノアが槍を片手に堂々と立っていた。
自分の心臓の音で足音が全く聞こえなかった……
「お前なら一人で大丈夫だろ!」
「まだ俺達には気づいていないようだしな!」
「ガッハッハッハッハ!!」
ノアが大声で笑うと、いままでそっぽを向いていたオニがこちらをギロッと睨んだ。
せっかく息を殺して隠れていたのに……
「……気づかれたよ?」
「よし、やるか!」
まったく……
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