魔法武士・種子島時堯

克全

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本編

肥前国侵攻開始

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1537年1月『筑後国・鷹尾城』種子島左近衛将監時堯・8歳

 いよいよ肥前国に攻め込むのだが、まずは俺が空を駆けて肥前国内にある全城砦の城門と土塁を破壊して回った。この即物的な脅迫はいつも効果的で、特に信心深い者たちは俺には逆らえば神罰仏罰が当たると考え、俺と敵対しようとする主君の命令を聞かなくなる。

 もちろん種子島家の農業革命・産業革命による影響は肥後国と同じで、忠誠心が強く半農半武で生きて行ける地侍以外は、内々にいろんな伝手を使って種子島家に降伏臣従してきた。

 ここで侵攻前に種子島家に降伏臣従してきた有力国衆を説明したい。

 まずは俺が後継者となった高良山座主の座を追われた、神代宗元の後継者・神代勝利だ、彼には陸軍の師団長候補としてとても期待している。

 次に少弐家に圧迫され、すでに実権も戦力も失っていた九州千葉家だが、大内家に味方していたから城地を全て取り上げて給料制にするわけにはいかない。だが東西の2家に分かれて内部分裂し落ちぶれ果てており、僅かな城地を与えるだけですむ。
 
 もう1家は横岳資貞なのだが、本人は大内家の味方をしていたが、嫡男の横岳資誠は主君・少弐資元に忠義を尽して少弐家に留まり父と戦っていた。そこで横岳家が少弐家の庶流でもあるので、肥前国三根西島城と領地を安堵した上で、少弐家の名跡を継がせる事にする。もちろんそうなったら少弐本家の城地は全て没収し給料制の武士となるのだが、少弐本家の者にも実力と働き次第で新たに城地を与える可能性を伝える。

 他にも弱小国衆・地侍で大内に味方して生き残っている者は領地を安堵することにした。

 以上の方針を決めた上で、徳丸白虎指揮下の第2師団を筑紫惟門の勝尾城に向かわせ、福丸朱雀指揮下の第1師団は海岸線を進ませた。もちろん俺は空を駆けて、常に上空から圧迫することで突発的に肥前国衆が逆らう事を予防した。

 第2師団は勝尾城に入った後で周辺の城砦を接収し、降伏臣従してきた国衆・地侍を軍に加えて先鋒として道案内させた。筑前国との国境である背振山地沿いを、筑前の国衆を威圧しつつ侵攻し、唐津湾にまで出てからは海岸線に沿って侵攻を続けた。

 もちろん何時ものように、慌て者が転倒して怪我することが無いようにゆっくりと侵攻し、侵攻先周辺の国衆・地侍が降伏臣従するのを受け入れ乍らの侵攻だった。

 第1師団は筑紫平野の国衆・地侍を降伏臣従させて、彼らを先鋒に加えて道案内させつつ有明湾沿いに侵攻を開始した。次々と侵攻先の国衆・地侍を降伏臣従させ先鋒に加え、島原半島の海岸線をぐるりを回って諫早に入り、次いで長崎半島・西彼杵半島に入って海岸線沿いに国衆・地侍を降伏臣従させ軍に加えて行った。

 そうそう海軍の艦隊なのだが、彼らは第1師団にあわせて海上を移動し、補給と支援を行い肥前の国衆・地侍が敵対する気が起こらないように威圧を加えて行ったが、種子島家海軍に加わりたい海賊衆や漁業指導をして欲しい漁師が積極的に味方してきた。

 無人の野を行くように肥前国を進軍する種子島家第1師団・第2師団は佐世保で合流を果たしたが、この時点で平戸島・五島列島などの島々の国衆・地侍以外はみな種子島家に降伏臣従してきた。
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