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第一章
第42話:女子供定番の朝食
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昨日は男達だけでなく女子供にも残業をさせた。
俺も、余計な仕事をする事になった。
作らせた物を保管する亜空間魔術を微調整しなければいけなかった。
「亜空間魔術・各種収納方法」
パントリー:食料品の時間を止めて保管する。
ウエアハウス:時間経過しても構わない大型の家具や道具を収納。
ツールボックス:細々とした道具を、直ぐに取り出せるように種類別に収納。
ラージボックス:それなりに大きな道具を含む、一つに仕事に必要な物を収納。
アイテムボックス:大切な武器や防具など、アイテムの時間を止めて保管する。
自分が使う時だけ分けて保管していたのを、前回アイスロイヤルミルクティを作った時に、他の人間のためにも亜空間を常時発動する事にした。
女子供はもちろん男達も班ごとに細かく分けて保管した。
熱々のまま保管したい物は時間を止めたタイムボックスに保管した。
熟成させたい物など、腐らせたくはないが時間は止めたくない物、近々に使う予定の有る物は冷蔵のリフリジェレイタに保管した。
理由は水と小麦粉が溶ける時間を稼ぐためだった。
急な事に慌ててしまったのか、パンケーキミックスを最初に思いつけなかった。
だから、お好み焼きの準備をさせてしまったのだ。
キャベツ1箱約10kg=3207円×100=320700円
寸胴に小麦粉と水を入れてダマができないように混ぜさせた。
キャベツを千切りやみじん切りにさせている時に、最初からパンケーキミックスを使わせればよかったと、ようやく思いついたのだ。
言い訳をさせてもらえれば、俺はパンケーキが好きではない。
基本、甘いモノ全般を食べてこなかった。
だから、お好み焼きの生地にメレンゲをつけて食べさせようと思ってしまった。
急いでネットスーパーを調べると、簡単に焼ける粉が有った。
今度こそ冷静になって間違えるなと自分に言い聞かせた。
最初にホットケーキミックスで調べたが、パンケーキミックスという言葉もあると思いだし、調べ直した結果。
知っているメーカーの物と知らないメーカーの物があった。
どちらも、アルツハイマーや幼児の神経系の疾患の原因になるかもしれないと言われている、アルミニウムは不使用だ。
メーカーではない方には口コミがある。
甘過ぎないとあるし、焼いた物を冷凍してから解凍しても美味しいとある。
だが死ぬ前に、金を払って口コミを書かせる業者もあると聞く。
やはり信頼と実績のメーカーの物を買う
パンケーキミックス450g×10袋=6450円×10=64500円
卵と牛乳、バターとメイプルシロップが必要だから買う。
牛乳には色々種類やメーカーがあるが、ついでだから少々高くてもパンケーミックス同じメーカーの牛乳にする
Lサイズ白卵150個と割れ保証=6000円×10箱=60000円
ロングライフ牛乳3.6牛乳 (1000ml×12本)=4445円×100=444500円
メイプルシロップ130g(100ml)×24本=21722円=10=217220円
業務用25Kgメイプルシロップダーク/ロバストテイスト=51980円
バターもメーカーの物にしようかと思ったが、前回買ったバターがまだ大量にあるので、それを食べてもらう事にした。
自分用の作り置きだけでなく、女子供や男達用の作り置きや作りかけも多くなっているので寸胴鍋も買い足す。
165Lの寸胴10万3664円×50個=5183200円
「いいか、料理係はしっかりと見ておけよ。
最初に卵と牛乳を入れて混ぜるんだぞ。
