「異世界動画で億万長者・ドローンの御蔭で助かっています」（神隠しで異世界に迷い込んだ人間不信の僕は、異世界で生き残ろうと必死です）

異世界開拓

緊急迎撃

「何が起こったんだ？」

「想定外の強敵が現れました、閣下に危険が及ぶ可能性があります、ここは御逃げ下さい」

「駄目だ！　助けられる可能性がある家臣を見捨てて逃げる訳にはいかん、いったい何が現れたんだ？」

「１００を超えるコボルトの軍勢です、負けるような事はありませんが、閣下を完璧に守り通せると断言できかねます」

「だが私が逃げると、私を護るための兵力が引き抜かれて、全員で迎撃するより味方の死傷者が増えるのだろう？」

「それはそうでございますが」

「戦闘ドローンを援軍の呼び寄せる、だから味方の死傷者を最小限にする迎撃策をとれ」

「承りました、ありがとうございます！」

　俺は急いでノートパソコンを使い、砦に常駐させている戦闘ドローンを呼び寄せた。もちろん常に１台の戦闘ドローンは、俺の上空を付かず離れず滞空しているが、１台では心許ない。

　ツェツィーリアの指示で、元々囮役だった鹿獣人に加え、牽制役の獣人が鹿獣人が逃げ切れるようにコボルト軍の周りを走り回り弓を射掛ける。

　鹿獣人が俺達が待ち構える所に現れたが、元々レベル上げの為に準備していたので、それなりの防御力の陣地となっている。だが１００以上のコボルトを同時に迎え討つほどの防御力ではないので、俺の周囲を５人の人熊が固めてくれている。

　最初から俺を警護していた戦闘ドローンを前方に向かわせ、突撃して来るコボルトに麻痺陣・睡魔陣・即死陣の魔法を喰らわせた。

　魔法に抵抗して俺達に近づいて来るコボルトに対しては、俺自身が麻痺陣・睡魔陣・即死陣の魔法を放ち迎撃した。思っていた以上に俺のレベルは上がっていたようで、平均的な効力を持つ魔道具に封じられた麻痺陣・睡魔陣・即死陣よりも効果が高かった。

　それでも魔法に抵抗して陣内に入り込もうとするコボルトは、人狼・人虎・人犬の人獣族が迎え討ってくれて、俺に傷１つ付ける事無く斃してくれた。ツェツィーリアやギーゼラ等の歴戦の戦士に至っては、殺す事無く確保し、俺に止めを刺させる余裕を見せた。

　俺も最近では無抵抗な獣や魔獣・モンスターに止めを刺すことに抵抗などなくなっていて、次々と機械的に刺殺していったが、これを繰り返すことでレベルが上がるのだから仕方のない事だ。

　援軍に来させた戦闘ドローンにも魔法支援を行わせ、こちらに突撃して来る最後のコボルトを麻痺させると、ツェツィーリア達は陣地を出てコボルトに縄をかけだした。もちろん俺の周りは人熊がガッチリと護ってくれているので、何の心配もない。

「男爵閣下、御願いいたします」

　さて、あまり気持ちの良いものではないが、確保したコボルトの止めを刺すとしようか。