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第1章
第43話:親子愛
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「すごい、ケーンの神与スキルは本当に凄いな!」
「流石ケーンよ、こんな事ができるのは、世界中探してもケーンだけよ!」
お昼ご飯の後に、西の里山に造った蔦壁家を見た父さんとお母さんが、心からほめてくれる。
少し恥ずかしいが、本気でほめてくれているのが分かってうれしい。
この世界では前世で出来なかった親孝行したいと思っていたから、特にうれしい。
「僕の想いは全部話しておいた方が良いと思ったから、言っておくよ。
以前僕のためにこの開拓村を捨てても良いと言ってくれていたから、そこまで追い込まれる前に移住できる場所として造ったんだ」
「……そうだな、開拓村が居心地悪くなったらこっちに引っ越すのもありだな」
「そうね、仲の良い人たちだけ連れてこっちに来ても良いわね」
「それと、僕はもう行商人の一員だから、あそこにも1つ家を造ってある。
ここが気に喰わなかったら、向こうに住んでくれても良いよ」
「くっくくくく、行商村の方にも家が有るのか、それは良い、買い物が楽になる」
「ふっふふふふ、そうね、買い物がとても楽になるわね。
それに、娘たちが一人前になったら、家族で行商をしても良いわね」
「そりゃあ良い、またあちこち行くのも悪くない」
お父さんとお母さんが凄くうれしそうだ。
良いプレゼントができたのなら僕もうれしい。
「それと、万が一の事を考えて、奥山の方にも家を造っておくよ。
お父さんとお母さんなら、エヴィーたちと一緒でも行けるよね?」
「奥山か……運しだいだな、流石にそこそこの魔獣が出てきたら無理がある」
「そうね、フェロウシャス・ボア級の肉食魔獣に出会ってしまったら、エヴィーたちを連れて逃げるのは無理だわ」
「ケーン、魔力と時間を無駄にするな。
俺たちのために用意してくれるのは、ここと行商人村の家だけでいい」
「そうよ、絶対に無理をしちゃ駄目。
そんな無理をするくらいなら、もっと私たちと一緒にいる時間を作って」
「うん、分かった、一緒にいる時間はいくらでも作るよ。
でも、本当に東の奥山に隠れ家を造らなくて良いの?」
「東の奥山の向こうには魔境がある、流石に危険過ぎる」
「そうね、西側、こちらはまだよく分かっていないから何とも言えないけれど、確実に魔境がる東よりは安心だわ」
「じゃあこっちの奥山に隠れ家を造っておこうか?」
「本当に大丈夫だ、そこまでする必要はない。
この家から出て行かなければいけない状態になったら、近くに隠れるよりは遠くの街、王都に行った方が安心だ」
「そうね、王都と言っても1つの国だけではないわ、色んな国があるじゃない。
ケーンが行商で来てくれる国の王都に行って待っているわ」
どうしよう、魔境が怖いと言っているけれど、ロック鶏が10羽もいるから、全く心配いらなくなっている。
確かに魔境にはとても強い魔獣がいるけれど、空を飛べる魔獣は限られているし、竜種は攻撃されない限り襲ってこない。
お父さんとお母さんが妹たちを連れて移動するのが難しいのなら、ロック鶏に運ばせる方法がある。
ロック鶏に足の爪で捕まれてしまったら死んでしまう。
羽ばたくから背中に乗る事もできない。
でも足に蔦壁で造った籠をつければ、安心して運んでもらえる。
蔦壁籠の中にいれば、足に捕まっている必要もないし、落ちる心配もない。
風は多少辛いかもしれないけれど、厚い服を重ね着したら大丈夫だと思う。
問題はロック鶏を紹介しても大丈夫かどうかだが……
「そうだね、ジョセフ代表に交易で寄る王都があるか聞いてみるよ」
ロック鶏を紹介するのは止めておこう。
僕にとっては可愛い鶏だけど、お父さんとお母さんが食べる事も考えていた鶏だから、今度は自分たちが食べられてしまうのではないかと心配するかもしれない。
「うっげえええええ」
「どうした、何か心配な事でもあったか?」
「もういいのよ、もうここは村だから大丈夫、お父さんとお母さんが守ってあげるから、ケーンが誰も殺さなくても大丈夫よ!」
難儀な身体になってしまった、ちょっと死を考えただけで吐いてしまう……
いや、ちょっと前も死を考えたけれど、大丈夫だった、吐かなかった。
自分が直接殺す事を、具体的に想像した時は確実に吐いている。
今分かったけれど、眷属のロック鶏が人を傷つける想像しても吐く。
自分と関係しない死なら吐かなくなっているのかな?
