婚約破棄され追放刑に処された公爵令嬢の暗殺を依頼されたけど、本物の聖女じゃね?

克全

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8話自由戦士カミーユ視点

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「やあ、待っていたよ。
 裏切者が処断されることは知っているね?
 君が本当に裏切ったのか確認したい」

 マクシムです!
 自由戦士ギルドでも突出した戦士です。
 私の知る限り、自由戦士ギルド一番の使い手です。
 その変幻自在な太刀筋は、相手に一合も刃をあわせさせず、一刀両断に斬り捨てるほどの達人です。

 マクシムは長巻きの使い手なのですが、普通でも重く巨大な長巻が、マクシム専用は常識外れに超特大なのです。
 焼き入れをおこった鋼鉄製の板金鎧と、同じく焼き入れをおこなった鋼鉄製の大盾を持った正規騎士を、大盾ごと一刀両断するほどの剛力なのです。
 正直勝てる気がしません。
 しかし時間稼ぎだけはしてみせます!

「待ってください!
 カミーユは裏切者ではありません。
 私を助けてくれたのです!
 王家と聖女に陥れられた私を助けてくれたのです!」

「それは、カミーユが暗殺の依頼を受けていたという事か?
 自由戦士ギルドが、修道院に送られることになった元聖女を暗殺する依頼を受けて、それをカミーユに実行させたという事か?」

「そうです。
 その通りです。
 最初に自由戦士ギルドの理念を裏切ったのは、自由戦士ギルドの幹部たちです。
 処断されるべきは自由戦士ギルドの幹部です」

 どうやら、私は賭けに勝ったようですね。
 自由戦士ギルドは腐り切ってはいなかったようです。
 私が所属していたところが腐っていただけです。
 いえ、分かっています。
 腐っているのではなく、生き延びるための必要悪です。
 今回は色々な条件が加わって、アジュナ嬢と私を暗殺するよりも、大損害を受けてもクロフォード王国と戦う方が自由戦士ギルドに利益があると判断したのでしょう。

 まあ、私がそうなるように誘導したのです。
 ですがこれが可能だったのは、アジュナ嬢に名声があったからです。
 積み上げてきた善行があったからです。
 それに比べて、王家や新聖女ラミアに全く善行がなかったからです。
 実際に敵対してみて、敵の愚かさには驚かされました。

「なるほどね。
 あんたの言い分は分かった。
 だが物事には色んな視点がある。
 あんたの言い分が全て正義だとは言い切れない。
 あんたは自分の正義をどうやって証明する?」

「私の過去の行いを調べてくださいとか、不可触民や貧民から話を聞いてください、と言うのではダメなのですか?」

「ダメだな。
 過去の事など、金を掴ませたり脅迫したりで、いくらでも偽証させられるかなら」

「だったら私と行動を共にしてくださいますか?
 貴男は自由戦士ギルドでも発言力があるのでしょ?
 貴男の目で確かめて自由戦士ギルドに証言するのが一番でしょう」
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