異世界で勇者ではなく喫茶店で働いてます

望夢

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ジャイアントトード討伐任務

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 ジャイアントトード討伐任務の為に準備を進めている時、その人は現れた。

「ワーッハッハッハッ!! 本日は晴天、実に良い狩り日和となったなユーリよ!」

「ら、ラバン将軍! お、おはようございます!」

「うむ。礼儀良きは教養の現れ。そんなお主を放逐するとは評議会の連中は何もわかっとらん。お主1人に討伐任務を与える等とは、厄介払いなのが見え透いておるわ。まったくもって嘆かわしい」

 がっしりとした巨漢は一目見ただけでただ者とは思えない威圧感を感じるだろう。老齢であるのにそんな歳による衰えなど一切感じさせない生命力に溢れている偉丈夫の名はランバ・ラバン将軍という。

 エスタリア皇国五大士族の一家、ラバン家当主でもある。

 ちなみにゼノンさんの他に城内で数少ない頼れる人でもある。

「ワシが直接助力出来れば事なきものだが、仮にもお主も男児。己の証しは己で立てたいだろう。故に微力ながらワシからの餞別を連れてきたぞ」

「餞別、ですか?」

 そして連れてきたという言葉も気になる。連れてきたというなら生き物と捉えるが。

「ほれ、リーナ、挨拶せい」

「は、はい、お爺様!」

 ラバン将軍が横へ退くと、その身体に隠れていた女の子が姿を現した。上半身を鎧に包み、槍を手にするその女の子。金髪のショートにオリーブ色の瞳にはまだあどけなさを残していて、武具に着られている感が抜群の子を前にして言葉が出なかった。

「り、リーナ、ラバンですっ。ゆ、勇者さまにお仕え出来るなんて、こ、光栄です!」

「見た目はちと頼りなく見えるがな。それでも武門のラバン家の子だ。騎士団のお坊っちゃまよりは使い物になる」

「よ、よろしくお願いします!」

 そうラバン将軍は語るが、どう見ても戦う人には思えなかった。しかし彼女を同行させる為にわざわざ連れてきたというのなら、断るのもラバン将軍の気づかいを無碍にしてしまう事にもなる。

「心配召されるな、勇者殿。その時の為にわたくしも控えております故」

 もう連れていく他無い雰囲気なので、リーナと名乗った女の子に手を差し出した。

「よろしく、リーナ。それと、俺は勇者なんて偉い人間じゃないんだ。よかったら名前で呼んでくれるか?」

「そ、そんな、恐れ多いです。わたくしは勇者さまにお仕えする身です故」

 能無しなんて烙印を押された身で勇者と呼ばれるなんて居心地が悪いから呼び捨てにして貰いたかったものの、それは今すぐには叶わない様子だ。差し出した手も宙を漂う。

「それとだユーリよ。評議会のつまらん嫌がらせだが、持っていく武器を用意してきた。これも持っていけ」

「は、はい! ありがとう…ござい、ま…す……」

 ラバン将軍の身体の影になっていてわからなかったが、肩から担ぎ降ろした武器を見て言葉を無くした。

 身の丈の半分以上もある大きな剣──俗に言うロングソードのさらに上のグレートソードとか呼ばれる刀身が長く幅も分厚い大剣だった。

「うわっ、とととぉ!? んぐっ」

 それを受け取ってその重さにバランスを崩しそうになるも、意地で堪える。さすがに将軍の見ている前で武器を受け取ってスッ転ぶなんて恥は犯せない。

「うむ。リーナよ、確りと励むのだぞ?」

「は、はい! お爺様!」

「うむ。では吉報を待っておるぞ、ワーッハッハッハッ!!」

 高笑いを上げながら去っていくパワフルなラバン将軍を見送った。

「うっ、重っ」

「だ、大丈夫ですか? 勇者さま」

「せ、背負えば、なんとか…っ」

 鞘のベルトで斜め掛けにして背負えば自分の身長が170cmで比べると、長さは約100cmはあるだろうか。幅も30cm程ある。持った感じの重さも20kg程度はあった。

 こんな重い物を普通に考えて振り回せない。3ヶ月前までもやしっ子だった自分も日々の鍛練で少しは筋力を付けたとはいえどもだ。

「ふむ。強化魔法を扱えれば振り回す程度ならば見習い剣士であろうとも可能でしたでしょう。魔法を扱えない勇者殿には文字通り荷の重い武器を寄越すとは。評議会からの人気があるようでなにより」

