悪役令嬢の妹を助けたい、ただそれだけなんだ。

克全

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第一章

第53話:キャメロン王戴冠

 俺の国王戴冠式にも大陸中の王侯貴族が参加した。
 リアナに婚約を辞退させ、後に俺を激怒させたマライーニ王家からは国王夫婦が震えながら参加している。
 俺を激怒させた元凶のバクルー王家からも、国王夫婦が誰の目にも分かる不安と恐怖を顔に浮かべながらも、決死の覚悟で参加しているのには大笑いだ。

 両王家は俺からの招待状を無視することができなかったのだ。
 無視したら俺がバロン差し向けて両王家を皆殺しにする事は、馬鹿だって分かる事だから、周りの人間が逃げる事も隠れる事も絶対に許さない。
 まあ、俺としたら、侵攻占領する理由がなくなって残念なのは確かだ。
 でもまあ直ぐにまた難癖をつけて困らせてやるさ。

 だが今はまず俺の力を見せつける事が最優先だ。
 リアナに用意したモノ以上の道具を用意して、大陸中の王侯貴族を威圧する。
 俺が舞踏会や晩餐会に招待したら、絶対に断れないように脅かしておく。
 招待辞退が即滅亡につながるのだと、頭と心に刻み込んでやる。
 そのために予定より早く、しかも大公を飛び越えて国王になるのだ。

「キャメロン国王陛下の御入場」

「「「「「オオオオオ」」」」」

 会場中の王侯貴族が感嘆の声をあげている。
 リアナの時以上に豪華絢爛な王冠と鎧に驚愕しているのだろう。
 王冠と鎧は総オリハルコン製で、いかなる打撃も魔術も跳ね返すのが明らかだ。
 リアナの戴冠式の後で、オリハルコンの話が大陸中に広まっていたから、今回は全員が直ぐにオリハルコンだと理解できたのだろう。
 その総オリハルコン製の鎧に、これでもかというくらいの魔宝石が埋め込んであるから、魔力がない人間でも防御魔術を展開できる事が明らかだ。
 少しでも戦闘の事を学んでいれば、俺が不敗の存在だと一目でわかる。

 今回の戴冠式でも教会の介入を一切許さなかった。
 王冠を俺に戴冠させるのは教皇でも聖女でも枢機卿でもなく、妹のリアナ女王がやる事で、ラゼル一族が教会のかかわりを断固として拒絶しているのが分かるのだ。
 聖水や精油を頭にかける事もなければ、神に奉仕を誓わせる儀式も省いている。
 俺が誓う相手は、自分自身と貴族の誇りに対してだけだ。
 
「「「「「オオオオオ」」」」」

 リアナ女王が俺に宝剣と王笏、王杖と指輪を与える。
 その度に会場中から感嘆と羨望の歓声が広がる。
 宝剣の柄頭にはリアナ女王戴冠の宝剣に匹敵する金水晶が取り付けられている。
 鎧と同じく宝剣も総オリハルコン製なのは誰の目にも明らかだ。
 王笏と王杖も総オリハルコン製で巨大な魔宝石が飾られている。
 俺がリアナの時の王笏と王杖を使いまわしていない事が理解できるように、総オリハルコン製にして魔宝石の色も変えてある
 指輪もリアナ女王の時とは色違いの巨大な魔宝石でできている。
 これらのモノを見せつけられたら、もう誰も俺とリアナには逆らわないだろう。
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