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第一章
第22話:馬奮迅
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ジャスパーやゾーイに媚び諂ってきた領民のいるダグラス女伯爵家など、全く未練がありませんから、さっさと国外に出ていく心算でした。
神使のヒューが止めるのなら、例え相手が神や神使であろうと、戦ってでも国外に出ていく心算でした。
ですが、わたくしの予定を根底から覆す存在がやってきたのです。
わたくしが乗り込んで来たのに、城門を閉めなかった理由が分かりました。
「マイロード、あれはクウィチェルムの旗印です。
この城に籠って迎え討たれますか。
それとも時節を待つために、一旦落ち延びられますか」
クウィチェルム第一王子には、婚約を破棄された恨みがあります。
あのようなクズと結婚しなくてすんだ事は、むしろ幸運でしたが、母上様が存命の時に約束された事を破られた事はとても腹が立ちます。
それに、次の機会が訪れるとも思えません。
わたくしがこの国から出たら、国が亡ぶと教えられてきました。
神や神使が約束を守らない可能性はとても高いですが、もし本当に実行されたら、クウィチェルム第一王子をこの手で殺す機会が永遠に失われてしまうのです。
「ヨハン、これが最後の機会かもしれません。
突撃をかけてクウィチェルムの首を狙います。
他の者には目もくれず、ただひたすらクウィチェルムを追いかけるのです」
「はい、お任せください、マイロード」
わたくしとヨハンは城で待ち伏せする手段を使わず、突撃しました。
城門前や外城の中には、数多くの死体が転がっています。
そのようなダグラス女伯爵家の居城に、猜疑心の強いクウィチェルムが入って来るわけがないのです。
それに、逃げだしたジャスパーやゾーイの配下が、クウィチェルムにわたくしの事を報告している可能性もあります。
クウィチェルムが逃げだす前に攻撃をしなければいけないのです。
「何者だ、我々がクウィチェルム殿下一行と知っての狼藉か」
一行の先頭を進む先触れの騎士が無礼を咎めましたが、知った事ではありません。
クウィチェルムが馬首を返して逃げ出す前に首を刎ねなければいけないのです。
戦闘訓練を受けていない乗用馬ですが、わたくしの事を慕ってくれて、六頭とも実力以上の力を発揮してくれています。
わたくしや、武装しているヨハンを乗せていない、比較的楽な四頭の馬達が、わたくしとヨハンを置いて先行してくれます。
ヒィヒヒヒヒヒィン
歩兵の間に乗り込み馬蹄にかけ、隊列を千々に乱れさせてくれています。
騎士の馬に蹴りを入れ噛みつき、騎士を落馬させてくれています。
クウィチェルム一行が大混乱に陥り、ひと際派手な馬車を護ろうとしているのが見て取れます。
まず間違いなく、あの馬車の中にクウィチェルムがいるのでしょう。
「千載一遇の機会です、遅れてはいけませんよ」
「はい、マイロード」
神使のヒューが止めるのなら、例え相手が神や神使であろうと、戦ってでも国外に出ていく心算でした。
ですが、わたくしの予定を根底から覆す存在がやってきたのです。
わたくしが乗り込んで来たのに、城門を閉めなかった理由が分かりました。
「マイロード、あれはクウィチェルムの旗印です。
この城に籠って迎え討たれますか。
それとも時節を待つために、一旦落ち延びられますか」
クウィチェルム第一王子には、婚約を破棄された恨みがあります。
あのようなクズと結婚しなくてすんだ事は、むしろ幸運でしたが、母上様が存命の時に約束された事を破られた事はとても腹が立ちます。
それに、次の機会が訪れるとも思えません。
わたくしがこの国から出たら、国が亡ぶと教えられてきました。
神や神使が約束を守らない可能性はとても高いですが、もし本当に実行されたら、クウィチェルム第一王子をこの手で殺す機会が永遠に失われてしまうのです。
「ヨハン、これが最後の機会かもしれません。
突撃をかけてクウィチェルムの首を狙います。
他の者には目もくれず、ただひたすらクウィチェルムを追いかけるのです」
「はい、お任せください、マイロード」
わたくしとヨハンは城で待ち伏せする手段を使わず、突撃しました。
城門前や外城の中には、数多くの死体が転がっています。
そのようなダグラス女伯爵家の居城に、猜疑心の強いクウィチェルムが入って来るわけがないのです。
それに、逃げだしたジャスパーやゾーイの配下が、クウィチェルムにわたくしの事を報告している可能性もあります。
クウィチェルムが逃げだす前に攻撃をしなければいけないのです。
「何者だ、我々がクウィチェルム殿下一行と知っての狼藉か」
一行の先頭を進む先触れの騎士が無礼を咎めましたが、知った事ではありません。
クウィチェルムが馬首を返して逃げ出す前に首を刎ねなければいけないのです。
戦闘訓練を受けていない乗用馬ですが、わたくしの事を慕ってくれて、六頭とも実力以上の力を発揮してくれています。
わたくしや、武装しているヨハンを乗せていない、比較的楽な四頭の馬達が、わたくしとヨハンを置いて先行してくれます。
ヒィヒヒヒヒヒィン
歩兵の間に乗り込み馬蹄にかけ、隊列を千々に乱れさせてくれています。
騎士の馬に蹴りを入れ噛みつき、騎士を落馬させてくれています。
クウィチェルム一行が大混乱に陥り、ひと際派手な馬車を護ろうとしているのが見て取れます。
まず間違いなく、あの馬車の中にクウィチェルムがいるのでしょう。
「千載一遇の機会です、遅れてはいけませんよ」
「はい、マイロード」
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