「ひとつも喜べそうにない人気だろ、コレは…」

 背負っているだけでも疲れる武器。しかしラバン将軍がこの大剣を持たせたという事は、この剣以外での討伐は認めないという事だ。つまりやるしかないのである。

 同行が決まったリーナと、自分、ヘルメスの3人で街道へと向かった。

 八つある城壁を越えて外に出るのははじめてだった。城壁の間は約1キロはあっただろうか。中々の幅を360度城壁が囲って街を形成しているのだからエスタリア城の大きさを物語る。城下町だけでもかなりの規模の街となっているのが伺い知れる。

 直線にして約8キロを歩きで行くだけでも軽い運動である。それを20㎏近くの大剣を背負ってとなれば尚更で、足の進みも悪い。

 城下の外になると平原が広がり、畑の姿も見える。

 エスタリア城への門を潜る順番待ちの列を横目に、街道を下っていく。

「リーナは、今幾つなんだ?」

 沈黙に耐えかねて気になっていた事を質問した。

「じゅ、14です…」

「14!? 俺の2つ年下なのか」

「ゆ、勇者さまは16歳なのですね。ご立派です」

「そんな、立派なことなんて無いよ」

 魔法が使えないから無能もの扱いで勇者なんて肩書きに全然見合ってなんかいない。今もただ歩いているだけで息が上がってきてしまっている。

「リーナこそ、その歳で槍を使えるなんて凄いよ」

「い、いいえ。わたしなんてまだまだ未熟者で。こうして勇者さまにお仕え出来るなんて夢の様です」

 謙遜なのか、本当に未熟者なのか、彼女の槍捌きをまだ見ていないので何とも言えない。しかし見た目からして戦い慣れている様にも思えない。だがラバン将軍のお墨付きとなれば問題はないのか。どう判断したものかわからなかった。

「そろそろですな。街道を外れますぞ」

 街道から外れるという事は何時ジャイアントトードと遭遇してもおかしくはない。さらには別の魔物とも遭遇する可能性もある。

 嫌でも意識は切り替わる。

 リーナも槍を抜く。

 行軍を続けていく内に、空気が変わったのを肌で感じる。

「これは…、身体が…軽い」

 そうリーナが溢す。確かに身体が軽くなったのは同意見だった。

「おや、お二方ははじめてですかな? それは大気中のマナが濃くなり、身体が活性化している証ですな。その証拠に」

 そう言いながらヘルメスが指し示す先には、何か光が地面から立ち上っていて、その周りに3匹程の桁外れに大きなカエルの姿があった。遠くても判る大きさ、2tトラックくらいの大きさはあった。

「地中からマナの噴き出すマナイード。産卵後で生命力の落ちているジャイアントトードがああして生命力を回復させているのですよ」

 手が背中に背負う大剣の柄に伸びる。抜き放った剣は本当に凄まじく重い。地面に切っ先を着けて引き摺るだけでも一苦労だ。

 ただこれだけ重いのなら、振り回して遠心力を乗せられれば手痛い一撃にはなるはずだ。

「リーナ。ジャイアントトードの弱点とか知ってるか?」

「え、あ、はい。ジャイアントトードは火に弱い魔物です。あとは打撃には強く、生半可な刃物では跳ね返してしまう軟らかい外皮が厄介です。それと、振り回せば樹木もへし折ってしまう舌も強力です」

「ありがとう」

 リーナから聞いたジャイアントトードの特性を頭に叩き込む。

「では、心苦しいながらわたくしは監督役として見守らねばならぬ身。基本的に一切手は出せませんのでご容赦を」

「ああ。わかってる」

 ヘルメスは基本戦力外として、自分の他にリーナを戦力として数えてしまって良いものか。いや、良いのだからラバン将軍は自分に同行させたのだろう。

 とはいえ14歳の女の子を矢面に立たせるのは男としてどうなんだと考えるし、監督役のヘルメスも居るのだから結局は自分がジャイアントトードを倒さなければ任務修了とは見なされないだろう。

