魔法武士・種子島時堯

克全

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本編

高砂国(台湾国)

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1539年5月『筑前国・大宰府』種子島大弐時堯・11歳

「それと禅定太閤殿下、大琉球国を拠点として小琉球国を侵攻支配することでございますが」

「なんでおじゃるか?」

「小琉球国を台湾国と呼びたいのです」

「どう言う事でおじゃるか? 今までは明国風の呼び方にこだわっていたのではないでおじゃるか? 御上に仕えるから呼び方を変えるのでおじゃれば、高砂国と呼べばいいのでないでおじゃるか?」

「実は台湾国は分割して多くの国に分けようと思っているのです」

「だが大琉球国でも10万石程度でおじゃろう? 小琉球国を分割する意味などないでおじゃろう?」

「誤解なされておられるようですが、大小は明国が文化程度で呼びわけているだけで、領地の大きさや石高で大小を分けているのではございません」

「では小琉球国、いや台湾国は大きな国なのか?」

「我が種子島家が開墾を進めれば、800万石にまで取れ高を高めることが出来ます。いえ、30年をかけて河川を改修し堤防や巨大な堰を築けば、1600万石まで石高を増やすことが可能でございます」

「なんでおじゃると! 800万石でも驚きでおじゃるのに、1600万石でおじゃるか?!」

「今の日本全土を合わせた石高でも1850万石程度度思われます。種子島家が支配下に置いた九州全土を合わせても、せいぜい240万石弱でございます」

「そうとなれば、一刻でも早く台湾国を大弐殿に攻め取ってもらいたいでおじゃる! 御上に忠誠心厚い大弐殿が台湾国を支配してくれておじゃれば、朝廷は安泰でおじゃる!」

 そうなのだ、肥料をふんだんに使い品種改良が出来ていれば、普通は豊作の年で1反(10アール)当たり10俵の米を収穫することが出来る。だが太閤検地を参考にすれば、1反当たりの収穫は以下の通りとなる。

上田で一石五斗(15斗)
中田で一石三斗(13斗)
下田で一石一斗(11斗)

 土質、地域、天候により収穫量は変わってしまうが、種子島家なら魚肥・牛糞・馬糞などで十分な肥料を供給できるから、気候に恵まれた台湾なら15斗以上は収穫できるだろう。

 ちなみに日清戦争・台湾征伐後に、日本統治となった直後の台湾の水田面積は20.1万ヘクタールであったのが、1938年(昭和13年)には54.3万ヘクタールと実に2.7倍になっている。水利事業の代表例が1930年(昭和5年)4月10日竣工した「嘉南大圳」である。嘉南大圳は、1920年(大正9年)着工、10年間かけて完成した。当時の総工費8000万円は、現在の1000億円以上に相当する。中核をなす烏山頭ダムは有効貯水量1億5000万立法メートル、ここから1万6000キロメートルの用水路を巡らし、それまで天水田しかなかった嘉南平野の原野15万ヘクタールが豊かな美田に変わっている。

 反射高炉で鋼材は十分確保出来るし、コンクリートの生産も十分進んでいる。10年とは言わないが、30年かければ大日本帝国と同じ事くらいは出来るだろう。

 20・1万ヘクタールで1反当たり15斗の米が採れるとしたら753万7500石の収穫がある。いや、台湾なら2期作が可能だから、倍の1507万5000石の収穫が見込めるのだ!

 54・3万ヘクタールにまで耕作地を増やし、収穫量優先の品種改良を施し十分な肥料を使えば、1反で40斗の米を収穫する事も可能だ。つまり4344万石まで収穫量を増やす事も決して不可能ではなのだ!
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