私はどうしようもない凡才なので、天才の妹に婚約者の王太子を譲ることにしました

克全

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第一章

第14話:からかい・ロイドことローレンス視点

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「よう、ロイド君、随分と珍しい事もあるもんだなぁ。
 お前が特定の女性にプレゼントを贈るなんて学院に来て初めてじゃないか。
 それとも今までも陰でこっそりとプレゼント渡してたのかなぁ。
 いいから、いいから、もう正直に白状してしまえよ。
 好きです、付き合ってくださいって、ウッグ」

 ライル、フローラがいなくなるまで黙っていたから腹にワンパンすませてやる。
 だが今度同じような事を言ったら、口から手ぇ突っ込んで内臓引きずり出すぞ。
 という気持ちを込めてライルを睨んでやったら黙った。
 本当にライルはお調子者過ぎる。
 もう少し落ち着きを身に付けた方がいい。

「ロイド君、冗談は抜きにして本当にフローラ嬢の事が好きなのかな。
 もしそうなら僕も考えて行動しなければいけないからね。
 女性を口説かないなんて失礼な事はしたくないけど、君を怒らすのは怖いからね。
 モットーを変えてでも保身を優先しようと思うんだ」

 ピエールの奴、遠回しに俺をからかっているのか。
 それとも本気で俺を怒らせたくないと思っているのか。
 ピエールは女好きで女性なら見境なしに口説く節操なしだ。
 だがそれだけに女性を口説く力は学院では他の追随を許さない。
 ピエールに純潔を捧げた女性がどれほどいる事か、調べるのも恐ろしい。
 それだけに本気でフローラが好きなら最も気をつけなければいけない相手だ。

「そうか、だったらフローラ嬢には手を出すな。
 俺はフローラ嬢の事が好きになった。
 だからフローラ嬢に手出しする奴は絶対に許さない。
 フローラ嬢のためなら私的な力も公的な権力も躊躇わずに使う。
 必要なら暗殺も厭わない、これで納得してくれたか」

「ひゅうううううう、熱愛だぞ、堅物のロイド君が熱愛しているぞ」

 嵌められた、こんな方法で揶揄われるとは思ってもいなかった。
 ピエールの野郎、普段の自分の行動を逆手に取りやがって。
 自分の悪行を、俺に告白させることに利用するとは何と言う極悪人だ。
 俺はもっと静かにゆっくりとフローラ嬢との愛情を育てたかったのだ。
 周りに悟られることなく、純愛を育みたかったのだ。
 こんな風に学級中が知っている状態では、ゆっくり愛情を育てるなんて無理だ。

「まあ、まあ、まあ、まあ、そんなに落ち込むなよ。
 ロイド君がここまではっきりと熱愛宣言したんだ。
 誰も邪魔しないから安心して付き合えばいい、ウッグ」

 ライル、調子に乗り過ぎだ。
 今度は少し手加減を止めた。
 三日ほどは血反吐と下血で苦しんでもらおうか。
 なあに、死にはしないよ、死にわね。
 毎日四六時中痛みと吐き気と便意で苦しんでくれ。
 残された救いは、フローラ嬢の鈍感力だけだが、どこまで期待できるのだろう。
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