13 / 22
12話
しおりを挟む
私は国王の提案を無視しました。
無言で殺気のこもった視線を国王に向けました。
国王は震えて何も言えなくなったようです。
嫌な臭いが漂ってきました。
国王ともあろうものが、情けなくも女に睨まれただけで、失禁脱糞したのです。
翌日から約束が次々と実行されました。
権利や領地を奪われた遠征中の貴族士族の家に、権利と領地が返されました。
四の五の言う王族もいましたが、そんな王弟の一人を叩き殺してやりました。
それから直ぐに四の五の言っていた王族も権利と領地を返してきましたが、私は許しませんでした。
人を捨てた以上、遠慮などいりません。
国王が約束したことを守ろうとしなかったのです。
今更慌てて実行したところで許す気にはなりません。
もしかしたら、国王に命じられて私が譲る可能性を探っているのかもしれません。
ですが、だからこそ、一歩も譲りません。
ここで譲ったら、父上たちに対する態度が悪くなると感じたからです。
一日異国からの撤退が遅れれば、誰かが死傷するのです。
その誰かが父上になる可能性もあるのです!
人の枷を外した私は、圧倒的な力があります。
心も人から大きく外れてしまっています。
私が優しくなれるのは、父上や母上といった家族と、いつも忠義の心で仕えてくれていた家臣領民、そして命を捨てて助けようとしてくれたアウロラだけです。
「ヴァルナ様、今日はどこに行かれるのですか?」
「そうですね。
今日はクーパー子爵のところに参りましょう。
クーパー子爵は遠征に参加していておられますから、私達の事を襲うこともないでしょう」
「はい、私もそう思います。
ですが身嗜みを整えてもらったら、直ぐこちらに戻りたいです。
よその家の者と一緒に堅苦しく食事をするよりも、ヴァルナ様と二人で食事をする方が楽しいです」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
本当にうれしいです。
私の御陰で助かった貴族も、私が叩きのめした貴族も、みんな私に化け物を見るような視線を向けます。
仕方のないことだと分かっています。
それを覚悟して、死を選ばずに戦ったのです。
ですが、それでも、心は痛みます。
ジクジクズキズキと痛むのです。
だからこそ、アウロラの言葉が痛いほどうれしい。
本当はこのままずっとアウロラと一緒に暮らしたい。
そう本気で思います。
私だけの幸せを考えれば、アウロラと二人どこかに逃げてしまえばいいのです。
どこに行こうと暮らしていく自信があります。
誰が前を遮ろうと、叩き殺して打ち破る自信があります。
ですがそれでは、アウロラが伯爵令嬢としての幸せを失うことになります。
無言で殺気のこもった視線を国王に向けました。
国王は震えて何も言えなくなったようです。
嫌な臭いが漂ってきました。
国王ともあろうものが、情けなくも女に睨まれただけで、失禁脱糞したのです。
翌日から約束が次々と実行されました。
権利や領地を奪われた遠征中の貴族士族の家に、権利と領地が返されました。
四の五の言う王族もいましたが、そんな王弟の一人を叩き殺してやりました。
それから直ぐに四の五の言っていた王族も権利と領地を返してきましたが、私は許しませんでした。
人を捨てた以上、遠慮などいりません。
国王が約束したことを守ろうとしなかったのです。
今更慌てて実行したところで許す気にはなりません。
もしかしたら、国王に命じられて私が譲る可能性を探っているのかもしれません。
ですが、だからこそ、一歩も譲りません。
ここで譲ったら、父上たちに対する態度が悪くなると感じたからです。
一日異国からの撤退が遅れれば、誰かが死傷するのです。
その誰かが父上になる可能性もあるのです!
人の枷を外した私は、圧倒的な力があります。
心も人から大きく外れてしまっています。
私が優しくなれるのは、父上や母上といった家族と、いつも忠義の心で仕えてくれていた家臣領民、そして命を捨てて助けようとしてくれたアウロラだけです。
「ヴァルナ様、今日はどこに行かれるのですか?」
「そうですね。
今日はクーパー子爵のところに参りましょう。
クーパー子爵は遠征に参加していておられますから、私達の事を襲うこともないでしょう」
「はい、私もそう思います。
ですが身嗜みを整えてもらったら、直ぐこちらに戻りたいです。
よその家の者と一緒に堅苦しく食事をするよりも、ヴァルナ様と二人で食事をする方が楽しいです」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
本当にうれしいです。
私の御陰で助かった貴族も、私が叩きのめした貴族も、みんな私に化け物を見るような視線を向けます。
仕方のないことだと分かっています。
それを覚悟して、死を選ばずに戦ったのです。
ですが、それでも、心は痛みます。
ジクジクズキズキと痛むのです。
だからこそ、アウロラの言葉が痛いほどうれしい。
本当はこのままずっとアウロラと一緒に暮らしたい。
そう本気で思います。
私だけの幸せを考えれば、アウロラと二人どこかに逃げてしまえばいいのです。
どこに行こうと暮らしていく自信があります。
誰が前を遮ろうと、叩き殺して打ち破る自信があります。
ですがそれでは、アウロラが伯爵令嬢としての幸せを失うことになります。
1
あなたにおすすめの小説
処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!
秦江湖
ファンタジー
皇妃エリアーナは、夫である皇帝アランと、たった一人の親友イザベラの策略により、無実の罪で処刑される。
民衆に罵られ、アランの冷酷な目とイザベラの嘲笑を「始まりの景色」として目に焼き付けながら絶命した彼女は、しかし、処刑の記憶を持ったまま三年前の過去に回帰する。
「おまえたちは許さない」
二度目の人生。
エリアーナの目的はただ一つ、自分を陥れた二人への完璧な復讐。
彼女はまず、アラン(皇太子)からの婚約内示を拒絶。そして、アラン最大の政敵である「北の冷血公爵」ルシアン・ヴァレリウスに接触する。
1周目で得た「未来の知識」を対価に、エリアーナはルシアンに持ちかける。
「貴方様には帝国の覇権を。わたくしには復讐の舞台を。そのための『契約婚約』を――」
憎悪を糧に生きる皇妃と、氷の瞳を持つ公爵。
二人の偽りの婚約の行く末は……
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
王国最強の天才魔導士は、追放された悪役令嬢の息子でした
由香
ファンタジー
追放された悪役令嬢が選んだのは復讐ではなく、母として息子を守ること。
無自覚天才に育った息子は、魔法を遊び感覚で扱い、王国を震撼させてしまう。
再び招かれたのは、かつて母を追放した国。
礼儀正しく圧倒する息子と、静かに完全勝利する母。
これは、親子が選ぶ“最も美しいざまぁ”。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→
AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」
ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。
お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。
しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。
そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。
お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる