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多摩編
転生・狩り
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ん?
ここはどこだろう。
全く見覚えが無い。
板壁・板張り床・煎餅布団・粗末な魔術師風の服・丸太の枕?
ズラリと並んで寝てる男たち。
ここは・・・・・魔の森の王国奴隷冒険者砦。
俺は・・・・・タケル・奴隷で初級下の魔法使い。
奴隷の身分を自分で買い戻すため、魔の森の冒険者に志願した。
なんでまた、こんな転生するんだよ。
それとも夢か?
夢ならいいけど、転生なら思い出すだけ思い出さないと。
え~と、計画性のない貧民の両親が俺を妊娠したのか。
王国では、戦力・労働力になる子供を、無暗に堕胎したり、水子にしないように奴隷として買い取るんだな。
ただ人身売買や誘拐を誘発しないように、母子に玄米五合と漬物の現物支給をして三歳まで養育させる。
そのあとは子供が四歳になれば王国奴隷省で引き取り、魔力検査をした上で適正に応じて教育を施す。
十二歳で元服扱いで、五十歳まで王国の文武官吏として働けば平民として隠居できる。
他の方法は奴隷冒険者として魔物を狩って、十二年間分の養育費を王国に納付すれば平民になれる。
で、俺タケルは極少量だけど魔力が有り、弓・槍・剣も標準に扱えるから、冒険者で平民になることを選んだのか。
王国への納付金は一日玄米二升分×四百二十日×十二年=玄米百石八斗か。
良心的なのか悪質なのか、今は判断できんな。
獲物の買取金額と日々必要な生活費で変わるな。
夜明け前だけど、まずは朝食で腹ごしらえをするか。
「おばさん、朝食お願いします」
「はいよ、今日は玄米飯・獣肉味噌汁・大根糠漬け・納豆だよ。それでこれは、玄米握り飯六個・梅干六個の弁当包みと水筒。弁当は、万が一日暮れまでに砦に戻れなかった時の非常食でも有るから、多めだよ。でもちゃんと帰ってこれたら、副食を自分で購入するんだよ」
「はい、日暮れまでには帰ってきます」
「この弁当までは王国が支給してくれるけど、晩飯からは自分で買わないといけないし、今日からの宿泊費は自分持ちだよ。でも決して無理しちゃいけないよ。獲物がなければ王国に借金すればいいし、冒険者で平民に成るのは無理とおもったら、奴隷文武官吏に再転向すればいいんだからね。定年が50歳から少し長くなるけど、命には変えれないんだからね。後ろの新人達もよく覚えとくんだよ!」
「はい、ありがとうございます。命を大切にします。では、ありがたく食事させていただきます」
「はいよ」
うん、不味い。
転生前の味覚が残ってるな。
白米喰いなれた俺に玄米は辛い。
脚気予防にもなり、バランス取れた玄米は身体にはいいんだけど、分かっていても玄米は不味い。
この身体の本当の持ち主なら美味しく食べれたのかな?
何としても、採算取れる狩りを安全に出来ないとな、美味い食事ができない。
あの一角は、ベテラン冒険者か貫禄あるな~。
あっ、新人が混じってる?
知り合いのパーティーに入れて貰ったのか?
俺は何の勝算が有って、ソロを選んだんだ?
こっちは、新人ばかりのパーティーだな。
う~~ん見るからに顔色が悪い。
俺もかな。
参ったな。
さて、混む前に受付に行きますか。
さて、狩場は山にしよう。
湿地や河川は水場で獲物も多いけど、水竜や鰐に出会ったら即死だからね。
例え小物を狩っても、水の上に落ちたら泳いで回収しなきゃならない。
回収中に水中から大物に狙われたら、これまた即死。
獲物は少ないし小物ばかりだけど、やっぱり足場のしっかりしていて、逃げ易い山や森が無難だね。
でも魔の森や奥山まで行っちゃうと、強力な魔獣に遭遇する確率が上がるから、里山近くの森や山で小物の兎や狐狸、鹿や山羊を中心に狩ろう。
大きさや狩り傷にもよるけど、兎で四十銅貨、狐狸で百二十銅貨、鹿や山羊なら六百銅貨くらいになる。
さ、夜が明ける前に砦を出よう。
ふう~。
一時間位歩いたかな?
何も獲物に出会えないや。
砦近くだと獲物もいないか。
しかし片道四時間が日帰りの限界だろうな。
おっと、これは獣道か?
新しい糞もあるし。
砦から4時間くらい歩いたかな?
太陽に位置からもこの辺が限界か。
この身体結構体力くあるのかな?
全然疲れを感じない。
この獣道で二時間くらい待ち伏せして、駄目なら帰ろう。
さて弁当を半分喰うことにしよう。
気配がある!
姿が見えたら、即、圧縮した風魔法で喉を切り裂いてやる。
よし、やった!
後は息絶えるまで追いかける。
狸か?
意外だな、狐かと思ったけど。
でも、狸の方が肉が高かったかな?
そうだ!
血抜きのついでに、獣道に血を撒いてみよう。
上手くいけば肉食獣をおびき寄せられるかもしれない。
この辺なら肉食獣と言っても、せいぜい山犬か狼程度だろうから対応可能だ。
残り一時間待ち伏せだ!
来た。
小さいな。
山犬かな?
十キログラム程度が六頭か?
魔法袋に十分入る!
風魔法を圧縮して、ゆっくり慌てず確実に、喉を狙って撃つ!
馬鹿が、逃げねえ。
皆殺しだ!
全部殺ったな?
他の肉食獣は来てないよな?
よし、木から降りて回収だ。
血抜きの時間が惜しい。
他の群れが集まらない内に早くこの場をから撤退だ。
「小人目付様、タケルです。買取お願いします」
「うむ、出せ」
「狸一頭と山犬六頭です」
「ほう、初日から幸先がいいな。傷もほとんど無い、毛皮の価値も最高品だ。狸は8・2kgの大物で1百六十四銅貨。山犬は六頭合計六十三・四kgで千二百六十八銅貨。合計で千四百三十二銅貨、現金で渡すか預り金にするか?」
「現金でお願いします」
大白銅貨一枚
小白銅貨四枚
大黄銅貨六枚
小黄銅貨二枚を受け取った。
「お姉さん、部屋をお願いします」
「大部屋三食付き二百銅貨、個室三食付き四百銅貨だよ」
「大部屋でお願いします」
「はい、これが食券の板よ。これを見せれば、晩飯・朝飯・弁当が貰えるは。明日弁当を受け取るときに返却して。追加で何か食べるならお金払って」
「はい、分かりました、ありがとうございます」
「おばさん、無事帰れました」
「お帰り、無事でよかった。成果はあったのかい?」
「はい、日当分は稼げました」
「大したもんだ。今日の定食は、猪と茸の生姜煮・味噌汁・山菜御浸しだよ。弁当の玄米握り飯、半分残しておいたかい? 追加ならお金かかるよ? 生き残りたいなら、必ず非常食は持って帰る癖つけた方がいいよ」
「はい、教えていただいた通り、こうして残しています」
「うん、いい心がけだ!」
「はい、では食べてきます」
「はいよ、しっかり休みな」
部屋で魔術訓練だ。
元のタケルは魔力と魔術の向上には見切りをつけたようだけど、俺なりに元の世界の知識を使って頑張る。
座禅を組む。
まずはチャクラ、東洋医学経穴の会陰から百会に魔力を十回巡らせてる。
左右の手の太陰肺経、中府から少商に魔力を十回巡らせる。
左右の手の陽明大腸経、商陽から迎香に魔力を十回巡らせる。
左右の足の陽明胃経、承泣から厲兌に魔力を十回巡らせてる。
左右の足の太陰脾経、隠白から大包に魔力を十回巡らせる。
左右の手の小陰心経、極泉から少衝に魔力を十回巡らせる。
左右の手の太陽小腸経、少沢から聴宮に魔力を十回巡らせる。
左右の足の太陽膀胱経、晴明から至陰に魔力を十回巡らせる。
左右の足の少陰腎経、湧泉から兪府に魔力を十回巡らせる。
左右の手の厥陰心包経、天池から中衝に魔力を十回巡らせる。
左右手の少陽三焦経、関衝から絲竹空に魔力を十回巡らせる。
左右の足の少陽胆経、瞳子膠から足竅陰に魔力を十回巡らせる。
左右の足の厥陰肝経、大敦から期門に魔力を十回巡らせる。
督脈の長強から齦交に魔力を十回巡らせる。
任脈の会陰から承漿に魔力を十回巡らせる。
次に西洋医学的に。
胃で消化するように魔力を送る。
小腸で吸収するように魔力を送る。
脳の記憶力がよくなるようにイメージし魔力を送る。
脳から脊髄・神経の伝達がよくなり、反射が早く成る様イメージし魔力を送り。
骨にカルシウムを取り込むようにイメージし魔力を送る。
骨が太く長く成長するようイメージし魔力を送る。
筋膜が広がる様イメージして魔力を送る。
筋線維は太くなり、更に分裂して二倍になるイメージをし魔力を送る。
限界だ、倒れるように眠ってしまいました。
爆睡しちまった、飯食って狩りだ。
「おばさん、朝飯お願いします」
「はいよ。今日は玄米御飯・納豆・獣肉味噌汁・獣肉佃煮・大根糠漬けだよ。弁当は玄米御握六個・梅干六個・大根糠漬け六切・水筒だよ」
「ありがとうございます、いただいてきます」
昨日と同じ獣道で狩るとして、今日の方が歩きが格段に楽だな。
昨日の経絡経穴鍛錬と筋線維分裂強化鍛錬が効いているのかな?
うん?
何か群れで来る?
木の上に一時退避。
鹿の群れ?
何かに追われてる?
狼か?
狩る!
風魔法で喉を掻っ切る!
雄鹿ボス?
1頭狩る!
次雌2頭目!
大きい雌鹿3頭目!
次、小さい見送り。
次、手頃雌鹿4頭目!
魔法袋に収まりきるか?
後は見逃そう。
狼が来たら危ない、急いで回収。
木から飛び降りて、1頭目、2頭目、3頭目。
あれ?
視界に何か映る。
狼?
山犬?
ヤバイ、退避が間に合うか?
間に合わないと俺が喰われてしまう。
鹿4頭目回収。
手近に大木に登って退避。
鹿を追って行ってくれ!
う、鹿を殺した所の臭いを嗅いでるよ。
あああああ、こっち来るよ。
駄目だ。
どうする?
山犬12頭か!
全部殺すには魔力が持たない。
殺せるだけ殺して、木の上で粘るか?
しかし、それだと不測の事態に対処できないか?
魔法袋の鹿を投げれば、喰って満足すれば、あいつら移動するか?
移動しないとしても、最悪時間稼ぎにはなるな。
最高の状態は、俺が山犬がある程度殺したら、恐れて逃げ出してくれることだな。
1番大きな鹿を魔法袋から出して背負う。
そうすれば魔法袋に四十キログラム分の空きが出来る。
山犬は十キログラム程度だから、四頭を魔法袋に入れて帰れる。
四頭殺した時点で逃げだしてくれれば、俺の魔力も余力もある。
それなら木に登れる野獣が後から来ても、十分対応できる。
よしそれで行こう。
そうなると、殺す順番が大事だな。
群れの一番ボスと二番ボス・三番ボス・四番ボスを見極めないと。
群れの後ろで悠々と構えてるのが一番ボスか?
先頭立って俺のいる木に吠え立てれるのが行動隊長格の二番ボスか?
行動隊長の反対側で四頭率いてるの三番ボスかな?
後は分からんな。
三頭殺って突っ込んでくる奴を狙うか。
殺る!
まずは後方の一番ボスの喉に圧縮風魔法を喰らわす!
次、行動隊長格の二番ボスに圧縮風魔法!
次、三番ボスに圧縮風魔法!
そうだ、声拡大魔法で吠えてみせたら。
「ウォ~ン!」
やった!
尻尾撒いて逃げだした!
山犬三頭回収して、鹿1頭は担いで砦までダッシュで逃げる。
「おいおいどうした。鹿を担いで? まさか魔法袋に入りきらなかったのか?」
「はい大猟でした小人目付様。買取お願いします」
「よし出せ」
「鹿が三頭と山犬三頭です」
「ほう、今日もまた傷が殆ど無い最高の状態だな。山犬が三頭合計四十一キログラムで八百二十銅貨、鹿が三頭合計百二十五キログラムで二千五百銅貨、合計で三千三百二十銅貨だが、現金払いか?」
「いえ、今日は預り金でお願いします」
「うむ、これが現金預かり帳で、俺が持ってるのが元帳だ。同じ金額か確認して母印を押せ」
「はい、押させていただきます」
さて、今日は魔法袋の容量が二割も増えてたから、昨日の魔法鍛錬が効いてるのだろう。今日の飯食って鍛錬して寝よう。
さて、初日の獣道でまで行くか。
昨日は二割程魔法袋の容量が増えてたから、この調子で魔力が増えれば、魔獣や魔竜を狩れるようになるかもしれない。
歩く速度も昨日より速く成ってるし、日々の魔力鍛錬時間は最優先で確保しないといけないな。
ふう、急いだのもあるけど、三時間強で獣道まで来れたよ。
これで、往復二時間程度短縮出来たから、獲物を待ち伏せする時間を増やせる。
さて、水筒に入れておいた鹿の血を撒いて、肉食獣を誘いますか。
先ずは安全な木の上に移動しておこう。
さて、獲物は何が来るかだけど。
二日間の結果から言えば山犬の確立が高いが、出来ればもう少し大型で買取価格も高い狼を狙いたい。
昨日のように、魔法袋に入りきれない一頭を担いで帰れば、儲けが多いだろう。
う~ん1時間は経ったかな?
十一時近いか?
昨日、一昨日と順調すぎたかな。
弁当を半分喰おう。
ん?
気配か?
狼だ。
しかもデカイ。
大型種か?
五十キログラム前後が4頭か!
殺るか?
見送るか?
殺る!
圧縮風魔法1つ。
成功!
2つ。
殺った!
3つ目。
4つ目。
よし!
急いで回収。
小さい狼から一頭二頭三頭目。
魔法袋に入るか?
入った。
また二割程魔力は増強してる!
四頭目は担いで、ダッシュで砦に帰る。
「お、大型の狼か。今日も魔法袋に入りきれなかったのか?」
「はい、運がよかったです。目付様、買取お願いします」
「よし、出せ」
「狼四頭です」
「うむ、今日もほとんど傷無。狼四頭合計二百四キログラムで四千八十銅貨だ、預り金でいいのか?」
「はい、預り金でお願いします」
「よし、現金預かり帳をだせ。今日の分を足して七千四百銅貨、通帳と元帳の金額は確認したか? なら拇印を押せ」
「はい、ありがとうございます」
さて、時間があるな。
晩飯の前に鍛錬するか?
うん?
アヤか?
・・・・・痛い!
なんだ?
胸が痛い。
刺すように痛む!
を、アヤが手を振ってくれてる。
うわ胸が早鐘の様にドキドキするよ!
手を振り返そう。
て、なんで胸の痛みが強くなるんだ?
まさか。
こいつ。
タケルの奴アヤが好きなのか?
ここはどこだろう。
全く見覚えが無い。
板壁・板張り床・煎餅布団・粗末な魔術師風の服・丸太の枕?
ズラリと並んで寝てる男たち。
ここは・・・・・魔の森の王国奴隷冒険者砦。
俺は・・・・・タケル・奴隷で初級下の魔法使い。
奴隷の身分を自分で買い戻すため、魔の森の冒険者に志願した。
なんでまた、こんな転生するんだよ。
それとも夢か?
夢ならいいけど、転生なら思い出すだけ思い出さないと。
え~と、計画性のない貧民の両親が俺を妊娠したのか。
王国では、戦力・労働力になる子供を、無暗に堕胎したり、水子にしないように奴隷として買い取るんだな。
ただ人身売買や誘拐を誘発しないように、母子に玄米五合と漬物の現物支給をして三歳まで養育させる。
そのあとは子供が四歳になれば王国奴隷省で引き取り、魔力検査をした上で適正に応じて教育を施す。
十二歳で元服扱いで、五十歳まで王国の文武官吏として働けば平民として隠居できる。
他の方法は奴隷冒険者として魔物を狩って、十二年間分の養育費を王国に納付すれば平民になれる。
で、俺タケルは極少量だけど魔力が有り、弓・槍・剣も標準に扱えるから、冒険者で平民になることを選んだのか。
王国への納付金は一日玄米二升分×四百二十日×十二年=玄米百石八斗か。
良心的なのか悪質なのか、今は判断できんな。
獲物の買取金額と日々必要な生活費で変わるな。
夜明け前だけど、まずは朝食で腹ごしらえをするか。
「おばさん、朝食お願いします」
「はいよ、今日は玄米飯・獣肉味噌汁・大根糠漬け・納豆だよ。それでこれは、玄米握り飯六個・梅干六個の弁当包みと水筒。弁当は、万が一日暮れまでに砦に戻れなかった時の非常食でも有るから、多めだよ。でもちゃんと帰ってこれたら、副食を自分で購入するんだよ」
「はい、日暮れまでには帰ってきます」
「この弁当までは王国が支給してくれるけど、晩飯からは自分で買わないといけないし、今日からの宿泊費は自分持ちだよ。でも決して無理しちゃいけないよ。獲物がなければ王国に借金すればいいし、冒険者で平民に成るのは無理とおもったら、奴隷文武官吏に再転向すればいいんだからね。定年が50歳から少し長くなるけど、命には変えれないんだからね。後ろの新人達もよく覚えとくんだよ!」
「はい、ありがとうございます。命を大切にします。では、ありがたく食事させていただきます」
「はいよ」
うん、不味い。
転生前の味覚が残ってるな。
白米喰いなれた俺に玄米は辛い。
脚気予防にもなり、バランス取れた玄米は身体にはいいんだけど、分かっていても玄米は不味い。
この身体の本当の持ち主なら美味しく食べれたのかな?
何としても、採算取れる狩りを安全に出来ないとな、美味い食事ができない。
あの一角は、ベテラン冒険者か貫禄あるな~。
あっ、新人が混じってる?
知り合いのパーティーに入れて貰ったのか?
俺は何の勝算が有って、ソロを選んだんだ?
こっちは、新人ばかりのパーティーだな。
う~~ん見るからに顔色が悪い。
俺もかな。
参ったな。
さて、混む前に受付に行きますか。
さて、狩場は山にしよう。
湿地や河川は水場で獲物も多いけど、水竜や鰐に出会ったら即死だからね。
例え小物を狩っても、水の上に落ちたら泳いで回収しなきゃならない。
回収中に水中から大物に狙われたら、これまた即死。
獲物は少ないし小物ばかりだけど、やっぱり足場のしっかりしていて、逃げ易い山や森が無難だね。
でも魔の森や奥山まで行っちゃうと、強力な魔獣に遭遇する確率が上がるから、里山近くの森や山で小物の兎や狐狸、鹿や山羊を中心に狩ろう。
大きさや狩り傷にもよるけど、兎で四十銅貨、狐狸で百二十銅貨、鹿や山羊なら六百銅貨くらいになる。
さ、夜が明ける前に砦を出よう。
ふう~。
一時間位歩いたかな?
何も獲物に出会えないや。
砦近くだと獲物もいないか。
しかし片道四時間が日帰りの限界だろうな。
おっと、これは獣道か?
新しい糞もあるし。
砦から4時間くらい歩いたかな?
太陽に位置からもこの辺が限界か。
この身体結構体力くあるのかな?
全然疲れを感じない。
この獣道で二時間くらい待ち伏せして、駄目なら帰ろう。
さて弁当を半分喰うことにしよう。
気配がある!
姿が見えたら、即、圧縮した風魔法で喉を切り裂いてやる。
よし、やった!
後は息絶えるまで追いかける。
狸か?
意外だな、狐かと思ったけど。
でも、狸の方が肉が高かったかな?
そうだ!
血抜きのついでに、獣道に血を撒いてみよう。
上手くいけば肉食獣をおびき寄せられるかもしれない。
この辺なら肉食獣と言っても、せいぜい山犬か狼程度だろうから対応可能だ。
残り一時間待ち伏せだ!
来た。
小さいな。
山犬かな?
十キログラム程度が六頭か?
魔法袋に十分入る!
風魔法を圧縮して、ゆっくり慌てず確実に、喉を狙って撃つ!
馬鹿が、逃げねえ。
皆殺しだ!
全部殺ったな?
他の肉食獣は来てないよな?
よし、木から降りて回収だ。
血抜きの時間が惜しい。
他の群れが集まらない内に早くこの場をから撤退だ。
「小人目付様、タケルです。買取お願いします」
「うむ、出せ」
「狸一頭と山犬六頭です」
「ほう、初日から幸先がいいな。傷もほとんど無い、毛皮の価値も最高品だ。狸は8・2kgの大物で1百六十四銅貨。山犬は六頭合計六十三・四kgで千二百六十八銅貨。合計で千四百三十二銅貨、現金で渡すか預り金にするか?」
「現金でお願いします」
大白銅貨一枚
小白銅貨四枚
大黄銅貨六枚
小黄銅貨二枚を受け取った。
「お姉さん、部屋をお願いします」
「大部屋三食付き二百銅貨、個室三食付き四百銅貨だよ」
「大部屋でお願いします」
「はい、これが食券の板よ。これを見せれば、晩飯・朝飯・弁当が貰えるは。明日弁当を受け取るときに返却して。追加で何か食べるならお金払って」
「はい、分かりました、ありがとうございます」
「おばさん、無事帰れました」
「お帰り、無事でよかった。成果はあったのかい?」
「はい、日当分は稼げました」
「大したもんだ。今日の定食は、猪と茸の生姜煮・味噌汁・山菜御浸しだよ。弁当の玄米握り飯、半分残しておいたかい? 追加ならお金かかるよ? 生き残りたいなら、必ず非常食は持って帰る癖つけた方がいいよ」
「はい、教えていただいた通り、こうして残しています」
「うん、いい心がけだ!」
「はい、では食べてきます」
「はいよ、しっかり休みな」
部屋で魔術訓練だ。
元のタケルは魔力と魔術の向上には見切りをつけたようだけど、俺なりに元の世界の知識を使って頑張る。
座禅を組む。
まずはチャクラ、東洋医学経穴の会陰から百会に魔力を十回巡らせてる。
左右の手の太陰肺経、中府から少商に魔力を十回巡らせる。
左右の手の陽明大腸経、商陽から迎香に魔力を十回巡らせる。
左右の足の陽明胃経、承泣から厲兌に魔力を十回巡らせてる。
左右の足の太陰脾経、隠白から大包に魔力を十回巡らせる。
左右の手の小陰心経、極泉から少衝に魔力を十回巡らせる。
左右の手の太陽小腸経、少沢から聴宮に魔力を十回巡らせる。
左右の足の太陽膀胱経、晴明から至陰に魔力を十回巡らせる。
左右の足の少陰腎経、湧泉から兪府に魔力を十回巡らせる。
左右の手の厥陰心包経、天池から中衝に魔力を十回巡らせる。
左右手の少陽三焦経、関衝から絲竹空に魔力を十回巡らせる。
左右の足の少陽胆経、瞳子膠から足竅陰に魔力を十回巡らせる。
左右の足の厥陰肝経、大敦から期門に魔力を十回巡らせる。
督脈の長強から齦交に魔力を十回巡らせる。
任脈の会陰から承漿に魔力を十回巡らせる。
次に西洋医学的に。
胃で消化するように魔力を送る。
小腸で吸収するように魔力を送る。
脳の記憶力がよくなるようにイメージし魔力を送る。
脳から脊髄・神経の伝達がよくなり、反射が早く成る様イメージし魔力を送り。
骨にカルシウムを取り込むようにイメージし魔力を送る。
骨が太く長く成長するようイメージし魔力を送る。
筋膜が広がる様イメージして魔力を送る。
筋線維は太くなり、更に分裂して二倍になるイメージをし魔力を送る。
限界だ、倒れるように眠ってしまいました。
爆睡しちまった、飯食って狩りだ。
「おばさん、朝飯お願いします」
「はいよ。今日は玄米御飯・納豆・獣肉味噌汁・獣肉佃煮・大根糠漬けだよ。弁当は玄米御握六個・梅干六個・大根糠漬け六切・水筒だよ」
「ありがとうございます、いただいてきます」
昨日と同じ獣道で狩るとして、今日の方が歩きが格段に楽だな。
昨日の経絡経穴鍛錬と筋線維分裂強化鍛錬が効いているのかな?
うん?
何か群れで来る?
木の上に一時退避。
鹿の群れ?
何かに追われてる?
狼か?
狩る!
風魔法で喉を掻っ切る!
雄鹿ボス?
1頭狩る!
次雌2頭目!
大きい雌鹿3頭目!
次、小さい見送り。
次、手頃雌鹿4頭目!
魔法袋に収まりきるか?
後は見逃そう。
狼が来たら危ない、急いで回収。
木から飛び降りて、1頭目、2頭目、3頭目。
あれ?
視界に何か映る。
狼?
山犬?
ヤバイ、退避が間に合うか?
間に合わないと俺が喰われてしまう。
鹿4頭目回収。
手近に大木に登って退避。
鹿を追って行ってくれ!
う、鹿を殺した所の臭いを嗅いでるよ。
あああああ、こっち来るよ。
駄目だ。
どうする?
山犬12頭か!
全部殺すには魔力が持たない。
殺せるだけ殺して、木の上で粘るか?
しかし、それだと不測の事態に対処できないか?
魔法袋の鹿を投げれば、喰って満足すれば、あいつら移動するか?
移動しないとしても、最悪時間稼ぎにはなるな。
最高の状態は、俺が山犬がある程度殺したら、恐れて逃げ出してくれることだな。
1番大きな鹿を魔法袋から出して背負う。
そうすれば魔法袋に四十キログラム分の空きが出来る。
山犬は十キログラム程度だから、四頭を魔法袋に入れて帰れる。
四頭殺した時点で逃げだしてくれれば、俺の魔力も余力もある。
それなら木に登れる野獣が後から来ても、十分対応できる。
よしそれで行こう。
そうなると、殺す順番が大事だな。
群れの一番ボスと二番ボス・三番ボス・四番ボスを見極めないと。
群れの後ろで悠々と構えてるのが一番ボスか?
先頭立って俺のいる木に吠え立てれるのが行動隊長格の二番ボスか?
行動隊長の反対側で四頭率いてるの三番ボスかな?
後は分からんな。
三頭殺って突っ込んでくる奴を狙うか。
殺る!
まずは後方の一番ボスの喉に圧縮風魔法を喰らわす!
次、行動隊長格の二番ボスに圧縮風魔法!
次、三番ボスに圧縮風魔法!
そうだ、声拡大魔法で吠えてみせたら。
「ウォ~ン!」
やった!
尻尾撒いて逃げだした!
山犬三頭回収して、鹿1頭は担いで砦までダッシュで逃げる。
「おいおいどうした。鹿を担いで? まさか魔法袋に入りきらなかったのか?」
「はい大猟でした小人目付様。買取お願いします」
「よし出せ」
「鹿が三頭と山犬三頭です」
「ほう、今日もまた傷が殆ど無い最高の状態だな。山犬が三頭合計四十一キログラムで八百二十銅貨、鹿が三頭合計百二十五キログラムで二千五百銅貨、合計で三千三百二十銅貨だが、現金払いか?」
「いえ、今日は預り金でお願いします」
「うむ、これが現金預かり帳で、俺が持ってるのが元帳だ。同じ金額か確認して母印を押せ」
「はい、押させていただきます」
さて、今日は魔法袋の容量が二割も増えてたから、昨日の魔法鍛錬が効いてるのだろう。今日の飯食って鍛錬して寝よう。
さて、初日の獣道でまで行くか。
昨日は二割程魔法袋の容量が増えてたから、この調子で魔力が増えれば、魔獣や魔竜を狩れるようになるかもしれない。
歩く速度も昨日より速く成ってるし、日々の魔力鍛錬時間は最優先で確保しないといけないな。
ふう、急いだのもあるけど、三時間強で獣道まで来れたよ。
これで、往復二時間程度短縮出来たから、獲物を待ち伏せする時間を増やせる。
さて、水筒に入れておいた鹿の血を撒いて、肉食獣を誘いますか。
先ずは安全な木の上に移動しておこう。
さて、獲物は何が来るかだけど。
二日間の結果から言えば山犬の確立が高いが、出来ればもう少し大型で買取価格も高い狼を狙いたい。
昨日のように、魔法袋に入りきれない一頭を担いで帰れば、儲けが多いだろう。
う~ん1時間は経ったかな?
十一時近いか?
昨日、一昨日と順調すぎたかな。
弁当を半分喰おう。
ん?
気配か?
狼だ。
しかもデカイ。
大型種か?
五十キログラム前後が4頭か!
殺るか?
見送るか?
殺る!
圧縮風魔法1つ。
成功!
2つ。
殺った!
3つ目。
4つ目。
よし!
急いで回収。
小さい狼から一頭二頭三頭目。
魔法袋に入るか?
入った。
また二割程魔力は増強してる!
四頭目は担いで、ダッシュで砦に帰る。
「お、大型の狼か。今日も魔法袋に入りきれなかったのか?」
「はい、運がよかったです。目付様、買取お願いします」
「よし、出せ」
「狼四頭です」
「うむ、今日もほとんど傷無。狼四頭合計二百四キログラムで四千八十銅貨だ、預り金でいいのか?」
「はい、預り金でお願いします」
「よし、現金預かり帳をだせ。今日の分を足して七千四百銅貨、通帳と元帳の金額は確認したか? なら拇印を押せ」
「はい、ありがとうございます」
さて、時間があるな。
晩飯の前に鍛錬するか?
うん?
アヤか?
・・・・・痛い!
なんだ?
胸が痛い。
刺すように痛む!
を、アヤが手を振ってくれてる。
うわ胸が早鐘の様にドキドキするよ!
手を振り返そう。
て、なんで胸の痛みが強くなるんだ?
まさか。
こいつ。
タケルの奴アヤが好きなのか?
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