地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。

克全

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第一章

第27話:岩浴槽とホルモンと飯盒炊飯

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「小休止、注目!」

 俺がそう言うと、女子供と犯罪者奴隷達がぴたりと止まった。

「これから新しい仕事を覚えてもらう。
 高位貴族達だけが食べている、超高級食材、内臓を奇麗にする作業だ」

「「「「「……」」」」」」

 解体が終わるのを待つ間、関所砦冒険者ギルドのデピュティマスターから色々な話を聞いた。

 その中に、ほとんどの平民が冒険者ギルドに登録しているという話があった。
 ダンジョンはもちろん普通の森で狩った獲物も、集めてきた枯れ枝や野草まで、四割の税を納めなければいけない。

 その税の徴収と転売まで冒険者ギルドの役割なのだそうだ。
 地球のように、農民が作る作物から税を徴収すればいい訳ではないのだ。
 商人が他の領地から持ち込む商品に目を光られるのは当然だな。

 話はそれたが、木片級冒険者として登録している平民は、虫や鳥、小型の草食獣などだけを狙って狩っているそうだ。

 虫の話はおいといて、元の世界の小さなネズミやリス、スズメのような小鳥だと、内臓を部位に分けて美味しく食べるなどありえない。

 鉄片級や銅片級くらいの実力になり、専業の冒険者となった者も、偶然強大な獣や魔獣に遭遇する事にない、ダンジョンだけで狩りをすると言う。
 美味しい内臓を食べる機会など全く無いそうだ。

「お前達には分からに事だが、俺が望んでいるのだ。
 いいか、よく聞け、お前達が洗った内臓は、俺が喰うんだ!
 少しでも糞尿が残り、臭いと感じたら、殺す!」

「「「「「ヒィイイイイイ!」」」」」

 ほんの少し殺気を放つと、犯罪者奴隷達が震え上がった。

「今から内臓を奇麗に洗う場所と道具を造る」

「座れる段差があって、全身を横にできて、溺れるほど深くなく、水を捨てるための排水口と蓋がある、上で暴れても壊れない頑丈な浴槽五十個を造る。
 コンプレッスィヴ・ストゥレンサニング・ソイル・ビッグ・バスタブ」

 俺は明確なイメージを思い浮かべながらバスタブを造った。
 
「「「「「ヒィイイイイイ!」」」」」

 まだ俺の魔術に慣れない犯罪者奴隷達は悲鳴を飲む込むほど驚いている。
 女子供達は少し慣れてきたのか、驚きは少ない。

 ポルトスに至っては、大鼾をかいて寝たままだ。
 女子供のために、長く夜の見張りをしていたから仕方がないのだが……

 周囲の土を圧縮強化して出来上がったバスタブは……

満水量:1750リットル1750リットル
外寸法:2795ミリ×1598ミリ×600ミリ
内寸法:2595ミリ×1398ミリ×300ミリ
底寸法:2440ミリ×1098ミリ×500ミリ

