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16話
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とても困ったことになってしまいました。
独身の騎士や騎士長全員が、私の騎士団への転属を希望したのです。
将来の団長候補と目されていた有能な若手も全員です。
幸いだったのが、ジョージを除く百騎長以上が全員妻帯者であった事と、騎士長の半数が壮年で妻帯者であったことです。
そうでなかったら今頃どうなっていた事か……
ジョージの顔つきが変わっています。
単なる出世のためならいいのです。
部屋住や牢人、冒険者にとっては、徒士に採用されるチャンスです。
いえ、従士に大抜擢される可能性だってあります。
現役従士には、一度に五百もの騎士位が新たにできるのです。
このような機会は二度とないと思います。
騎士も同じです。
騎士長の席が五十席も新規で生まれるのです。
ですが、目の前にいる者たちの顔は、単なる出世争いの顔ではないです。
面はゆい事ですが、私を渇望しているように見えます。
女性として喜ぶべき事なのかもしれませんが、今の私には戸惑いしかありません。
ジョージが怖い顔をしているのも心配です。
「ガァアァアァアァアアア!」
「ガァアァアァアァアアア!」
その場の空気が一変しました!
戦場のような、いえ、私は戦場を知りませんから、たやすく戦場などと口にしてはいけませんね。
実際に戦場に出て戦ってこられた方々に失礼すぎます。
狩場の雰囲気です。
亜竜を前にした時と同じ雰囲気です。
アカだけが私の側を離れました。
アオは私の側に残って護衛してくれています。
アカが騎士団員や新規召し抱え希望者の間をのし歩きます。
間といっても人間同士の間隔など狭いモノです。
人間を押しのけで列を崩してのし歩いています。
「ガァアァアァアァアアア!」
ああ、腰を抜かしてしまいました。
でも仕方ないですね。
頭をアカに咥えられたのです。
そのまま喰い殺されると思って腰を抜かして当然です。
あ、そう言う事ですか。
「ジョージ。
アカが密偵だといっています。
あの男は王太子が放った密偵のようです。
捕まえてください。
あ!
動かないで!
逃げたら喰い殺されますよ!」
「動くな!
死にたくなければ動くんじゃない!
亜竜種でも逃げられないのは知っているだろうが!
動けば命の保証はないぞ!」
危ないところでした。
王太子の放った密偵以外にも、多くの密偵が入り込んでいるようです。
残念な事ですが、マクリントック公爵家譜代家臣の中にも裏切者がいたようです。
将来他家に召し抱えられることを条件に、部屋住が密偵役になっていました。
哀しい話ですが、厳罰に処さなければいけません。
独身の騎士や騎士長全員が、私の騎士団への転属を希望したのです。
将来の団長候補と目されていた有能な若手も全員です。
幸いだったのが、ジョージを除く百騎長以上が全員妻帯者であった事と、騎士長の半数が壮年で妻帯者であったことです。
そうでなかったら今頃どうなっていた事か……
ジョージの顔つきが変わっています。
単なる出世のためならいいのです。
部屋住や牢人、冒険者にとっては、徒士に採用されるチャンスです。
いえ、従士に大抜擢される可能性だってあります。
現役従士には、一度に五百もの騎士位が新たにできるのです。
このような機会は二度とないと思います。
騎士も同じです。
騎士長の席が五十席も新規で生まれるのです。
ですが、目の前にいる者たちの顔は、単なる出世争いの顔ではないです。
面はゆい事ですが、私を渇望しているように見えます。
女性として喜ぶべき事なのかもしれませんが、今の私には戸惑いしかありません。
ジョージが怖い顔をしているのも心配です。
「ガァアァアァアァアアア!」
「ガァアァアァアァアアア!」
その場の空気が一変しました!
戦場のような、いえ、私は戦場を知りませんから、たやすく戦場などと口にしてはいけませんね。
実際に戦場に出て戦ってこられた方々に失礼すぎます。
狩場の雰囲気です。
亜竜を前にした時と同じ雰囲気です。
アカだけが私の側を離れました。
アオは私の側に残って護衛してくれています。
アカが騎士団員や新規召し抱え希望者の間をのし歩きます。
間といっても人間同士の間隔など狭いモノです。
人間を押しのけで列を崩してのし歩いています。
「ガァアァアァアァアアア!」
ああ、腰を抜かしてしまいました。
でも仕方ないですね。
頭をアカに咥えられたのです。
そのまま喰い殺されると思って腰を抜かして当然です。
あ、そう言う事ですか。
「ジョージ。
アカが密偵だといっています。
あの男は王太子が放った密偵のようです。
捕まえてください。
あ!
動かないで!
逃げたら喰い殺されますよ!」
「動くな!
死にたくなければ動くんじゃない!
亜竜種でも逃げられないのは知っているだろうが!
動けば命の保証はないぞ!」
危ないところでした。
王太子の放った密偵以外にも、多くの密偵が入り込んでいるようです。
残念な事ですが、マクリントック公爵家譜代家臣の中にも裏切者がいたようです。
将来他家に召し抱えられることを条件に、部屋住が密偵役になっていました。
哀しい話ですが、厳罰に処さなければいけません。
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