異母妹に婚約者を奪われ、義母に帝国方伯家に売られましたが、若き方伯閣下に溺愛されました。しかも帝国守護神の聖女にまで選ばれました。

克全

文字の大きさ
1 / 8
第一章

第1話:婚約破棄追放

しおりを挟む

「ソフィア、君との婚約は破棄するから」

「なにを言っているのトラヴィス。
 国王陛下が認めた婚約を破棄できるはずがないでしょ」

「あら、その心配はいらないですわ、ソフィアお義姉様。
 母上が公爵家を通じて国王陛下に認めていただきましたから」

 くやしい、あまりにくやしくて泣きそうになります。
 わたしを苦しめるためならどんなことでもやる女です。
 ですが王国中の貴族が集まる舞踏会で私の婚約を破棄させるなんて、いくら何でもやり方がひどすぎる。
 それに、普段は呼び捨てにするくせに、こんな時だけ嫌味にお義姉様と呼ぶ。

「そうなのだよ、ソフィア。
 なにか君の実家に事情があるようでね。
 君との婚約を破棄してロージー嬢と婚約することになったのだよ」

 ひどい、あまりにひどすぎて死んでしまいたくなります。
 でも、私が死んでしまったら母上の血統が絶えてしまいます。
 血の涙を流してでも生き続けないと、母上にもご先祖様にも申し訳ないのです。

「ほぉ~ほっほっほっほっ。
 ごめんなさいねぇ~、ソフィアお義姉様。
 わたしく、これでも王家の血が流れていますのよ。
 なんと言っても母上が国王陛下の姪ですもの。
 いくら長女だからと言っても、母親が没落貴族ではねぇ~。
 婿に入るトラヴィスも嫌ですわよねぇ~」

 ゆるさない、絶対に許さないわよ、ロージー。
 いつも、いつも、私のモノを奪い取っていく。
 それだけでも許せないけれど、何より許せないのは母上の悪口を言った事。
 母上の家系、ご先祖様の悪口まで言った事です。
 どんな手段を使ってでも復讐してみせるわ!
 
「さあ、私たちの婚約を祝って盛大に音楽を奏でダンスを踊って見せて」

 ジャン!
 ピロロロロ、シャンシャンシャン。
 ヒュルルルウレ~。

 私たちの争いで静かになっていた舞踏会場が、また華やかな音楽に満ちます。
 この音楽とダンスにまぎれてロージーとトラヴィスに復讐する。
 護身用のナイフは常に身に付けているから、それで心臓を突き殺してあげるわ。

「ソフィア嬢、一歩でも動かれたら死んでいただきますぞ」

 警備の近衛騎士が情け容赦のない目で私をみている。
 一人だけではなく、全員が私をモノを見るような目で見ている。
 もう私を子爵家の令嬢とは思っていないのね。
 王族に危害を加えるかもしれない危険な敵としか思っていないのね。
 ここで死ぬわけにはいけないわ。

「分かりました、私は屋敷に帰ります」

「子爵家の馬車はロージー嬢がお使いになられます。
 ソフィア嬢は歩いてお帰り下さい」

 ミジメすぎてこの場に倒れて号泣したくなります。
 ですが、そんな恥かしい事をしたら母上の名誉まで汚してしまいます。
 血が口いっぱいに溜まるくらい唇をかみしめてガマンします。
 でも、おかしいですね。

 私を殺してしまった方が簡単なのに。
 母上の血筋を絶えさせる方が、貴族としてはくやしい事なのに。
 なぜ私に剣を抜かせて殺さなかったのでしょうか。
 まさか、血統が絶えること以上にみじめな事をさせようというのでしょうか!




★★★★★★ お願いです。

「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「今後どうなるのっ……!」

と思ったら

お気に入り登録していただけると本当にうれしいです。

何卒よろしくお願いいたします。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お姉様は嘘つきです! ~信じてくれない毒親に期待するのをやめて、私は新しい場所で生きていく! と思ったら、黒の王太子様がお呼びです?

朱音ゆうひ@『桜の嫁入り』発売中です
恋愛
男爵家の令嬢アリシアは、姉ルーミアに「悪魔憑き」のレッテルをはられて家を追い出されようとしていた。 何を言っても信じてくれない毒親には、もう期待しない。私は家族のいない新しい場所で生きていく!   と思ったら、黒の王太子様からの招待状が届いたのだけど? 別サイトにも投稿してます(https://ncode.syosetu.com/n0606ip/)

