111 / 300
本編
種子島家の待遇変更
しおりを挟む
1539年11月『筑前国・博多湊』種子島大弐時堯・11歳
「おじさん、おじさんは種子島家の人?」
「あん? そうだがただの足軽だぞ」
「家の兄貴が種子島家に仕官しようか迷ってるんだけど、種子島家の扶持が減ったて言う噂は本当?」
「減ってないぞ、減ってないけど中身が変わったのは本当だ」
「どう言う事なの?」
「そうだな、俺たち足軽は今まで玄米5合と干肉・干魚に塩・味噌・漬物を頂いていた」
「羨ましいな、腹一杯飯が喰えるんだよね?」
「ああ、腹一杯喰えるぞ」
「で、どう変わったの?」
「玄米が2合減って、干魚が倍になって銭が10文もらえるようになった」
「それってうれしいの?」
「助かったのは確かだな」
「どうして? 飯を腹一杯喰えなくなったんじゃないの?」
「今までは、薪や生活に必要な細々とした物を買うのに、玄米や干肉・干魚を売らなきゃいけなかったんだ」
「ああ、そう言う事か」
「どっちにしても、玄米5合を何時も食べれていた訳じゃない」
「でも今まで5合食べれた日もあるんでしょう、減ってお腹すかない?」
「どうしても玄米の飯が喰いたきゃ、もらった銭で玄米を買えばいい。銭を貯めていた者は蓄えをもっているしな」
「そっか!」
「それにな」
「うん? 何なの?」
「とにかく何でもいいから腹一杯喰いたきゃ、3合の玄米を6合7合の麦や稗・粟に変えてくれるんだ」
「そうなの? それなら腹一杯になるね!」
「ああ、元々小作人だった俺は、玄米なんて盆暮れにしか喰えなかったんだ、腹一杯喰えるんなら麦でも稗でも構わん、いや塩の効いた干肉・干魚に濃い味噌汁がついているんだ、十分美味しく喰えるよ!」
「そうなの? じゃあ今の方が前よりいいのかな?」
「そうかな? そうだな! 変わった今の方が幸せだな!」
「おじさんありがとう! 兄貴に仕官するように勧めるよ」
「そうか、種子島家はいいぞ、合戦になっても戦うことなんか無いぞ、敵は全部大弐さまが降伏させれくださるからな!」
「うんわかった! ありがとう!」
よかった!
扶持内容の変更は、おおむね家臣たちには喜ばれている。種子島領への人口流入と奴隷購入で、天災や戦争による食糧不足に対応するため、玄米の備蓄量を増やすことにした。その為に玄米の支給量を減らして、備蓄量の増えた雑穀を支給したかった。
だが一方的に玄米の支給を雑穀に変更したら、同じ価値であっても不平不満が出てしまうだろう。そこで、家臣たちが玄米を銭に変えたり物々交換をして、酒を買ったり生活必需品を買ったりしていることに注目した。
だから玄米1合分を現物ではなく銭で支給することにした。更に家臣たちに人気があり換金する場合にも人気のある干魚を倍にしてみた。
だが何より1番喜んでくれたのは、玄米や銭を雑穀と変えれるようにした事だった。今まで物々交換や銭で買わなければ物が、値段交渉なしで安心して等価交換してもらえるのだ。何よりも喜ばれたのは、水で薄められていない濃い酒を安心して買うことが出来るようになった事だった!
玄米を量が確保出来る雑穀に替え、出来るだけ多くの酒と交換できるようにする。その上で支給された干肉・干魚・漬物をアテに酒を飲むのが将兵たちの至上の愉しみになっていった。
「おじさん、おじさんは種子島家の人?」
「あん? そうだがただの足軽だぞ」
「家の兄貴が種子島家に仕官しようか迷ってるんだけど、種子島家の扶持が減ったて言う噂は本当?」
「減ってないぞ、減ってないけど中身が変わったのは本当だ」
「どう言う事なの?」
「そうだな、俺たち足軽は今まで玄米5合と干肉・干魚に塩・味噌・漬物を頂いていた」
「羨ましいな、腹一杯飯が喰えるんだよね?」
「ああ、腹一杯喰えるぞ」
「で、どう変わったの?」
「玄米が2合減って、干魚が倍になって銭が10文もらえるようになった」
「それってうれしいの?」
「助かったのは確かだな」
「どうして? 飯を腹一杯喰えなくなったんじゃないの?」
「今までは、薪や生活に必要な細々とした物を買うのに、玄米や干肉・干魚を売らなきゃいけなかったんだ」
「ああ、そう言う事か」
「どっちにしても、玄米5合を何時も食べれていた訳じゃない」
「でも今まで5合食べれた日もあるんでしょう、減ってお腹すかない?」
「どうしても玄米の飯が喰いたきゃ、もらった銭で玄米を買えばいい。銭を貯めていた者は蓄えをもっているしな」
「そっか!」
「それにな」
「うん? 何なの?」
「とにかく何でもいいから腹一杯喰いたきゃ、3合の玄米を6合7合の麦や稗・粟に変えてくれるんだ」
「そうなの? それなら腹一杯になるね!」
「ああ、元々小作人だった俺は、玄米なんて盆暮れにしか喰えなかったんだ、腹一杯喰えるんなら麦でも稗でも構わん、いや塩の効いた干肉・干魚に濃い味噌汁がついているんだ、十分美味しく喰えるよ!」
「そうなの? じゃあ今の方が前よりいいのかな?」
「そうかな? そうだな! 変わった今の方が幸せだな!」
「おじさんありがとう! 兄貴に仕官するように勧めるよ」
「そうか、種子島家はいいぞ、合戦になっても戦うことなんか無いぞ、敵は全部大弐さまが降伏させれくださるからな!」
「うんわかった! ありがとう!」
よかった!
扶持内容の変更は、おおむね家臣たちには喜ばれている。種子島領への人口流入と奴隷購入で、天災や戦争による食糧不足に対応するため、玄米の備蓄量を増やすことにした。その為に玄米の支給量を減らして、備蓄量の増えた雑穀を支給したかった。
だが一方的に玄米の支給を雑穀に変更したら、同じ価値であっても不平不満が出てしまうだろう。そこで、家臣たちが玄米を銭に変えたり物々交換をして、酒を買ったり生活必需品を買ったりしていることに注目した。
だから玄米1合分を現物ではなく銭で支給することにした。更に家臣たちに人気があり換金する場合にも人気のある干魚を倍にしてみた。
だが何より1番喜んでくれたのは、玄米や銭を雑穀と変えれるようにした事だった。今まで物々交換や銭で買わなければ物が、値段交渉なしで安心して等価交換してもらえるのだ。何よりも喜ばれたのは、水で薄められていない濃い酒を安心して買うことが出来るようになった事だった!
玄米を量が確保出来る雑穀に替え、出来るだけ多くの酒と交換できるようにする。その上で支給された干肉・干魚・漬物をアテに酒を飲むのが将兵たちの至上の愉しみになっていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?
くまの香
ファンタジー
いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる