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本編
優勝と夢、そして絶望
しおりを挟む歓声が湧き上がる。
「俺達、優勝したんだぜ!もっと喜べよ王様!」
「俺は王様じゃなくて桜沢だ。」
「だな、武尊は武尊だよなぁ。そゆとこ好きだぜ」
勢いよく抱き着いてきた汗まみれの男は同じ高校のサッカー部主将である松平隼人。
王様というのは桜沢をもじって付けられた俺の2つ名みたいなもので偉そうな感じがするから好きじゃない。
ちなみに松平は俊足の槍だそうで足が早く差す様に攻めてくるドリブルはディフェンスの隙を突いて俺が決める。
というのが鉄則だった。
最後のインターハイをこのメンバーで優勝出来たのが最高の思い出だった。
「お前たち、良くやったな!」
感情的になったコーチは珍しく、いつも厳しいばかりだけどサッカーに対しての情熱は凄まじい。
そんなコーチが好きだった俺は、胸を高鳴らせながら2つの歓喜を噛み締めた。
だが、俺は知らなかった。
最高と最低が紙一重に存在するということを…俺は次の日に身をもって思い知った。
翌日、目が覚めるとシャワーを浴びて練習着に着替えた。
夏の暑さも朝であれば多少はマシだが、それでも汗が滲むくらいに日が差している
「よし、行くか。」
あの後、卒業後の話をされた俺と松平は別々の所から誘われていてライバルになることを決めた。
好きなチームが別だったし、俺もあいつも好きなチームに誘われた。
それだけで最高だった。
夢が夢じゃなくなっていく。
だからこそ優勝の次の日でもその気持ちを引き摺らずに練習ができる。
そう思っていた。
信号待ちをしていたその時、少し遠くに高級車がこちらに走っているのが見えた。
高そうな車……有名人なのかな…?
そう思った時、正面から男の子がボールを追いかけて走ってくるのが見えた。
「危ない!飛び出すな!車だ!」
男の子は聞こえておらず、高級車の運転手もまだ少し遠くにいるが疲れているのか目が虚ろに見えた。
…どうする…!?どうする?!
桜沢は助けるという考えてしまった。
悩む頭と裏腹に身体は勝手に動いた。
桜沢は男の子を安全な所まで突き飛ばした瞬間に、車の衝突した衝撃で痛みが全身に走り、意識が朦朧としていた
車のブレーキ音。
知らない男の人の声と男の子の泣き声。
男の子は擦り傷くらいで外傷は無さそうだ
よかった…
あー…死にたくないな…せっかく夢が叶うのに。
こんな事なら、コーチにも言っておけばよかった。
そんなことを思いながら俺は目を閉じた。
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