王女という業務に飽きたので家出することにしました。

私は家を出ます

「もうすぐ城をで出ますよ、」

シルが私に話しかけてきた。正直いってこの体勢が恥ずかしいのでそんな話よりも早くおろして欲しい。
でも、シルよりも足が遅いので足でまといになるのは確かなのよね。

ウィーンウィーンウィーン

「なに！？」

「ﾁｯもうバレたのか！」

そんなことを思ってると不意に警鐘音が鳴り響いた。
シルが猛スピードで出口まで走る。

タタタタタタ

「あ、アレだわぁ！えぇ！？」

目にみえた城門に喜び慌てて指を指した
が、目の前に見えた城門はなんとしまっていた。

「えっ、これじゃ、出られない。私たちどうすれば…」

ショックで声が震える。頭が真っ白になるってこういうことなんだなって思う。
それほど何も考えられなかった。

「アミダ様大丈夫です。アミダ様1人ではどー頑張ってもミジンコ以下の力ですが、今は私がいます。」

そんな私の状態をシルはいつものように煽ってくる。
なんでこいつこんな落ち着いてんの？
イラッと来て私もすかさず反論する

「今の状況で何言ってんの？私たちこの壁を超えない限り出られないのよ！」

「そんなこと知ってますよ。アミダ様こそ何言ってるんですか？
絶対大丈夫です。私がこの壁を超えて見せます。」

なんてことないように言い放ったシルの頭をトンカチで殴りたい。

「あのね、そうは言ったってこの壁は軽く20メートルはあるのよ？足に羽かバネがないかぎりは絶対に無理よ」

羽かバネってめっちゃいい韻踏んだな。
ちょっと内心ドヤる。

「まぁまぁ、時間もないのでいきますよ」

シルが呆れたような声で言うと城の近くの木に登る。

「なんで、ここに？てかこの木って、」

正面の木を見上げる。
この木は樹齢1000年とかなんとか言って年増じじいどもが自慢してたな。
そんな木にスイスイと私を姫抱きにした状態で枝から枝へと登っていくシルに驚く。
あっという間に頂上だ。
ちなみにシルは登ってる間1度も息切れを起こさなかった。
本当にこいつ人間か…？いよいよ、怪しくなってきた。

「で、ここからどうすんのよ、」

一点に奥を見つめるシルが気になって質問する。

「…」

しかし答えが返ってこないし、なんなら私の質問に反応すらしていない。

「ねぇ、きいてるの？」

「…」

心配になってもう一度聞くも効果なし。

「おー、い、シルさ、ぎゃーー！！」

もっと大きな声で名前を呼ぼうとしたら急にシルが動き出す。

タッ

気がつくと私たちは飛んでいた。

あ、死んだ…(2回目)

「はい。」

コツ

と思ったが前回と同じく衝撃もなく。
目を開けると私たちは城門の上にいた。
さっきまでいた木がちっさい。軽く20メートルはありそうだ。
これを飛び越えたの？？ほんとにこいつ生き物か？

「ほらね？大丈夫でしょ？
あれ、アミダ様どうかなさいました？」

勝ち誇ったような笑みを浮かべるシルの顔をボコボコにしてやりたい。

その後おっても来ないまま私たちは城を出た。
今は近くの街にいる。

「自由だぁぁぁあ！！！｣

嬉しくて弾けそうだ！
でも、私には心残りがあった。
それは移動中いつまでたってもシルにおろされなかったことだ。

「きー！！！末代までの恥だわ！！」

「大丈夫ですよ、アミダ様が末代ですから、」

そんなことをいったシルの腹をぶち蹴ってやった。