 浴槽の中で楽々と寝そべられる大きさだ。
 内臓を洗う時に、三人で一緒に作業できる広さでもある。

「今からどうやって洗うかを教える、しっかりとやれ!」

「「「「「はっ!」」」」」

 俺は自分の知る限りの洗い方を教えた。
 単に奇麗にするだけでは駄目なのだ。
 美味しくなるように奇麗にしなければいけない。

 四十九個のバスタブで、ハツ、ミノ、センマイ、マルチョウ、シマチョウ、フワ、白コロ、テッポウ、レバー、マメ等の部位別に分けた内臓を洗わせる。

 内臓の数に比べてバスタブの数が多いので、俺がいなくて水の入れ替えができない間は、二度目三度目とバスタブを変えて洗うように命令した。

 残る一個のバスタブだけは、駐屯場所から少し離れた森の中に造った。
 他人の目を気にせずゆっくりと入浴するためだ。
 とはいえ、ある程度の見晴らしは欲しい。

「見晴らしの邪魔になる、バスタブの周囲、半径十メートルの木々を風魔術で伐採しろ。
 ツリー・ディフォレステイション・ウィンド・マジック」

 一瞬で周囲の木々が伐採されるが、倒れる時が危ない。
 だから全部倒れる前に収納する。
 本当なら伐採した木々の四割も納税しなければいけないが、無視。

「浴槽一杯に水を貯めろ。
 ウォーター」

「俺が大好きな温度、四十度くらいになる火を入れる。
 ファイア」

 あっという間に心地良い温度のお風呂になる。
 いそいそという表現は恥ずかしいが、そうとしか言えない心境で服を脱ぎ、たっぷりとお湯の入ったバスタブに入る。

「あ~、極楽、極楽」

 何も考えず、五分ほど心地よい湯に浸る。
 が、徐々に物足らなくなってくる。
 銭湯や温泉の達人ほどではないが、少し温度が高い方が好きなのだ。

「俺が好きな四十四度くらいまで、十分くらいかけてゆっくりと温度を上げろ。
 ファイア」

 俺は自分と反対側の端、間違っても火傷しない場所に、火の玉や鬼火のような火魔術を待機させて水温を上げさせる。

 五分ほど浸かって、汗や垢が噴き出した気になった頃に浴槽からでる。
 ネットスーパーでフェイスタオルと石鹸とシャンプーリンスを買う。

 気分が良いので値段も数も気にせず一番上位に出た物を買う。
 百や千の大量買いで構わない。
 今使わない分は収納しておけばいい。

 絶対に忘れてはいけないのが糸瓜タオルだ!
 皮膚に悪いという人もいるが、俺はこれでゴシゴシするのが大好きなのだ!

 気分爽快!
 そう叫びたくなる心地になれたら、もう一度追い焚きしながら入浴。
 満足するまで浸ったら、バスタオルを買って身体を拭く。

 皆が作業している場所に戻るまでに一時間くらいかかった。
 心身をリフレッシュするのにそれくらいかかっていた。

「そのまま作業を続けろ。
 きれいに洗い終わっている物は収納する。
 まだ洗い足らない物は水を入れ替えるから排水口を開けろ」

「「「「「はっ!」」」」」

 ハツやレバーといった、比較的早く奇麗にできる部位を収納していく。
 糞尿や消化液の関係で、丁寧に何度も洗わなければいけない物は、水を入れ替えたバスタブでもう一度洗わせる。

「これから新しい麦の調理方法を教える。
 粥よりも美味しいから、よく覚えるように。
 料理に必要な道具は貸し出す。
 最初は必ず失敗するから、失敗しても気にするな。
 この前のように、失敗した分は食べていい」

「きゃあああああ、うれしい!」
「新しい麦料理ですって、うれしい!」
「え、むぎがゆじゃないの、むぎがゆよりもおいしいの?」

 これから色々な料理を覚えてもらうなら、良い道具が必要だ。
 お金ならサクラが稼いでくれるから幾らでもある。

和鉄ダッチオーブン3万4100円
サイズ:リッド/W316mm×D268mm×H56mm
   :スキレット/W316mm×D268mm×H59mm
   :ポット/直径268mm×H120mm(ツル含まず)
材質 :本体/ダクタイル鋳鉄(耐熱シリコン塗装)、ツル/ステンレス
重量 :7.9kg(リッド/2.6kg、スキレット/2.4kg、ポット/2.9kg)
セット:リッド、スキレット、ポット
満水量:スキレット/2.5L、ポット/5.3L(満水時)

和鉄ダッチオーブン3万4100円×10個=34万1000円

 性能は良いし大量に炊けるけど、重すぎる。
 これでは女子供の持ち運ばせるのは難しい。

 俺がいる間は良いが、いなくなった時に便利な道具になれていると困る
 携帯できて、この世界の技術でも再現できる道具がいい。

 昔キャンプに行った時に使った飯盒が良いだろう。

 燃料や時間などを考えれば、パーティーメンバー全員分の飯が炊ける大型の飯盒の方が良いのだが、何かあって独りになる事も考えれば、個人用もいい。

 考えに考えて、少し大きいが、個人で携帯しても邪魔にならない飯盒を選んだ。

中蓋付き丸型飯盒999円
素材 :アルミニウム
サイズ:15×15×14cm
重量 :340g
容量 :1・8L(3合炊き)

アルミニウム中蓋付き丸型飯盒999円×400個=39万9600円
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