11 / 29
10話
「本気で言っているのか?
そんな話が通ると本気で思っているのか?
だとしたらお前に次期当主の座は与えられん。
そんな甘い考えでは、オールトン侯爵家を護っていくことなど不可能だ!」
「そんな事はありません。
王家もウェルズリー侯爵も認めるはずです。
我が家の分家も認めるしかないでしょう」
アレクサンダー様と私は、全面的にクロエの助言に従う事にしました。
それほど的確の助言だったのです。
私にとっては、アレクサンダー様と一緒にいられるだけで幸せなのです。
それを邪魔されないようにしたいのです。
アレクサンダー様の安全を確保したいのです。
クロエの助言は、それをかなえてくれる最高の策だと思えたのです。
私はウェルズリー侯爵家に何の未練もありませんから、オールトン侯爵家から交渉する事にしました。
ウェルズリー侯爵を説得して、分家がアレクサンダー様を狙わないようにする事が一番だからです。
最低でも私が子供を殺した分家を黙らせ、味方にする必要があったのです。
「確かに、分家の子を猶子にして序列をつけておけば、お前たちに子供が生まれなかった時に、家督争いになるのを防ぐことはできる。
子供を殺された分家も、怒りを抑えてお前たちを襲わないだろう。
だが王家とウェルズリー侯爵が認めるとは思えん」
「それは大丈夫です。
ウェルズリー侯爵は正室のイヴリン王妹に気を使っていますが、それは王家の血と縁を大切にしているだけです。
イヴリン王妹を愛しているわけではありません。
次代の後継者に王家から正室を迎えればいい事です。
私とソフィアが生きている間は、王家との血と縁が生きているのですから、何の問題もありません」
オールトン侯爵は真剣に考えています。
これが人生の岐路です。
思わずアレクサンダー様の手を探ってしまいました。
アレクサンダー様はビックリされて、私の方に顔を向けられました。
でも直ぐに優しい笑みを浮かべて下さって、私の手を握り返してくださいました。
あまりの嬉しさに、胸が張り裂けそうになるほど心臓が大きく鼓動しました。
以前の私なら、臆病になってしまって、自分から手を握りに行くなんて絶対にできませんでした。
でも、心を失っている間に、あれほど恥ずかしい姿をあらわにして、全てのお世話をして頂いていた記憶があるのです。
しもの世話までしたいただいたのです。
もうなにも恥ずかしく思う事などありません。
「分かった、分かった。
国王陛下とウェルズリー侯爵に話してみよう。
だがお前たちの思い通りになるとは限らんぞ。
場合によっては王家から刺客は送られる事を覚悟しておけ」
アレクサンダー様と私が手を恋人繋ぎしているのを見て、オールトン侯爵が苦笑いされながら念押しされました。
そんな話が通ると本気で思っているのか?
だとしたらお前に次期当主の座は与えられん。
そんな甘い考えでは、オールトン侯爵家を護っていくことなど不可能だ!」
「そんな事はありません。
王家もウェルズリー侯爵も認めるはずです。
我が家の分家も認めるしかないでしょう」
アレクサンダー様と私は、全面的にクロエの助言に従う事にしました。
それほど的確の助言だったのです。
私にとっては、アレクサンダー様と一緒にいられるだけで幸せなのです。
それを邪魔されないようにしたいのです。
アレクサンダー様の安全を確保したいのです。
クロエの助言は、それをかなえてくれる最高の策だと思えたのです。
私はウェルズリー侯爵家に何の未練もありませんから、オールトン侯爵家から交渉する事にしました。
ウェルズリー侯爵を説得して、分家がアレクサンダー様を狙わないようにする事が一番だからです。
最低でも私が子供を殺した分家を黙らせ、味方にする必要があったのです。
「確かに、分家の子を猶子にして序列をつけておけば、お前たちに子供が生まれなかった時に、家督争いになるのを防ぐことはできる。
子供を殺された分家も、怒りを抑えてお前たちを襲わないだろう。
だが王家とウェルズリー侯爵が認めるとは思えん」
「それは大丈夫です。
ウェルズリー侯爵は正室のイヴリン王妹に気を使っていますが、それは王家の血と縁を大切にしているだけです。
イヴリン王妹を愛しているわけではありません。
次代の後継者に王家から正室を迎えればいい事です。
私とソフィアが生きている間は、王家との血と縁が生きているのですから、何の問題もありません」
オールトン侯爵は真剣に考えています。
これが人生の岐路です。
思わずアレクサンダー様の手を探ってしまいました。
アレクサンダー様はビックリされて、私の方に顔を向けられました。
でも直ぐに優しい笑みを浮かべて下さって、私の手を握り返してくださいました。
あまりの嬉しさに、胸が張り裂けそうになるほど心臓が大きく鼓動しました。
以前の私なら、臆病になってしまって、自分から手を握りに行くなんて絶対にできませんでした。
でも、心を失っている間に、あれほど恥ずかしい姿をあらわにして、全てのお世話をして頂いていた記憶があるのです。
しもの世話までしたいただいたのです。
もうなにも恥ずかしく思う事などありません。
「分かった、分かった。
国王陛下とウェルズリー侯爵に話してみよう。
だがお前たちの思い通りになるとは限らんぞ。
場合によっては王家から刺客は送られる事を覚悟しておけ」
アレクサンダー様と私が手を恋人繋ぎしているのを見て、オールトン侯爵が苦笑いされながら念押しされました。
あなたにおすすめの小説
七年目の裏切り 〜赴任先の夫から届く愛の手紙は、愛人の代筆でした〜
恋せよ恋
恋愛
「君は僕の最愛だ。もう二度と、君を危険に晒したくない」
命懸けの出産後、涙を流して私を抱きしめた夫ジュリアン。
その言葉通り、彼は「私を大切にするため」に夜の営みを断った。
私は、女としての寂しさを「愛されている誇り」に変え、
隣国へ赴任した夫を信じて二人の子供と家を守り続けていた。
毎週届く、情熱的な愛の手紙。タイプライターで綴られた
その愛の言葉を、私は宝物のように抱きしめていた。
……しかし、その手紙は「裏切り」だった。
夫が異国の地で、愛人と肌を重ねながら綴らせていた「偽りの愛」。
身分を隠して夫の赴任先の隣国へと向かった私が見たのは……。
果たして、貞淑な妻・メラニアが選んだ結論は……。
子供たちのため結婚生活の継続か、それとも……。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
【完結】潔く私を忘れてください旦那様
なか
恋愛
「子を産めないなんて思っていなかった
君を選んだ事が間違いだ」
子を産めない
お医者様に診断され、嘆き泣いていた私に彼がかけた最初の言葉を今でも忘れない
私を「愛している」と言った口で
別れを告げた
私を抱きしめた両手で
突き放した彼を忘れるはずがない……
1年の月日が経ち
ローズベル子爵家の屋敷で過ごしていた私の元へとやって来た来客
私と離縁したベンジャミン公爵が訪れ、開口一番に言ったのは
謝罪の言葉でも、後悔の言葉でもなかった。
「君ともう一度、復縁をしたいと思っている…引き受けてくれるよね?」
そんな事を言われて……私は思う
貴方に返す返事はただ一つだと。
【完結】「元カノが忘れられないんでしょう?」と身を引いた瞬間、爽やか彼氏の執着スイッチが入りました
恋せよ恋
恋愛
「元カノが忘れられないなら、私が身を引くわくべきよね」
交際一周年、愛するザックに告げた決別の言葉。
でも、彼は悲しむどころか、見たこともない
暗い瞳で私を追い詰めた。
「僕を捨てる? 逃げられると思っているの、アン」
私の知る爽やかな王子の仮面が剥がれ落ち、
隠されていた狂おしいほどの独占欲が牙を剥く。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
「あなたは強いから大丈夫よね」、無自覚に人生を奪う姉
恋せよ恋
恋愛
「セリーヌは強いから、一人でも大丈夫よね?」
婚約破棄され「可哀想なヒロイン」となった姉カトリーヌ。
無自覚で優しい姉を気遣う両親と『私の』婚約者クロード。
私の世界は反転した。
十歳から五年間、努力で守ってきた「次期後継者」の座も。
自分に誂えた「ドレス」も……。「婚約者」さえも……。
両親は微笑んで言う。
「姉様が傷ついているの強いお前が譲ってあげなさい」と。
泣いて縋れば誰かが助けてくれると思っているお姉様。
あとはお一人で頑張ってくださいませ。
私は、私を必要としてくれる場所へ――。
家族と婚約者を見限った、妹・セリーヌの物語。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
図書塔で恋した貴方は、親友の寝室で過ごす 〜留学中に不貞を働いた二人へ。身分目当ての貴方たちは勝手に没落してください〜
恋せよ恋
恋愛
偶然の出会いから親友となったティファニーとマーガレット。
伯爵家嫡子ティファニーは、男爵令嬢マーガレットの紹介で、
彼女の幼馴染のジャスティン子爵家次男と真剣な恋に落ちる。
三歳年上の婚約者のいるマーガレットは、二人を見つめて思う。
「あら、ジャスティンって、カッコ良かったのね。失敗したかも」
そこで、優秀なティファニーが隣国へと留学中の半年間、
ジャスティンを誘惑し、背徳の関係に溺れていく。
そんな親友+婚約者未満の恋人+優秀な伯爵令嬢の物語。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
氷の令嬢は愛を請わない - 捨て子の『義妹』に愛も家族も奪われたマリーローズの逆襲
恋せよ恋
恋愛
銀髪紫眼の美貌の侯爵令嬢、マリーローズ。
完璧な淑女に育った彼女だったが、母は捨て子ジュリエットを寵愛。
婚約者の公爵家嫡男アレックスも、友人も、次々に奪われる――。
家族に裏切られ、すべてを失った彼女が下した決断は、
家族を見かぎり、国を捨て、自らの人生を取り戻すこと。
理不尽な悲恋を力に変え、運命をひっくり返す令嬢の逆転劇!
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
「義妹に譲れ」と言われたので、公爵家で幸せになります
恋せよ恋
恋愛
「しっかり者の姉なら、婚約者を妹に譲ってあげなさい」
「そうだよ、バネッサ。君なら、わかるだろう」
十五歳の冬。父と婚約者パトリックから放たれた無慈悲な言葉。
再婚相手の連れ子・ナタリアの図々しさに耐えてきたバネッサは、
その瞬間に決意した。
「ええ、喜んで差し上げますわ」
将来性のない男も、私を軽んじる家族も、もういらない。
跡継ぎの重責から解放されたバネッサは、その類まれなる知性を見込まれ、
王国の重鎮・ヴィンセント公爵家へ嫁ぐことに。
「私は、私を一番に愛してくれる場所で幸せになります!」
聡明すぎる令嬢による、自立と逆転のハッピーエンド。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
婚約者は妹のような幼馴染みを何より大切にしているので、お飾り妻予定な令嬢は幸せになることを諦めた……はずでした。
待鳥園子
恋愛
伯爵令嬢アイリーンの婚約者であるセシルの隣には『妹のような幼馴染み』愛らしい容姿のデイジーが居て、身分差で結婚出来ない二人が結ばれるためのお飾り妻にされてしまうことが耐えられなかった。
そして、二人がふざけて婚姻届を書いている光景を見て、アイリーンは自分の我慢が限界に達そうとしているのを感じていた……のだけど!?