悪役令嬢の妹を助けたい、ただそれだけなんだ。

克全

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第一章

第81話:準備

 大陸の国々が同父同母結婚を認めるまでの間に、色々準備をした。
 リアナの精神を安定するためにしなければいけない。
 俺が本気で治療を行うと、死者が極端に少なくなる。
 豊かな者は俺の治療を求めて移民して来る可能性がある。
 そんな人間を引き受けるだけの施設が必要になる。

 俺とリアナが生きている間の食糧はいい。
 大魔境を利用してほぼ無尽蔵に穀物や野菜を作れる。
 だが俺とリアナの子供の代になった時に大丈夫とは言えない。
 子供に食糧生産魔術を伝える事はできる。
 だが伝えるに相応しい子供が生まれてくれるとは限らない。
 
 しかしだからと言って国民を見殺しにはできない。
 国民が餓える事も凍えることも戦争に怯えることもない国にしたい。
 それが俺の嘘偽りのない気持ちだ。
 だからまず地の底にまで届きそうな深く広い濠に守られた都市を創る。
 濠に使った土は圧縮強化して都市の壁にする。
 それで安全な巨大マンションのような都市を創り出すのだ。

 人間が生きていくのに必ず必要なのは水と食糧だ。
 それを限られた都市の空間内で作るには、魔力の補助が必要になる。
 その魔力を都市の住民から集めるための魔法陣を都市内に張り巡らせる。
 その魔力を使って水を作り、その水で食用の苔や果物を作るのだ。
 都市内の内壁が果樹や苔でできていると思ってくれればいい。

 都市はマンションのように個人や家族が住める空間に区割りする。
 マンションの床や壁、天井を利用した食糧生産はどうしても草食になる。
 だから糞尿の処理も兼ねてスライムを飼う。
 ただ直接糞尿を食べたスライムを食料にするのは気分的に嫌だろう。
 それにスライムはそれほど美味しい食材ではない。
 だからスライムを食べる鶏や豚を飼ってそれを食べるのだ。

 特に鶏を飼うと高価な卵を毎日食べられることにもなる。
 それに鶏はスライムを必ず与えなければいけない訳ではない。
 マンションの部屋で収穫できる苔や果物でも飼う事ができる。
 住民の人数と魔力量次第だが、そこそこの穀物生産部屋を設ければいい。
 それにスライムからは魔力を集める事が可能だ。
 
 魔力を重視するのなら、マンション内で飼う家畜は魔獣や魔蟲の方がいい。
 魔鶏や魔飛蝗、魔鼠や魔蜘蛛ならとても美味しい食材になる。
 マンション全てに配るとなると相当な数が必要になる。
 その為には今から大魔境で集めて数を揃えないといけない。
 そんな事を考えていると。

「また一人で何かなさろうしているのですか、兄上様。
 私にも手伝わさせてください。
 また一人で留守番をさせられるのは嫌でございます」

 やれ、やれ、仕方がない、リアナと一緒にやるか。
 リアナにもマンション都市の創り方を教えてた方がいいだろう。
 俺に何時が起こるか分からない。
 そもそも俺が記憶を残したままこの世界に転生した事自体が奇跡なのだから。
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