次にこの粉を入れて、ダマ、粉の塊が残らないように混ぜるんだぞ。
きれいに混ぜ終わったら、しばらく置いておくんだ。
よし、粉を混ぜ終わったら一度集まれ。
焼き方を実際にやって見せるぞ」
俺がそう言うと、女子供と男達が集まって来た。
最も近い位置に護衛騎士、次に女子供と自然に身分差がでてくる。
「混ぜた粉を置いておく間に、熱したフライパンに油を敷くんだ。
フライパンの温度は熱すぎちゃダメだぞ。
これくらいの火かげんで安定させろ。
四枚に分けて焼くからな。
このくらいの量ずつフライパンに入れるんだ。
これくらいの時間経つと、表面に大きな泡がでてくる。
出てきたらこうして裏返す。
裏返したらこれくらい焼いて完成だ。
焼けたら熱いうちに持ってこい、俺に魔術で保管してやる。
分かったか、分かったら焼き始めろ。
焼けば焼くほど上手になるからな。
少々焦がしても良いが、生焼けだけは駄目だぞ」
「パンケーキのレシピ」
パンケーキミックス:1500g
卵 :Lサイズ10個
牛乳 :1000ml
サラダ油 :適量
昨日は本当に色々とあった。
今こうして焼きあがったホットケーキを皆に配っていて、しみじみと思い出す。
「おいしいわ、こんな甘いものを食べたの生まれて初めて!」
「本当ね、こんな甘くて美味しい物、食べた事がなかったわ」
「その白い物、砂糖という甘いものと卵の透明な所を使っているのよね?」
「おいしい、すごくおいしい、まいにちたべたい」
「ふわぁあ、ふわふわで、甘くて、とんでもなく美味いぞ!」
「こんな美味しい食べ物があるなんて!」
「何枚でも食べられるぞ!」
「妻と子供にも食べさせてやりたい!」
「ショウ殿、毎食本当にありがとう。
これほど美味しいものを食べられるとは思ってもいなかった」
オセール伯爵は夜も城に戻らなかった。
最低限の礼儀作法しか守らないエティション伯爵に気を使わなかった。
普通なら関係を改善するために、形だけの誘いに気がつかない振りをして図々しく食事に応じ、相手に利を与える。
別に関係が悪くなっても構わないと思っているようだ。
エティション伯爵よりも俺との関係を優先しようとしている。
いや、もしかしたら、美味しい料理に優先順位を間違えているのか?
「気になされないでください、閣下。
それよりもこれからの行程をどうされるのですか?」
「昨日の事もあるから、普通なら訪問先の貴族に先触れの使者を送って謁見の許可と日程を尋ねるのだが、今回はこれまで通りにする。
ショウ殿がいてくれるなら、野営になろうと何の心配もいらないからな」
「普通は、安全な都市で待機しながら謁見許可を待つのですね?」
「ああ、そうなのだ。
訪問先の貴族に悪意があれば、先触れがないと因縁をつけて、都市に入る事さえ拒否する場合がある。
今回は王家への献上品があるし、兄上が事前に訪問を知らせてくれているから、そこまでの酷い扱いはないと思うが、ナミュール侯爵のような奴もいる」
「では、昨日言っていた通り、朝食後直ぐに野営地を立つので宜しいのですね?」
「ああ、そうしてくれ」
俺はパンケーキを食べずに自分の好きな物を食べている。
朝から甘いパンケーキは食べたくない。
クロワッサンとカフェオレ、玉子料理とベーコンが食べたかったのだ。
甘い食事が嫌だという訳ではない。
クロワッサンにも独特の甘みがあるし、揚げパンも大好きだ。
チョココロネやカスタードクリーム入りの菓子パンも好きだ。
伯爵のように、一枚半枚ごとに食べ方を変えるのも悪くないだろう。
バターから初めて、メイプルシロップ、メレンゲとつける物を変える。
最後の四枚目に三つ全部かけて楽しみたい気持ちは、俺にも分かる。
だが、ポルトスの気持ちは分からない。
いや、絶対に分かりたくない。
もうあいつにマヨネーズを与えるのを止めるか?