私から全てを奪おうとした妹が私の婚約者に惚れ込み、色仕掛けをしたが、事情を知った私の婚約者が、私以上に憤慨し、私のかわりに復讐する話

序盤の村の村人
恋愛
「ちょっと、この部屋は日当たりが悪すぎるわ、そうね、ここの部屋いいじゃない!お姉様の部屋を私が貰うわ。ありがとうお姉様」 私は何も言っていません。しかし、アーデルの声を聞いたメイドは私の部屋の荷物を屋根裏部屋へと運び始めました。「ちょっとアーデル。私は部屋を譲るなんて一言も言ってないです」 「お姉様、それは我が儘すぎるわ。お姉様だけこんな部屋ずるいじゃない」「マリーベル。我が儘は辞めてちょうだい。また部屋を移動させるなんてメイド達が可哀想でしょ」私たちの話を聞いていた義理母のマリアは、そう言うと、メイド達に早くするのよと急かすように言葉をかけました。父の再婚とともに、義理の妹に私の物を奪われる毎日。ついに、アーデルは、マリーベルの婚約者ユーレイルの容姿に惚れ込み、マリーベルから奪おうとするが……。 旧タイトル:妹は、私から全てを奪おうとしたが、私の婚約者には色仕掛けが通用しなかった件について ·すみません、少しエピローグのお話を足しました。楽しんでいただけると嬉しいです。

見た目を変えろと命令したのに婚約破棄ですか。それなら元に戻るだけです

天宮有
恋愛
私テリナは、婚約者のアシェルから見た目を変えろと命令されて魔法薬を飲まされる。 魔法学園に入学する前の出来事で、他の男が私と関わることを阻止したかったようだ。 薬の効力によって、私は魔法の実力はあるけど醜い令嬢と呼ばれるようになってしまう。 それでも構わないと考えていたのに、アシェルは醜いから婚約破棄すると言い出した。

もてあそんでくれたお礼に、貴方に最高の餞別を。婚約者さまと、どうかお幸せに。まぁ、幸せになれるものなら......ね?

当麻月菜
恋愛
次期当主になるべく、領地にて父親から仕事を学んでいた伯爵令息フレデリックは、ちょっとした出来心で領民の娘イルアに手を出した。 ただそれは、結婚するまでの繋ぎという、身体目的の軽い気持ちで。 対して領民の娘イルアは、本気だった。 もちろんイルアは、フレデリックとの間に身分差という越えられない壁があるのはわかっていた。そして、その時が来たら綺麗に幕を下ろそうと決めていた。 けれど、二人の関係の幕引きはあまりに酷いものだった。 誠意の欠片もないフレデリックの態度に、立ち直れないほど心に傷を受けたイルアは、彼に復讐することを誓った。 弄ばれた女が、捨てた男にとって最後で最高の女性でいられるための、本気の復讐劇。

「不吉な子」と罵られたので娘を連れて家を出ましたが、どうやら「幸運を呼ぶ子」だったようです。

荒瀬ヤヒロ
恋愛
マリッサの額にはうっすらと痣がある。 その痣のせいで姑に嫌われ、生まれた娘にも同じ痣があったことで「気味が悪い!不吉な子に違いない」と言われてしまう。 自分のことは我慢できるが娘を傷つけるのは許せない。そう思ったマリッサは離婚して家を出て、新たな出会いを得て幸せになるが……

私を追い出したらこの店は潰れますが、本当に良いんですね?

真理亜
恋愛
私を追い出す? この店を取り仕切っているのは私ですが、私が居なくなったらこの店潰れますよ? 本気いや正気ですか? そうですか。それじゃあお望み通り出て行ってあげます。後で後悔しても知りませんよ?

自称聖女の従妹に陥れられ婚約破棄追放されましたが、私が真の聖女だったようです。

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」「ノベルバ」に同時投稿しています。 『邪悪な人間は守護神が滅ぼすそうですよ』 エドムンド公爵家の令嬢ルイーセは、王家の舞踏会で急に従妹のアストリッドに冤罪をかけられた。分家に生まれたアストリッドは本家のルイーセが妬ましく、いつか陥れたやろうと狙っていたのだ。いや、アストリッドだけでなく父親のダニエルも兄のフレゼリクを陥れてエドムンド公爵の爵位を奪おうと狙っていたのだ。アストリッドが聖女を自称し、ダニエルが伯爵家の権力と金を使ってアストリッドの神託を実現されるとい行為で徐々に周りを信用させていた。そして堕落した教会を味方につけてルイーセに悪魔と情を通じたというとんでもない冤罪を被せたのだった。

聖女の妹によって家を追い出された私が真の聖女でした

天宮有
恋愛
 グーリサ伯爵家から聖女が選ばれることになり、長女の私エステルより妹ザリカの方が優秀だった。  聖女がザリカに決まり、私は家から追い出されてしまう。  その後、追い出された私の元に、他国の王子マグリスがやって来る。  マグリスの話を聞くと私が真の聖女で、これからザリカの力は消えていくようだ。

処理中です...