前世の記憶がある伯爵令嬢は、妹に籠絡される王太子からの婚約破棄追放を覚悟して体を鍛える。

克全

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25話

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 近衛騎士たちは私たちを止めようとしましたが、王族専用ダンジョンに一カ月間も潜り、今まで以上の力を手に入れたアンゲリカを止められるモノなどいません。
 私も自分が思っていた以上に力をつけていました。
 まあ、近衛騎士が私に触れられなかったというのが、一番の原因ですね。
 彼らも噂を聞いていたのでしょう。
 私が王族に迎えられるかもしれないという噂を。

 なんといっても、この国では絶対の決まり、王族専用ダンジョンです。
 その決まりを破って、アンゲリカと私は王族専用ダンジョンに潜ったのです。
 本当に国王や王太子の密命を受けていると思って当然なのです。
 まあ、アンゲリカはその心理的な部分を突いたのですね。
 王族会議から返事が来る前に、私たちは王族専用ダンジョンに再度潜りました。

 王族専用ダンジョンに潜ってしまえばこちらのモノです。
 王族でない近衛騎士は追ってこれません。
 王族も全員が王族会議に参加しています。
 私たちを追いかけてこられる者はいないのです。

「アンゲリカ、今度こそアンゲリカがドロップを食べて。
 ずっと私ばかりが食べているわ。
 アンゲリカこそ身体強化すべきよ」

「それは違うよ、オードリー。
 残念だけど、まだオードリーの戦闘力は私に届いていない。
 今のままではジルベスタ王太子に少し劣るわ。
 最低でも互角になるまでは、身体強化のドロップはオードリーに食べてもらうわ」

 アンゲリカが頑として私の言う事を聞いてくれません。
 言いたいことは分かりますが、対等の仲間としては反論したくなるのです。
 そう、私たちは対等になれたのです。
 ここに一カ月潜り、私が聖なる力を得たことで、ようやく師弟の関係から同等のパーティーメンバーになれたのです。
 ついつい締まりのない笑顔を浮かべてしまいます。

「笑っている場合じゃないわ。
 もう追撃が入って来る頃よ。
 私たちどちらもが王太子クラスと互角に戦えないと、片方が狙われてしまう。
 まあ、私が前衛で戦い、オードリーが後衛で支援してくれるのが一番だけど、敵が多すぎるとそうも言っていられなくなるわ」

「分かったわよ。
 だけど私が王太子クラスになれたら交互に食べるのよ。
 私には聖なる力があるけどアンゲリカにはないのよ。
 少しはアンゲリカの方が強くないと、バランスが取れなくなるわよ」

 私はちょっと調子に乗ってみました。
 ちょっと強くなれたからと言って、アンゲリカにこんな口を聞いていい立場ではないのです。
 今私が生きていられるのは、全部アンゲリカのお陰なのですから。

「そんな口をきいてていいの、オードリー?
 ダンジョン主を斃したドロップは、私が手に入れる約束なのよ。
 また一気に差がついてしまうわよ?」
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