「うん、ありがとう、村にいる間はゆっくりするよ。
でも、明るい間は思いっきり走りたいから、夜に話そうよ」
「そうだな、夜の間に話す方がゆっくりできそうだな」
「ケーンが菜種や胡麻をたくさん実らせてくれたから、夜も長くお話しできるわよ」
僕はお父さんとお母さんと一緒に開拓村の家に戻った。
お父さんとお母さんが、畑仕事を休んでも僕と一緒にいたいと思っている事くらい、僕にだって分かっている。
少し恥ずかしいけれど、親孝行の1つだと思えば照れずにやれる。
妹たちからお父さんとお母さんを取りあげるのは嫌だから、その点だけは気をつけないといけない。
ただ、家の畑仕事は休めても、村の一員としてやらなければいけない、共用の畑仕事や戦い役は休めないから、その時間に西里山の蔦壁家を大きくしよう。
「流石ケーンよ、こんな事ができるのは、世界中探してもケーンだけよ!」
お昼ご飯の後に、西の里山に造った蔦壁家を見た父さんとお母さんが、心からほめてくれる。
少し恥ずかしいが、本気でほめてくれているのが分かってうれしい。
この世界では前世で出来なかった親孝行したいと思っていたから、特にうれしい。
「僕の想いは全部話しておいた方が良いと思ったから、言っておくよ。
以前僕のためにこの開拓村を捨てても良いと言ってくれていたから、そこまで追い込まれる前に移住できる場所として造ったんだ」
「……そうだな、開拓村が居心地悪くなったらこっちに引っ越すのもありだな」
「そうね、仲の良い人たちだけ連れてこっちに来ても良いわね」
「それと、僕はもう行商人の一員だから、あそこにも1つ家を造ってある。
ここが気に喰わなかったら、向こうに住んでくれても良いよ」
「くっくくくく、行商村の方にも家が有るのか、それは良い、買い物が楽になる」
「ふっふふふふ、そうね、買い物がとても楽になるわね。
それに、娘たちが一人前になったら、家族で行商をしても良いわね」
「そりゃあ良い、またあちこち行くのも悪くない」
お父さんとお母さんが凄くうれしそうだ。
良いプレゼントができたのなら僕もうれしい。
「それと、万が一の事を考えて、奥山の方にも家を造っておくよ。
お父さんとお母さんなら、エヴィーたちと一緒でも行けるよね?」
「奥山か……運しだいだな、流石にそこそこの魔獣が出てきたら無理がある」
「そうね、フェロウシャス・ボア級の肉食魔獣に出会ってしまったら、エヴィーたちを連れて逃げるのは無理だわ」
「ケーン、魔力と時間を無駄にするな。
俺たちのために用意してくれるのは、ここと行商人村の家だけでいい」
「そうよ、絶対に無理をしちゃ駄目。
そんな無理をするくらいなら、もっと私たちと一緒にいる時間を作って」
「うん、分かった、一緒にいる時間はいくらでも作るよ。
でも、本当に東の奥山に隠れ家を造らなくて良いの?」
「東の奥山の向こうには魔境がある、流石に危険過ぎる」
「そうね、西側、こちらはまだよく分かっていないから何とも言えないけれど、確実に魔境がる東よりは安心だわ」
「じゃあこっちの奥山に隠れ家を造っておこうか?」
「本当に大丈夫だ、そこまでする必要はない。
この家から出て行かなければいけない状態になったら、近くに隠れるよりは遠くの街、王都に行った方が安心だ」
「そうね、王都と言っても1つの国だけではないわ、色んな国があるじゃない。
ケーンが行商で来てくれる国の王都に行って待っているわ」
どうしよう、魔境が怖いと言っているけれど、ロック鶏が10羽もいるから、全く心配いらなくなっている。
確かに魔境にはとても強い魔獣がいるけれど、空を飛べる魔獣は限られているし、竜種は攻撃されない限り襲ってこない。
お父さんとお母さんが妹たちを連れて移動するのが難しいのなら、ロック鶏に運ばせる方法がある。
ロック鶏に足の爪で捕まれてしまったら死んでしまう。
羽ばたくから背中に乗る事もできない。
でも足に蔦壁で造った籠をつければ、安心して運んでもらえる。
蔦壁籠の中にいれば、足に捕まっている必要もないし、落ちる心配もない。
風は多少辛いかもしれないけれど、厚い服を重ね着したら大丈夫だと思う。
問題はロック鶏を紹介しても大丈夫かどうかだが……
「そうだね、ジョセフ代表に交易で寄る王都があるか聞いてみるよ」
ロック鶏を紹介するのは止めておこう。
僕にとっては可愛い鶏だけど、お父さんとお母さんが食べる事も考えていた鶏だから、今度は自分たちが食べられてしまうのではないかと心配するかもしれない。
「うっげえええええ」
「どうした、何か心配な事でもあったか?」
「もういいのよ、もうここは村だから大丈夫、お父さんとお母さんが守ってあげるから、ケーンが誰も殺さなくても大丈夫よ!」
難儀な身体になってしまった、ちょっと死を考えただけで吐いてしまう……
いや、ちょっと前も死を考えたけれど、大丈夫だった、吐かなかった。
自分が直接殺す事を、具体的に想像した時は確実に吐いている。
今分かったけれど、眷属のロック鶏が人を傷つける想像しても吐く。
自分と関係しない死なら吐かなくなっているのかな?
「うん、ありがとう、村にいる間はゆっくりするよ。
でも、明るい間は思いっきり走りたいから、夜に話そうよ」
「そうだな、夜の間に話す方がゆっくりできそうだな」
「ケーンが菜種や胡麻をたくさん実らせてくれたから、夜も長くお話しできるわよ」
僕はお父さんとお母さんと一緒に開拓村の家に戻った。
お父さんとお母さんが、畑仕事を休んでも僕と一緒にいたいと思っている事くらい、僕にだって分かっている。
少し恥ずかしいけれど、親孝行の1つだと思えば照れずにやれる。
妹たちからお父さんとお母さんを取りあげるのは嫌だから、その点だけは気をつけないといけない。
ただ、家の畑仕事は休めても、村の一員としてやらなければいけない、共用の畑仕事や戦い役は休めないから、その時間に西里山の蔦壁家を大きくしよう。
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