29 / 77
3章 反社会政府編 〜後悔〜
29話 また湧き出る不思議な感情
しおりを挟む
「………」
「手を伸ばせば助けられた。でも俺は手を伸ばさなかった」
「俺のように怖気付いたのか?」
「その通り。俺の目の前で母は頭からカゲルに喰われた。数秒後には当時のアカデミーの人間が助けに来てくれたがもう遅かったのだ。思考が幼かった俺はずっとアカデミーが到着するのが遅いせいで母は死んだと思っていた。でも今になっては、手を伸ばさなかった俺が母の命を握っていたと。責めるのは自分自身だったと思っている」
カムラは乾いた笑いをしておにぎりに手を伸ばした。こいつも似たような状況を経験していたのだな。パリッと音の鳴るカムラのおにぎり。少し遠くでもまた違う音が鳴った気がした。
「別に共感するために言ったのではない。ただ先生族に聞いてほしかっただけなのだ」
「……ああ」
「この話は俺達の秘密にしておこう。そろそろハルサキ族が戻ってくるはず」
そう予言したようにカムラが言えば隣の部屋からハルサキが両手に料理を持って帰ってくる。3つの料理は湯気が立ち、少し前におにぎりを食べた腹に一気に空腹感を与えた。
「貴方のカップラーメンも食べれる。先にお湯を入れておいたからちょうど3分経ったはずだ」
「ありがとう」
「カムラ、のり弁はこれくらいの温かさでいいか?」
「十分だ。有り難く頂こう」
俺は筒状の入れ物の蓋を取って中に入っている麺を箸で掬って食べ始める。本日2度目の感動が俺の中で響き渡った。
「恐るべし日本…。カムイ王都には無い食の技術だ」
「ずっと気になっていたが、カムイ王都とは本当にアニメの世界なのか?流石にコスプレイヤーでもここまで執着するのはあまり無いと思う」
「む。確かにな。時々ボロが出ると思っていたが、先生族はカムイ王都出身を貫き通している。かと言ってそんな地名は日本には存在しない」
「この前少し気になってスマホで調べたが、外国にもそんな名前の地名は見当たらなかった」
「奇遇だな。俺もお前達が住んでいる日本という地名を知らなかったのだ。アカデミーの書庫で調べて覚えたくらいにな。ここの地名…東京もカムイ王都では聞いたことない。きっと学者に調べさせても俺と同じ答えだろう」
ズルズルと音を立てながら俺は麺を飲み込む。小さな野菜が絡み付いてくるのがなんとも言えない。汁は最後におにぎりを入れてみたいから我慢だ。
カムラもハルサキもそれぞれの料理に手を伸ばしながらカムイ王都について頭を悩ます。そんなにカムイ王都が気になるのか?
「仕方ない。カムイ王都について話してやろう」
「ああ、それが理解に1番繋がる」
「先生族よろしく頼む」
「任せろ。カムイ王都は初代王のカムイが建国した国の名前だ。その初代王カムイの血を引き継いでいるのが今ここにいる俺のような王家の一族。代々続く王家は国の頂点に立つ者達なのだ」
「いわゆる天皇って感じなのか。貴方は結構いい身分だな」
「勿論。ただ……」
「む?どうした?」
「もう皇子としての俺は終わったのだ。建国記念日の宴の時に俺は賊に斬られてしまった。そして気付いたらこの世界に居て、アサガイ委員長とハルサキとリンガネに出会ったという経緯が今までだ」
「………なるほど。それがあらすじか。貴方が好きになるのもわかる気がする」
「ん?」
「よく出来ているアニメだ。今はカゲルのせいでアニメなんてやっていないが、平和になったらAクラスの生徒達みんなで見よう」
「リンガネあたりは喜びそうだな」
「ちょっと待て、2人は何を話している?」
「アニメならミロクニ族あたりに聞いてみるといい。あいつは物語が好きでテレビやら小説やらを読み漁っているらしいからな」
絶対に噛み合ってない。直感で俺は確信した。しかしどうやって噛み合わせれば良いのかもわからない俺は口角を引き攣らせるしか出来ずにいる。
テーブルを挟んだ向かい側にいる2人は物語について話し始めるから完全に俺は置いていかれた気分だ。するとベッドの近くにある戸棚から1冊の本が落ちる音がした。
「あ…」