……しかし、甘いものがそれほど好きではない男がいるのはしかたがない。
伯爵や女子供ほど食べるのが早くない。
美味しいと喜んでくれてはいるが、女子供ほどではないのだろう。
定番はパンケーキよりも別の朝食の方が良いのかもしれない。
それに、普通なら夜に麦飯を炊いて熱々を食べ、朝昼は冷めた麦飯と他の何かだ。
パンケーキは女子供のためのご褒美にしよう。
★★★★★★お願いです。
6月1日から始まる第9回歴史・時代小説大賞に「山田奉行所の支配組頭と伊勢講の御師宿檜垣屋」という作品で参加しています。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/672198375/142732328
読者賞を狙いたいので、試し読みとお気に入り登録をお願いします。
できましたら、投票もして頂けたらありがたいです。
俺も、余計な仕事をする事になった。
作らせた物を保管する亜空間魔術を微調整しなければいけなかった。
「亜空間魔術・各種収納方法」
パントリー:食料品の時間を止めて保管する。
ウエアハウス:時間経過しても構わない大型の家具や道具を収納。
ツールボックス:細々とした道具を、直ぐに取り出せるように種類別に収納。
ラージボックス:それなりに大きな道具を含む、一つに仕事に必要な物を収納。
アイテムボックス:大切な武器や防具など、アイテムの時間を止めて保管する。
自分が使う時だけ分けて保管していたのを、前回アイスロイヤルミルクティを作った時に、他の人間のためにも亜空間を常時発動する事にした。
女子供はもちろん男達も班ごとに細かく分けて保管した。
熱々のまま保管したい物は時間を止めたタイムボックスに保管した。
熟成させたい物など、腐らせたくはないが時間は止めたくない物、近々に使う予定の有る物は冷蔵のリフリジェレイタに保管した。
理由は水と小麦粉が溶ける時間を稼ぐためだった。
急な事に慌ててしまったのか、パンケーキミックスを最初に思いつけなかった。
だから、お好み焼きの準備をさせてしまったのだ。
キャベツ1箱約10kg=3207円×100=320700円
寸胴に小麦粉と水を入れてダマができないように混ぜさせた。
キャベツを千切りやみじん切りにさせている時に、最初からパンケーキミックスを使わせればよかったと、ようやく思いついたのだ。
言い訳をさせてもらえれば、俺はパンケーキが好きではない。
基本、甘いモノ全般を食べてこなかった。
だから、お好み焼きの生地にメレンゲをつけて食べさせようと思ってしまった。
急いでネットスーパーを調べると、簡単に焼ける粉が有った。
今度こそ冷静になって間違えるなと自分に言い聞かせた。
最初にホットケーキミックスで調べたが、パンケーキミックスという言葉もあると思いだし、調べ直した結果。
知っているメーカーの物と知らないメーカーの物があった。
どちらも、アルツハイマーや幼児の神経系の疾患の原因になるかもしれないと言われている、アルミニウムは不使用だ。
メーカーではない方には口コミがある。
甘過ぎないとあるし、焼いた物を冷凍してから解凍しても美味しいとある。
だが死ぬ前に、金を払って口コミを書かせる業者もあると聞く。
やはり信頼と実績のメーカーの物を買う
パンケーキミックス450g×10袋=6450円×10=64500円
卵と牛乳、バターとメイプルシロップが必要だから買う。
牛乳には色々種類やメーカーがあるが、ついでだから少々高くてもパンケーミックス同じメーカーの牛乳にする
Lサイズ白卵150個と割れ保証=6000円×10箱=60000円
ロングライフ牛乳3.6牛乳 (1000ml×12本)=4445円×100=444500円
メイプルシロップ130g(100ml)×24本=21722円=10=217220円
業務用25Kgメイプルシロップダーク/ロバストテイスト=51980円
バターもメーカーの物にしようかと思ったが、前回買ったバターがまだ大量にあるので、それを食べてもらう事にした。
自分用の作り置きだけでなく、女子供や男達用の作り置きや作りかけも多くなっているので寸胴鍋も買い足す。
165Lの寸胴10万3664円×50個=5183200円
「いいか、料理係はしっかりと見ておけよ。
最初に卵と牛乳を入れて混ぜるんだぞ。
次にこの粉を入れて、ダマ、粉の塊が残らないように混ぜるんだぞ。
きれいに混ぜ終わったら、しばらく置いておくんだ。
よし、粉を混ぜ終わったら一度集まれ。
焼き方を実際にやって見せるぞ」
俺がそう言うと、女子供と男達が集まって来た。
