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19話神獣視点
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聖女は優し過ぎるのである。
だから聖女なのだが、それでは使い勝手が悪いのである。
だが、そのためにカデンという勇者を育てたのである。
精々ガンバってもらうのである。
腹立たしいことではあるが、余の見せている夢を神のお告げだと勘違いしているので、このまま受け身だと、王国軍が侵攻するたびに、侵攻路の民が塗炭の苦しみを味わうことになると教えてやった。
「ためらうな!
これは正義の戦いだ!
神様のお告げに従った神征なのだ!
我らから王都に攻め上らなければ、多くの民が軍兵に嬲る殺しになるのだ!
それを防ぐために、我らから王都に攻め上らなければならないのだ!
だから、分かるな?
絶対に侵攻中に民を害するな!
隠しだませるなと思うなよ。
神様はもちろん、聖女様や俺の眼を誤魔化せないのは、敵将兵を懲罰した際に嫌というほど見てきただろう!」
カデンが神征に参加する将兵の檄を飛ばしている。
神征などと名乗るとは笑ってしまうが、勘違いしている人間どもは真剣だ。
まあいい。
これで聖女の心の負担が少しでも軽くなるのなら、よしとしようではないか。
「ヒィィィィ!
やめろ、止めろカデン!
余は王であるぞ!
国王であるぞ!
その余を殺すなど、不敬罪だぞ!
まて、待ってくれ!
爵位をやる!
伯爵位だ!
いや、侯爵、公爵位をやろう。
娘を、王女を嫁にくれてやる。
だから殺さないでくれぇぇぇぇ!」
「ヒィィィィ!
助けて!
助けてカデン!
だいて、抱いて!
そう、そうよ!
私はカデンが好きだったのよ!
カデンが好きだったから。
カデンの心がオリビアに向いているから。
振り向かせたくて、やってしまったの。
だから許して!
オリビア!
そう、オリビアに聞いて!
オリビアなら許してくれるわ!」
人間は醜い。
特に王侯貴族ほど醜い者が多い。
中には極稀にマトモな者もいるが、この国にはほとんどいない。
国の体制が悪いと、人間も醜くなるようだ。
特に国王とアメリアは悪臭を放つ醜さだった
カデンが一刀両断したからもう過去のはなしだがな。
まあ、カデンと配下が醜い貴族を根絶やしにしたからよしとしよう。
カデンの神征軍は、進むにつれて大軍勢となった。
平民のほとんどすべてが味方にはせ参じたからだ。
老若男女関係なく、武器がなければ農具を手に持ち。
農具もなければ包丁や棒切れをもって参集した。
みな餓死寸前の状態だったから、ふんだんに食事が与えられる神征軍に、喰うため生きるため加わったのだ。
混乱に乗じて侵攻してきた隣国の軍勢も、四カ国ともカデン一人に壊滅させられたから、もう二度と侵攻してくることはないだろう。
あとは聖女にちょっかいをだした神だが……
まあ大丈夫であろう。
今回一度も手出ししてこなかったから、もう聖女の事を忘れてしまっている可能性がある。
神とは移り気で身勝手なモノだからな!
だから聖女なのだが、それでは使い勝手が悪いのである。
だが、そのためにカデンという勇者を育てたのである。
精々ガンバってもらうのである。
腹立たしいことではあるが、余の見せている夢を神のお告げだと勘違いしているので、このまま受け身だと、王国軍が侵攻するたびに、侵攻路の民が塗炭の苦しみを味わうことになると教えてやった。
「ためらうな!
これは正義の戦いだ!
神様のお告げに従った神征なのだ!
我らから王都に攻め上らなければ、多くの民が軍兵に嬲る殺しになるのだ!
それを防ぐために、我らから王都に攻め上らなければならないのだ!
だから、分かるな?
絶対に侵攻中に民を害するな!
隠しだませるなと思うなよ。
神様はもちろん、聖女様や俺の眼を誤魔化せないのは、敵将兵を懲罰した際に嫌というほど見てきただろう!」
カデンが神征に参加する将兵の檄を飛ばしている。
神征などと名乗るとは笑ってしまうが、勘違いしている人間どもは真剣だ。
まあいい。
これで聖女の心の負担が少しでも軽くなるのなら、よしとしようではないか。
「ヒィィィィ!
やめろ、止めろカデン!
余は王であるぞ!
国王であるぞ!
その余を殺すなど、不敬罪だぞ!
まて、待ってくれ!
爵位をやる!
伯爵位だ!
いや、侯爵、公爵位をやろう。
娘を、王女を嫁にくれてやる。
だから殺さないでくれぇぇぇぇ!」
「ヒィィィィ!
助けて!
助けてカデン!
だいて、抱いて!
そう、そうよ!
私はカデンが好きだったのよ!
カデンが好きだったから。
カデンの心がオリビアに向いているから。
振り向かせたくて、やってしまったの。
だから許して!
オリビア!
そう、オリビアに聞いて!
オリビアなら許してくれるわ!」
人間は醜い。
特に王侯貴族ほど醜い者が多い。
中には極稀にマトモな者もいるが、この国にはほとんどいない。
国の体制が悪いと、人間も醜くなるようだ。
特に国王とアメリアは悪臭を放つ醜さだった
カデンが一刀両断したからもう過去のはなしだがな。
まあ、カデンと配下が醜い貴族を根絶やしにしたからよしとしよう。
カデンの神征軍は、進むにつれて大軍勢となった。
平民のほとんどすべてが味方にはせ参じたからだ。
老若男女関係なく、武器がなければ農具を手に持ち。
農具もなければ包丁や棒切れをもって参集した。
みな餓死寸前の状態だったから、ふんだんに食事が与えられる神征軍に、喰うため生きるため加わったのだ。
混乱に乗じて侵攻してきた隣国の軍勢も、四カ国ともカデン一人に壊滅させられたから、もう二度と侵攻してくることはないだろう。
あとは聖女にちょっかいをだした神だが……
まあ大丈夫であろう。
今回一度も手出ししてこなかったから、もう聖女の事を忘れてしまっている可能性がある。
神とは移り気で身勝手なモノだからな!
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