俺はあと少しで終わるラーメンを置いて落ちた本を取り上げる。噂をすれば何とやらだ。
「ちょうど話題に出ていたミロクニから紹介された本なんだ。お前達は読んだことはあるか?」
「ミロクニ族はよく本を薦めてくれるが俺はどうにも文字が並んでいると眠くやってしまうのでな。ハルサキ族はどうだ?本は好きだろう?」
「見せてくれ。………これは読んだことない。というか薦められていないな。もし貴方が読んで面白かったら紹介してほしい」
「わかった。アカデミーの書庫は貸し出しの期限はあるのか?」
「3週間の期限がある。でも任務などを含めると3週間なんてあっという間に過ぎてしまうから要注意だ」
ハルサキに言われて俺は手に持つ黒い表紙の本を眺める。そこまで分厚く無いから真剣に読めば1日で終わるだろう。
紹介して貰っておいて読まないのは流石に気が引ける。ミロクニは俺に読んで感想が欲しいとあの時言っていた。しょうがない。明日にでも本を読み始めて見よう。
俺は戸棚に本を丁寧にしまった。全く何も入っていない棚に1冊だけの本は少し浮いているように見える。やはり少しだけ小物を揃えた方が良いのだろうか。
「いいや俺は後に出て行く身。必要最低限で構わない」
「先生族よ。何をぶつぶつと言っている?」
「麺が伸び始めている。最後の一口を食べてスープご飯を試してくれ」
「ああ、今行く」
まだ俺とカムラとハルサキの男子会は続く。男子会は今日の任務の件で落ち込んでいる俺の側にいるための口実だとはわかっていた。
しかしそれに気付かない振りをして3人で食べる食事は何だか美味しくて温かい。また初めての感情が湧き出た。
「手を伸ばせば助けられた。でも俺は手を伸ばさなかった」
「俺のように怖気付いたのか?」
「その通り。俺の目の前で母は頭からカゲルに喰われた。数秒後には当時のアカデミーの人間が助けに来てくれたがもう遅かったのだ。思考が幼かった俺はずっとアカデミーが到着するのが遅いせいで母は死んだと思っていた。でも今になっては、手を伸ばさなかった俺が母の命を握っていたと。責めるのは自分自身だったと思っている」
カムラは乾いた笑いをしておにぎりに手を伸ばした。こいつも似たような状況を経験していたのだな。パリッと音の鳴るカムラのおにぎり。少し遠くでもまた違う音が鳴った気がした。
「別に共感するために言ったのではない。ただ先生族に聞いてほしかっただけなのだ」
「……ああ」
「この話は俺達の秘密にしておこう。そろそろハルサキ族が戻ってくるはず」
そう予言したようにカムラが言えば隣の部屋からハルサキが両手に料理を持って帰ってくる。3つの料理は湯気が立ち、少し前におにぎりを食べた腹に一気に空腹感を与えた。
「貴方のカップラーメンも食べれる。先にお湯を入れておいたからちょうど3分経ったはずだ」
「ありがとう」
「カムラ、のり弁はこれくらいの温かさでいいか?」
「十分だ。有り難く頂こう」
俺は筒状の入れ物の蓋を取って中に入っている麺を箸で掬って食べ始める。本日2度目の感動が俺の中で響き渡った。
「恐るべし日本…。カムイ王都には無い食の技術だ」
「ずっと気になっていたが、カムイ王都とは本当にアニメの世界なのか?流石にコスプレイヤーでもここまで執着するのはあまり無いと思う」
「む。確かにな。時々ボロが出ると思っていたが、先生族はカムイ王都出身を貫き通している。かと言ってそんな地名は日本には存在しない」
「この前少し気になってスマホで調べたが、外国にもそんな名前の地名は見当たらなかった」
「奇遇だな。俺もお前達が住んでいる日本という地名を知らなかったのだ。アカデミーの書庫で調べて覚えたくらいにな。ここの地名…東京もカムイ王都では聞いたことない。きっと学者に調べさせても俺と同じ答えだろう」
ズルズルと音を立てながら俺は麺を飲み込む。小さな野菜が絡み付いてくるのがなんとも言えない。汁は最後におにぎりを入れてみたいから我慢だ。
カムラもハルサキもそれぞれの料理に手を伸ばしながらカムイ王都について頭を悩ます。そんなにカムイ王都が気になるのか?
