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剣士は俺より強いようです。

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「ヴォォォォーッ!!」
剣士が俺の体に向け一直線に剣を突き出す。避けることに全精神を使ったのにも関わらず左腕にかすり傷を負う。
「だが、俺はここでは負けられない!」
ダンジョンの中にカインの声が響き渡り反響する。カインが気合を入れて剣士に攻撃をする。
キイィィィン!カインの短剣と剣士の長剣が擦れ合い、おもわず耳を塞ぎたくなるような凶悪な音がダンジョンを支配する。
「あああぁぁッ!!ぐぁぁあ!」
カインが全力で剣士の攻撃を受け止め、反撃を開始する。しかし、その反撃を受け止められ仰け反ると共に反撃をされる。俺の胸に剣が向けられ体と心が震える。
「あなたには器があるようですね。」
剣が俺の薄い胸板に到着する一センチほど前で停止する。
は?・・・女の人の声?・・・援軍が助けてくれたのか?・・・
ダンジョンが凍ったように静まり返っている。「動揺している暇はない!」と剣士の方に短剣を構える。だが、剣士は1ミリも動かない。なぜ動かなくなったのか不思議に思いながらカインは後ろを振り返る。
「あなたには器があるようです。」
えっとー・・・あれは・・・さっき俺が運んできた少女!?ど、どうして!?
「私は夢の国代表のドリエルです。今後ともどうぞご贔屓に。」
ドリエルと名乗ったその少女は冷たく機械のような声で俺に呼びかける。

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