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第2章
第23話:ゴブリン討伐・カチュア王太女視点
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シャルマン公爵家が私の討伐命令を受け入れました。
これで私の命令にシャルマン公爵家が従ったという前例が1つできました。
父のティンド国王の喜びようは驚くほどでした。
その一事で、シャルマン公爵家が王家にとってとても邪魔な存在だという事が、改めてよく分かりました。
「王太女殿下、シャルマン公爵家の領主軍は、三男のローガン殿が表向きの総大将となり、実質的な指揮はリドワーン様の傅役だったアーノルド殿が執られます。
ただ実際に最前線で戦うのは、シャルマン公爵の派閥に参加している貴族達です」
軍師役のフェリシティが詳しい状況を説明してくれました。
シャルマン公爵は、自分と新たな跡継ぎにしたジャスワンは絶対に安全な場所から動かず、リドワーン様に心を寄せる家臣を危険な最前線に送ったのです。
派閥の貴族達も、信用度の低いモノに危険な役目を命じたのです。
王国貴族ならこれくらいの決断が必要なのでしょうが、とても腹立たしく思ってしまうのは、私がまだ未熟だからでしょうか?
「王太女殿下、リドワーン様は民のためにその身を挺してゴブリンと戦われました。
とても誇り高い貴族であり、騎士の鏡でございます」
ジルナ伯爵領の冒険者ギルドマスターが教えてくれます。
リドワーン様の傅役だったアーノルドが指揮するシャルマン公爵軍は、その巧みな用兵でゴブリンの群れを殲滅し、ジルナ伯爵の領都を解放しました。
受けた損害は最小限で、アーノルドのような有能な指揮官は、シャルマン公爵家の家臣にしておくのはもったいないです。
アーノルドがシャルマン公爵家を離れる覚悟なら、私の直臣かリドワーン様の家臣として迎えましょう。
気が早いと言われるかもしれませんが、今からその為の領地を用意しておかないと、いざという時に間に合わなくなります。
内心そんな事を考えている私に、ジルナ伯爵領の冒険者ギルドマスターが滔々とリドワーン様の事を褒め称えています。
それはとてもうれしいのですが、今はそれよりも気になる事があるのです。
リドワーン様がどこにいるかという事です。
「今リドワーン殿がどこにいるのかは分かりません。
ただ口にされていたことを思い出すと、とても慎重な方だと思われます。
単独でゴブリンの大集落に挑むような無謀な方とは思われません。
しかしながら、ゴブリンの大集落を放置するような無責任な方でもない。
だから大魔境に潜んでゴブリンの大集落を監視していると思われます」
私が知っているリドワーン様とマスターの判断は一致しています。
リドワーン様はまず間違いなく大魔境の中にいます。
それもゴブリンの大集落周辺にいるはずです。
幸いリークン公爵軍を率いているのはアーノルドです。
内々にこの情報を教えて、ゴブリン大集落周辺の索敵をやらせましょう。
これで私の命令にシャルマン公爵家が従ったという前例が1つできました。
父のティンド国王の喜びようは驚くほどでした。
その一事で、シャルマン公爵家が王家にとってとても邪魔な存在だという事が、改めてよく分かりました。
「王太女殿下、シャルマン公爵家の領主軍は、三男のローガン殿が表向きの総大将となり、実質的な指揮はリドワーン様の傅役だったアーノルド殿が執られます。
ただ実際に最前線で戦うのは、シャルマン公爵の派閥に参加している貴族達です」
軍師役のフェリシティが詳しい状況を説明してくれました。
シャルマン公爵は、自分と新たな跡継ぎにしたジャスワンは絶対に安全な場所から動かず、リドワーン様に心を寄せる家臣を危険な最前線に送ったのです。
派閥の貴族達も、信用度の低いモノに危険な役目を命じたのです。
王国貴族ならこれくらいの決断が必要なのでしょうが、とても腹立たしく思ってしまうのは、私がまだ未熟だからでしょうか?
「王太女殿下、リドワーン様は民のためにその身を挺してゴブリンと戦われました。
とても誇り高い貴族であり、騎士の鏡でございます」
ジルナ伯爵領の冒険者ギルドマスターが教えてくれます。
リドワーン様の傅役だったアーノルドが指揮するシャルマン公爵軍は、その巧みな用兵でゴブリンの群れを殲滅し、ジルナ伯爵の領都を解放しました。
受けた損害は最小限で、アーノルドのような有能な指揮官は、シャルマン公爵家の家臣にしておくのはもったいないです。
アーノルドがシャルマン公爵家を離れる覚悟なら、私の直臣かリドワーン様の家臣として迎えましょう。
気が早いと言われるかもしれませんが、今からその為の領地を用意しておかないと、いざという時に間に合わなくなります。
内心そんな事を考えている私に、ジルナ伯爵領の冒険者ギルドマスターが滔々とリドワーン様の事を褒め称えています。
それはとてもうれしいのですが、今はそれよりも気になる事があるのです。
リドワーン様がどこにいるかという事です。
「今リドワーン殿がどこにいるのかは分かりません。
ただ口にされていたことを思い出すと、とても慎重な方だと思われます。
単独でゴブリンの大集落に挑むような無謀な方とは思われません。
しかしながら、ゴブリンの大集落を放置するような無責任な方でもない。
だから大魔境に潜んでゴブリンの大集落を監視していると思われます」
私が知っているリドワーン様とマスターの判断は一致しています。
リドワーン様はまず間違いなく大魔境の中にいます。
それもゴブリンの大集落周辺にいるはずです。
幸いリークン公爵軍を率いているのはアーノルドです。
内々にこの情報を教えて、ゴブリン大集落周辺の索敵をやらせましょう。
応援ありがとうございます!
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