「仕方ない。カムイ王都について話してやろう」
「ああ、それが理解に1番繋がる」
「先生族よろしく頼む」
「任せろ。カムイ王都は初代王のカムイが建国した国の名前だ。その初代王カムイの血を引き継いでいるのが今ここにいる俺のような王家の一族。代々続く王家は国の頂点に立つ者達なのだ」
「いわゆる天皇って感じなのか。貴方は結構いい身分だな」
「勿論。ただ……」
「む?どうした?」
「もう皇子としての俺は終わったのだ。建国記念日の宴の時に俺は賊に斬られてしまった。そして気付いたらこの世界に居て、アサガイ委員長とハルサキとリンガネに出会ったという経緯が今までだ」
「………なるほど。それがあらすじか。貴方が好きになるのもわかる気がする」
「ん?」
「よく出来ているアニメだ。今はカゲルのせいでアニメなんてやっていないが、平和になったらAクラスの生徒達みんなで見よう」
「リンガネあたりは喜びそうだな」
「ちょっと待て、2人は何を話している?」
「アニメならミロクニ族あたりに聞いてみるといい。あいつは物語が好きでテレビやら小説やらを読み漁っているらしいからな」
絶対に噛み合ってない。直感で俺は確信した。しかしどうやって噛み合わせれば良いのかもわからない俺は口角を引き攣らせるしか出来ずにいる。
テーブルを挟んだ向かい側にいる2人は物語について話し始めるから完全に俺は置いていかれた気分だ。するとベッドの近くにある戸棚から1冊の本が落ちる音がした。
「あ…」
俺はあと少しで終わるラーメンを置いて落ちた本を取り上げる。噂をすれば何とやらだ。
「ちょうど話題に出ていたミロクニから紹介された本なんだ。お前達は読んだことはあるか?」
「ミロクニ族はよく本を薦めてくれるが俺はどうにも文字が並んでいると眠くやってしまうのでな。ハルサキ族はどうだ?本は好きだろう?」
「見せてくれ。………これは読んだことない。というか薦められていないな。もし貴方が読んで面白かったら紹介してほしい」
「わかった。アカデミーの書庫は貸し出しの期限はあるのか?」
「3週間の期限がある。でも任務などを含めると3週間なんてあっという間に過ぎてしまうから要注意だ」
ハルサキに言われて俺は手に持つ黒い表紙の本を眺める。そこまで分厚く無いから真剣に読めば1日で終わるだろう。
紹介して貰っておいて読まないのは流石に気が引ける。ミロクニは俺に読んで感想が欲しいとあの時言っていた。しょうがない。明日にでも本を読み始めて見よう。
俺は戸棚に本を丁寧にしまった。全く何も入っていない棚に1冊だけの本は少し浮いているように見える。やはり少しだけ小物を揃えた方が良いのだろうか。
「いいや俺は後に出て行く身。必要最低限で構わない」
「先生族よ。何をぶつぶつと言っている?」
「麺が伸び始めている。最後の一口を食べてスープご飯を試してくれ」
「ああ、今行く」
まだ俺とカムラとハルサキの男子会は続く。男子会は今日の任務の件で落ち込んでいる俺の側にいるための口実だとはわかっていた。
しかしそれに気付かない振りをして3人で食べる食事は何だか美味しくて温かい。また初めての感情が湧き出た。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる