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12話
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「父上!
グレイスはどこにいるのですか?!」
「どうしたのだ?
なにを興奮している?
グレイスがまた何かしたのか?
だがグレイスはアントニオ王太子殿下の婚約者になるのだ。
姉と言えども言葉遣いには気を付けなければならんぞ。
それにグレイスはアントニオ王太子殿下に呼ばれて王宮に行っている」
急いでポルワース城に戻った私に、父は絶望的な事を伝えます。
逃げられてしまいました。
いえ、グレイス最初から安全な場所にいたのです。
王太子が私を殺すことができればそれでよし。
万が一王太子が私に殺されるようなことになっても、王宮にいれば自分は安全だと計算していたのです。
ですが、だとしたら、王太子が直接私を殺しに来たことが不思議です。
グレイスは王太子の婚約者と言うだけです。
正式に結婚していないと、王太子が死んでしまった時に困るのです。
王族になどなれません。
王太子が死んだ後でも絶対の権力が握れるのは、王太子が戴冠して王になっている事、自分の産んだ子が幼少で王位に就く事、王妃のグレイスが摂政後見人に成れる場合だけです。
今王太子に死なれて困るのはグレイスなのです。
王太子が暴走したのでしょうか?
いえ、そんなことはありえません。
あのグレイスがそんな下手をうつはずがないのです。
何かあります。
必ず裏があります。
グレイスが王族に加わり権力を握ることができる、何か裏があるはずです。
王太子の子供を宿しているのでしょうか?
少し動機は弱いですが、あの王太子の事です。
グレイス以外にも女がいた可能性は高いです。
その女に気が移るのを恐れて、妊娠したのを好機に王太子を唆したのでしょうか?
いえ、それはおかしいですね。
唆せるくらいなら、王太子はグレイスに籠絡されています。
他の女にうつつを抜かしている可能性は低いです。
だったら何があるでしょうか?
「アンゲリカ、どうしても分からないことがあるのだけれど、アンゲリカの見解を聞かせてくれないかしら?」
「信頼してくださっているのはうれしいですが、私に知略を求められても困ります。
ここは団員総出で考えましょう」
私はアンゲリカの助言を受けて、団員全員に疑問に思っている事を話しました。
我が家の恥になる事も多々ありますが、私と団員の命には代えられません。
私たちは王太子を殺しているのです。
団員の中には全てを私とアンゲリカのやったことだと言って、王家に寝返る事を考えていた者もいたかもしれません。
ですがそんな者も、アンゲリカから、王太子を殺した冒険者クランに所属していた者を、王家は絶対に許すはずがないぞと言われ、諦めるしかなかったでしょう。
「私の考えを言わせてもらっていいですか?」
グレイスはどこにいるのですか?!」
「どうしたのだ?
なにを興奮している?
グレイスがまた何かしたのか?
だがグレイスはアントニオ王太子殿下の婚約者になるのだ。
姉と言えども言葉遣いには気を付けなければならんぞ。
それにグレイスはアントニオ王太子殿下に呼ばれて王宮に行っている」
急いでポルワース城に戻った私に、父は絶望的な事を伝えます。
逃げられてしまいました。
いえ、グレイス最初から安全な場所にいたのです。
王太子が私を殺すことができればそれでよし。
万が一王太子が私に殺されるようなことになっても、王宮にいれば自分は安全だと計算していたのです。
ですが、だとしたら、王太子が直接私を殺しに来たことが不思議です。
グレイスは王太子の婚約者と言うだけです。
正式に結婚していないと、王太子が死んでしまった時に困るのです。
王族になどなれません。
王太子が死んだ後でも絶対の権力が握れるのは、王太子が戴冠して王になっている事、自分の産んだ子が幼少で王位に就く事、王妃のグレイスが摂政後見人に成れる場合だけです。
今王太子に死なれて困るのはグレイスなのです。
王太子が暴走したのでしょうか?
いえ、そんなことはありえません。
あのグレイスがそんな下手をうつはずがないのです。
何かあります。
必ず裏があります。
グレイスが王族に加わり権力を握ることができる、何か裏があるはずです。
王太子の子供を宿しているのでしょうか?
少し動機は弱いですが、あの王太子の事です。
グレイス以外にも女がいた可能性は高いです。
その女に気が移るのを恐れて、妊娠したのを好機に王太子を唆したのでしょうか?
いえ、それはおかしいですね。
唆せるくらいなら、王太子はグレイスに籠絡されています。
他の女にうつつを抜かしている可能性は低いです。
だったら何があるでしょうか?
「アンゲリカ、どうしても分からないことがあるのだけれど、アンゲリカの見解を聞かせてくれないかしら?」
「信頼してくださっているのはうれしいですが、私に知略を求められても困ります。
ここは団員総出で考えましょう」
私はアンゲリカの助言を受けて、団員全員に疑問に思っている事を話しました。
我が家の恥になる事も多々ありますが、私と団員の命には代えられません。
私たちは王太子を殺しているのです。
団員の中には全てを私とアンゲリカのやったことだと言って、王家に寝返る事を考えていた者もいたかもしれません。
ですがそんな者も、アンゲリカから、王太子を殺した冒険者クランに所属していた者を、王家は絶対に許すはずがないぞと言われ、諦めるしかなかったでしょう。
「私の考えを言わせてもらっていいですか?」
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