「くっ、担げば…っ、行ける!」

「お、お供しますっ」

 重い大剣を担ぎ上げて駆け出す。そう何度も振り下ろせそうに無いのなら最初から全力で行くしかない。

 軽装とはいえ鎧を纏うリーナよりも自分の速さは遅い。

 雑草を踏み締める音で此方に気付いた近場のジャイアントトードの1体がのっそりと身体を起こした。

「でやあああああ!!!!」

 半ばヤケクソで、しかしゼノンさんとの稽古で身に付けた体捌きを最適に実行する。

 踏み込みと同時に振り下ろした切っ先はジャイアントトードAの頭を直撃して、その質量に違わぬ威力を発揮して地に埋没させた。手応えはアリ。

「勇者さま!」

「なっ、ぐぅっ」

 仲間をやられて此方を脅威と見なしたらしい他の2体も戦闘態勢。

 強襲は成功したが、態勢を整えた1体、ジャイアントトードBが舌を伸ばして襲ってくる。

 振り下ろした刃の裏に身体を潜ませて、さらに刀身を斜めにしてその舌攻撃を受け流す。それでもあまりの勢いに態勢を崩してしまう。

「勇者さま! っ、はあああ!!!!」

 リーナは残ったジャイアントトードCと戦っているらしい。

「これ、くらいっ」

 身体を起こした先にジャイアントトードBの姿がない。その時、影が差して本能的に身体を横に転がせた直後に地響きが襲う。

「くそっ」

 カエルだから跳んで当たり前と思う前に、あんなのにのし掛かられた日には骨が折れるなんて表現じゃ済まさないだろう。質量の暴力は向こうも同じだった。

 素早く立ち上がって態勢を立て直す。

 するとジャイアントトードBは今度は上ではなく前に跳んで来た。

「マズ──ッ!? ぐはっっ」

 避ける暇などなく、出来たことはギリギリで大剣を防御の為に挟み込んだだけだった。

「あが、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーッッ」

 防御は間に合ったが、そのまま大剣ごとジャイアントトードの下敷きにされて骨の軋む激痛が全身を駆け抜け、情けない悲鳴をあげていた。

「勇者さま!! ハァァァアアアア!!!!」

 ズドンッ、という大きな音と共に激痛が引く。

 それはジャイアントトードの巨体にリーナが体当たりをして退かした音だった。

「これでもエスタリア皇国五大士族の娘です! 勇者さまはやらせませんっ」

 侮っていたわけではない。それでも自分の事を助けてくれた女の子は、自分などよりも余程頼もしい武人だった。

「くっぅぅッッ、ああああッッ」

 そんな背中が眩しくて、無様でも良いからとにかく立ち上がれと身体に命令してどうにか起き上がれた。

 突き飛ばされたジャイアントトードBも態勢を立て直していた。

 腰のポーチから回復薬を取り出して一気に中身を飲み干す。

 すると全身を苛む痛みが引いていく。脂汗を掻きながら痛みの余韻の吐き気を堪えて、大剣を構え直す。

「ありがとう、助かった」

「い、いえ。しかし大丈夫ですか?」

「なんとか…」

 回復薬を一瓶飲み干した事で痛みは消えた。外傷に振り掛けて傷の治りを早くする薬なのだが。身体の中身を治すのには服薬して効果があるという事だ。

「スゥ……フゥ……」

 思わぬ反撃だったからか、ジャイアントトードBは明らかにリーナを警戒している。そのお陰で深呼吸する余裕もあった。

 頭に当てれば一撃も出来る。ただ不意打ちだった先程と違って、対峙している今にそんな大振りな一撃を貰ってくれるか。

「トドメは何とかする。隙を作ってくれるか?」

「わかりましたっ」

 駆け出すリーナに続いて自分もあとに続く。年下の女の子を矢面に立たせるのは男としてどうなんだとか甘っちょろい事なんて考えてはいられなかった。

 激痛と共に脳裡を過った死という感覚から逃げ出そうと頭を全力で勝利する為に働かせる。

 死にかけたのに逃げ出そうとしないのは、今も頼もしい年下の女の子の背中を目にしているからか。

「やぁぁぁああああ!!!!」

 鎧を身に付けているとは思えない跳躍力で跳んだリーナは、空中で身を捻って、その槍の鉾でジャイアントトードBの頭を殴り付けた。

 それだけでジャイアントトードBの頭は地面に陥没する勢いで叩きつけられた。成る程、見た目からは想像も出来ない怪力が彼女にはどうやらある様だ。

