悪役令嬢の妹を助けたい、ただそれだけなんだ。

克全

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第一章

第54話:舞踏会と晩餐会

 俺とリアナは毎日舞踏会と晩餐会を開催した。
 大陸中の王侯貴族全てを、そう何度も一度に招くわけにはいかないので、まずは近場の国王夫妻や大公夫妻を招いて、一人は独身の王族を連れて来てもらった。
 いくらなんでも露骨にリアナ女王の王配を選んでいるとは口にできないので、独身王族は男女どちらでも構わない事にしてある。

 だが、どこの国も俺とリアナ女王が独身な事は分かっている。
 俺に正妻を送り込むことができても、リアナ女王に王配を送り込むことができても、どちらにしてもいきなりバロンやズメイを差し向けられる危険が少なくなる。
 腐っても相手は一国の国王と王妃、あるいは女王と王配だ、俺やリアナ女王を怒らす可能性のある王族を連れてきたりはしない。

 祈るような想いで、リアナ女王に相応しい貴公子を探したが、残念ながらろくな相手がいないのだ。
 基本甘やかされている王族に、俺やリアナ女王が感心するような貴公子はいない。
 ラノベやアニメに出てくる質の悪い王侯貴族のようなモノは、国の命運がかかっている今回の舞踏会や晩餐会に連れてきたりはしていない。
 だが突出して優秀な者も、個性の強い者も参加していなかった。

 だから各国にはもっと個性的な人間を推薦するように伝えた。
 大陸中の噂を集めて、英雄豪傑や知者賢者を名指して連れて来て欲しいと伝えた。
 こちらから国の頭を飛び越して招待状を送ると、流石に国同士の関係が悪くなる。
 まあ、もう十分に畏れ嫌われているから今更だけどな。
 英雄豪傑と評判の連中を招待しては見たが、個性が強すぎて繊細なリアナ女王を傷つけてしまうかもしれないガサツな奴ばかりだった。
 知者や賢者や知者と呼ばれている者も、噂ほどは賢くはないく、むしろ能力を鼻にかける嫌な連中が多かった。

 そんな無駄にも思える事に六カ月も費やしてしまったが、リアナ女王に相応しい貴公子を探す出すためには仕方のない時間だった。
 大陸は結構広く、遠く離れた国から王侯貴族を招いて舞踏会や晩餐会を開くのは、結構な時間も莫大な費用もかかるのだ。
 俺が指定した期日に遅れるわけにもいかず、だからといって往復の旅費も滞在費も馬鹿にならず、何より仲の悪い国や治安の悪い国を通過するのは命懸けなのだ。
 大陸中の王侯貴族が消極的になるのも仕方がない事だ。

 だが何としてもリアナ女王に相応しい貴公子を探しだいたいから、護衛のために魔獣やズメイ人を派遣する事もあった。
 金のない王侯貴族には、往復費用と滞在費に見合う交易を保証した。
 それが俺に敵意を持つ王侯貴族には、俺に忠誠を誓う属国や貴族からの進貢と、俺が忠誠を誓う属国や貴族に回賜を与えているように見えたのかもしれない。

 俺は別に朝貢をさせる気などないのだが、大陸での俺への評判がドンドン悪くなっていき、警戒する王侯貴族が増えていった。
 俺は近親婚を避けたい一心だったのだが……
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