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第一章
第1話:断罪劇
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こうなる事は一年前から分かっていましたから、万全の準備を整えてきました。
父が再婚した相手は、悪女を絵にかいたような女で、顔と身体だけはいいのです。
心許せる者に少し調べさせましたが、今までどれほどの男を誑かしてきたか分からないほどです。
本来なら父に諫言して再婚を止めさせるべきでしたが、すでに骨抜きにされている父には、何を言っても無駄でした。
それに、これは私にとっては好機でもありました。
私は、こんな家から一日でも早く出ていきたかったのです。
だからといって、政略結婚で腐った性根の高位貴族と結婚するのも嫌でした。
さらに、夜明け前から深夜まで激しい修練と祈りを強要される、聖女という役目からも逃げ出したかったのです。
この国が自由と平等を保障し、民が平和に暮らしているのなら、その為にどうしても必要だというのなら、私も我慢しましたが、この国は駄目です。
腐りきった王侯貴族が富を独占し、民は塗炭の苦しみに喘いでいます。
私がどれだけ努力して神々から恵みを得ても、全て王侯貴族が独占してしまいますから、やる気も地に落ちてしまっています。
「聖女リリア、何か申し開きする事はあるか!」
「ございます、私は聖女としての役目を疎かにした事は一瞬もございません。
夜が明ける前から祈りをはじめ、深夜遅くまで鍛錬と祈りを欠かしませんでした。
ただ、私の力不足であったことは、申し訳なく思っています。
ですから、婚約破棄と追放刑はお受けいたします。
その代わり、隠居領として悪魔のダンジョンを頂きたいです」
考えもしていなかった返事に、どうしていいか分からないのでしょう。
きょろきょろと左右を見て誰かに助けを求めていますが誰も助けようとしません。
それも当然です、私を追放した後の影響が分からないのですから。
誰だって責任を押し付けられるのは嫌ですからね。
王太子の今まで言動から考えれば、不都合があれば責任を家臣に押し付けるのは分かっていますから、阿諛追従の取り巻きが逃げるのは当然です。
「ひとつお聞かせくださいますか、お義姉様。
悪魔のダンジョンと言えば、名のある冒険者や騎士でも入ったら生きて帰って来られない、恐ろしいダンジョンでございます。
そのようなダンジョンを隠居領にもらっても、入場料も税も手に入りません。
そんな役に立たないダンジョンを、何故欲しがるのですか?」
やれやれ、義母の血を色濃く受け継いだ私の義妹殿は、とても猜疑心が強い。
王太子を色香で骨抜きにして、私から公爵家の実家も、将来の王妃の座も、聖女の名声も奪っただけでは飽き足らず、命まで奪いたいらしい。
その酷薄な眼は、私を無一文で追放させたいと思っているのが明らかだ。
ここは返事に気をつけないと、暗殺されるかもしれない。
父が再婚した相手は、悪女を絵にかいたような女で、顔と身体だけはいいのです。
心許せる者に少し調べさせましたが、今までどれほどの男を誑かしてきたか分からないほどです。
本来なら父に諫言して再婚を止めさせるべきでしたが、すでに骨抜きにされている父には、何を言っても無駄でした。
それに、これは私にとっては好機でもありました。
私は、こんな家から一日でも早く出ていきたかったのです。
だからといって、政略結婚で腐った性根の高位貴族と結婚するのも嫌でした。
さらに、夜明け前から深夜まで激しい修練と祈りを強要される、聖女という役目からも逃げ出したかったのです。
この国が自由と平等を保障し、民が平和に暮らしているのなら、その為にどうしても必要だというのなら、私も我慢しましたが、この国は駄目です。
腐りきった王侯貴族が富を独占し、民は塗炭の苦しみに喘いでいます。
私がどれだけ努力して神々から恵みを得ても、全て王侯貴族が独占してしまいますから、やる気も地に落ちてしまっています。
「聖女リリア、何か申し開きする事はあるか!」
「ございます、私は聖女としての役目を疎かにした事は一瞬もございません。
夜が明ける前から祈りをはじめ、深夜遅くまで鍛錬と祈りを欠かしませんでした。
ただ、私の力不足であったことは、申し訳なく思っています。
ですから、婚約破棄と追放刑はお受けいたします。
その代わり、隠居領として悪魔のダンジョンを頂きたいです」
考えもしていなかった返事に、どうしていいか分からないのでしょう。
きょろきょろと左右を見て誰かに助けを求めていますが誰も助けようとしません。
それも当然です、私を追放した後の影響が分からないのですから。
誰だって責任を押し付けられるのは嫌ですからね。
王太子の今まで言動から考えれば、不都合があれば責任を家臣に押し付けるのは分かっていますから、阿諛追従の取り巻きが逃げるのは当然です。
「ひとつお聞かせくださいますか、お義姉様。
悪魔のダンジョンと言えば、名のある冒険者や騎士でも入ったら生きて帰って来られない、恐ろしいダンジョンでございます。
そのようなダンジョンを隠居領にもらっても、入場料も税も手に入りません。
そんな役に立たないダンジョンを、何故欲しがるのですか?」
やれやれ、義母の血を色濃く受け継いだ私の義妹殿は、とても猜疑心が強い。
王太子を色香で骨抜きにして、私から公爵家の実家も、将来の王妃の座も、聖女の名声も奪っただけでは飽き足らず、命まで奪いたいらしい。
その酷薄な眼は、私を無一文で追放させたいと思っているのが明らかだ。
ここは返事に気をつけないと、暗殺されるかもしれない。
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