 自分など居なくても彼女だけでジャイアントトードを討伐するなど雑作もなかっただろう。

「でええええいっっ」

 振り上げた大剣を、まだ動こうとするジャイアントトードBのトドメの為に振り下ろした。

 トドメを刺したジャイアントトードBには目もくれずに、残るジャイアントトードCへと返す刀で向かう。

 ジャイアントトードCが此方を近づけまいと舌を伸ばして襲ってくるが、大剣を盾にして受け流す。

 横を駆け抜けた。リーナに遅れぬ様に再度駆け出す。

「せえええい!!!!」

 今度は跳びながら切り上げて、ジャイアントトードの頭をカチ上げた。

 リーナから強烈なアッパーを貰ったジャイアントトードCはふらふらと頭を揺らすとそのまま倒れ伏した所に、渾身の力を込めて大剣を振り下ろしてトドメを刺す。

 残心する間も無く、片膝を着いて思いっきり息を吐いて、生きている事に感謝した。

「ご無事ですか、勇者さま?」

「あ、あぁ。ホントに、ありがとう。勝てたのは、リーナのお陰だ」

「い、いいえ。そんな事は…」

 あれだけ戦えて謙遜の言葉が出てくるのは彼女の性格なのだろうか。いずれにせよ、彼女が居なければ自分は死んでいた。彼女は命の恩人だ。

「お見事。これで街道の平和は保たれましょう」

 そう言って近寄るヘルメスの様子から、任務内容に問題はなかったらしい。

「とはいえ疲弊しているご様子。ジャイアントトードに倣い、マナイードで暫し休まれる事を提言致しましょう」

「そうさせて貰うよ…」

 アドレナリンのお陰か、それとも死を回避する為に集中していたからか、消えていた痛みがシクシクと細かに身体を苛む。骨どころか内臓も危うそうだった。

 光が地面から立ち上る穴に近付くと、身体が段々と楽になっていくのがわかる。

 マナ、というのが生命力を回復させる効果があるのなら、身体の細かな損傷も現在進行形で癒してくれているのだろうか。

 退治した魔物はあとでギルドが回収に来てくれるそうだ。

 暫く休むと身体の痛みも無くなった。軽く身体を動かしてもあの身体の芯から軋む様な激痛が幻であったかの様に消えている。心なしか大剣も軽く感じられた。

「もう休憩はよろしいのですか?」

「ああ。ごめん、待たせて」

「い、いいえ、わたくしの事などお気になさらず」

 自分などよりも強いリーナに下手になられるとなんとも居心地が良くない。もしやこれは先ずはリーナに追い付けというラバン将軍の遠回しな課題なのだろうか。

 身体に問題なく活力も戻った事で帰路に就く。少なくないダメージを負っていた筈の身体が完治するどころか、身体の内側から熱の様に湧き出る力の感覚は今までに無いものだった。



◇◇◇◇◇



「おお、戻ったかユーリ。特に傷も負っておらん様でなにより」

 城に戻るとラバン将軍が出迎えてくれた。

「いえ、まぁ、危うく死ぬところでしたが、リーナのお陰で命拾いしました。此度の勝利はリーナが居てくれたお陰です」

「ほう。それであればなにより。良かったではないかリーナよ」

「そ、そんな、滅相もございません!」

「まぁ、見ての通り館暮らしが長く我の弱い娘でな。そこを鍛える為にも市井に出て様々な事を学ばせたい。ユーリよ、良ければリーナの面倒を見て貰いたい」

「命の恩人です。恩を返す為にもその話、お引き受けします」

「そうかそうか。うむ、ならば良し。ゼノン殿にも許可を得ている。リーナよ、暫しの間、ゼノン殿のもとに世話になると良い」

「は、はい、お爺様!」

「うむ。ユーリよ、リーナの事を頼んだぞ」

「わかりました。お任せください」

「うむ。結構結構。ではまたな」

 そう言い残して去っていくラバン将軍を見送って、さてあとはゼノンさんの仕事終わりまで手透きになった。

「あ、あの、不束者ですがよろしくお願いしますっ」

「こちらこそ、よろしく、リーナ」

 ラバン将軍から預けられたリーナは見掛けによらずただ者ではない武人だった。そんな彼女を自分の身近に居座らせるという事は、やはり次の課題は彼女を超える事なのだろう。

 これも果たすべく明日からまた鍛練に念を入れなければと胆に銘じた。





つづく。
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