最も近い位置に護衛騎士、次に女子供と自然に身分差がでてくる。
「混ぜた粉を置いておく間に、熱したフライパンに油を敷くんだ。
フライパンの温度は熱すぎちゃダメだぞ。
これくらいの火かげんで安定させろ。
四枚に分けて焼くからな。
このくらいの量ずつフライパンに入れるんだ。
これくらいの時間経つと、表面に大きな泡がでてくる。
出てきたらこうして裏返す。
裏返したらこれくらい焼いて完成だ。
焼けたら熱いうちに持ってこい、俺に魔術で保管してやる。
分かったか、分かったら焼き始めろ。
焼けば焼くほど上手になるからな。
少々焦がしても良いが、生焼けだけは駄目だぞ」
「パンケーキのレシピ」
パンケーキミックス:1500g
卵 :Lサイズ10個
牛乳 :1000ml
サラダ油 :適量
昨日は本当に色々とあった。
今こうして焼きあがったホットケーキを皆に配っていて、しみじみと思い出す。
「おいしいわ、こんな甘いものを食べたの生まれて初めて!」
「本当ね、こんな甘くて美味しい物、食べた事がなかったわ」
「その白い物、砂糖という甘いものと卵の透明な所を使っているのよね?」
「おいしい、すごくおいしい、まいにちたべたい」
「ふわぁあ、ふわふわで、甘くて、とんでもなく美味いぞ!」
「こんな美味しい食べ物があるなんて!」
「何枚でも食べられるぞ!」
「妻と子供にも食べさせてやりたい!」
「ショウ殿、毎食本当にありがとう。
これほど美味しいものを食べられるとは思ってもいなかった」
オセール伯爵は夜も城に戻らなかった。
最低限の礼儀作法しか守らないエティション伯爵に気を使わなかった。
普通なら関係を改善するために、形だけの誘いに気がつかない振りをして図々しく食事に応じ、相手に利を与える。
別に関係が悪くなっても構わないと思っているようだ。
エティション伯爵よりも俺との関係を優先しようとしている。
いや、もしかしたら、美味しい料理に優先順位を間違えているのか?
「気になされないでください、閣下。
それよりもこれからの行程をどうされるのですか?」
「昨日の事もあるから、普通なら訪問先の貴族に先触れの使者を送って謁見の許可と日程を尋ねるのだが、今回はこれまで通りにする。
ショウ殿がいてくれるなら、野営になろうと何の心配もいらないからな」
「普通は、安全な都市で待機しながら謁見許可を待つのですね?」
「ああ、そうなのだ。
訪問先の貴族に悪意があれば、先触れがないと因縁をつけて、都市に入る事さえ拒否する場合がある。
今回は王家への献上品があるし、兄上が事前に訪問を知らせてくれているから、そこまでの酷い扱いはないと思うが、ナミュール侯爵のような奴もいる」
「では、昨日言っていた通り、朝食後直ぐに野営地を立つので宜しいのですね?」
「ああ、そうしてくれ」
俺はパンケーキを食べずに自分の好きな物を食べている。
朝から甘いパンケーキは食べたくない。
クロワッサンとカフェオレ、玉子料理とベーコンが食べたかったのだ。
甘い食事が嫌だという訳ではない。
クロワッサンにも独特の甘みがあるし、揚げパンも大好きだ。
チョココロネやカスタードクリーム入りの菓子パンも好きだ。
伯爵のように、一枚半枚ごとに食べ方を変えるのも悪くないだろう。
バターから初めて、メイプルシロップ、メレンゲとつける物を変える。
最後の四枚目に三つ全部かけて楽しみたい気持ちは、俺にも分かる。
だが、ポルトスの気持ちは分からない。
いや、絶対に分かりたくない。
もうあいつにマヨネーズを与えるのを止めるか?
……しかし、甘いものがそれほど好きではない男がいるのはしかたがない。
伯爵や女子供ほど食べるのが早くない。
美味しいと喜んでくれてはいるが、女子供ほどではないのだろう。
定番はパンケーキよりも別の朝食の方が良いのかもしれない。
それに、普通なら夜に麦飯を炊いて熱々を食べ、朝昼は冷めた麦飯と他の何かだ。
パンケーキは女子供のためのご褒美にしよう。
★★★★★★お願いです。
6月1日から始まる第9回歴史・時代小説大賞に「山田奉行所の支配組頭と伊勢講の御師宿檜垣屋」という作品で参加しています。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/672198375/142732328
読者賞を狙いたいので、試し読みとお気に入り登録をお願いします。
できましたら、投票もして頂けたらありがたいです。
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