魔法武士・種子島時堯

克全

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本編

女の戦い

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1539年1月『筑前国・大宰府』種子島少弐時堯・11歳

「少弐様、どうぞ私のささをお飲みください」

「いえいえ、今年最初のささは私から差し上げます」

 俺は色々と身体内で魔法を駆使することでアルコールを分解する術を身に付けた!

 絶対酒を飲めないとの思い込みがあった所為で、今までアルコールを飲まなかったのだが、あらゆる猛毒すら体内で分解し無毒化できる以上、アルコール程度なら簡単に分解できると理性的に判断できるようになった。

 だがその所為で、正月の宴で九条兼子(13)と一条於富(11)が、正妻争いの一環として、どちらが今年最初のお酌をするかで熾烈な争いを始めたのだ!

「分かった! 2人同時にこれに注ぐがよい!」

「「そんな?!」」

「そんな沢山飲まれてはお体に悪うございます!」

「そうです、その量は余りに多すぎます!」

 俺は2人の酌を同時に受ける為に、飾り物として床の間に置いてあった朱塗り一升大盃を手に取っていた。

「構わぬ! 2人とも俺にとっては大切で掛け替えのない正室だ、その酌を受ける為ならこの身にどのような害があろうと、同時に酌を受け全てを飲み干して見せよう!」

「「もうしわけございません!」」

「愚かな事を申しました」

「もう2度とこのような事で少弐様を煩わせたりいたしません」

「分かればよい」

「両家の付き人はよく姫を見習うように! 家内の争いは種子島家を滅ぼすもととなる! 今後姫を誤らせるような言動をした者は、容赦なくこの手で成敗する!」

「「「「「はっは~」」」」」

「ではゆっくり無理せず飲むから、2人とも少し酌をしてくれ」

「「はい!」」

 2人の正室は、互いに顔を見て頷きあった。そして俺の左右に侍って一升盃に少しづつ酒を注いでいった。もう無理に飲む必要も無いのだが、100度以上の転生を繰り返して初めて酒が飲めるようになった喜びもあって、ごくごくと一気に飲み干した。

「「まあ!」」

「では先の事はこの酒を飲みほしたことで綺麗さっぱり忘れよう! そしてこのご馳走を心行くまで食べようではないか!」

「「「「「はっは~」」」」」

 今回俺は武家の仕来りに応じた正月料理は食べないことにした!

 いや公式の一族や家臣たちの宴会では仕来り通りにしている。だが奥での食事は本当に食べたい物を食べる事にした。そしてその食べたい物とは蟹尽くし料理だ!

1・酒肴となる八寸(鯨ベーコンなど8種)
2・刺身八種(蟹・鰤など8種)
3・茹蟹(大台座に数百匹盛り上げている)
4・焼蟹(火鉢に網を乗せて、冬野菜と切り分けた生蟹が横に置いてある)
5・蟹すき(火鉢に鍋を乗せて、冬野菜と切り分けた生蟹が横に置いてある)
6・蟹蒸籠蒸飯

 俺は心行くまで蟹が食べたかったから、表皮の下に絶対魔法防御を展開して真冬の日本海に潜ったのだ!

 そして両手に長大な網を持って、取れるだけの蟹を捕って来たのだ!
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