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悪魔と神

24話

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 エドアルド様の御子を身体に宿した翌日から、圧倒的な力を発揮することができるようになりました。
 御子のおられるところから、膨大な魔力が沸き上がってきます。
 祈願力まで御子のおられるところから授かることができるのです。
 御子は神の子なのかと思ってしまうほどです。

「おのれ、おのれ、おのれ!
 恨んでやる、祟ってやる、末代まで祟ってやる」

 追い詰められたマッティーア王が私たちを罵ります。

「魔王魔族に魂を売った痴れ者が何を言うか!
 塵一つ残さず滅してくれる!」

 エドアルド様の言葉と同時に、私はエドアルド様の祈願力に私の祈願力と魔力を上乗せして、合体聖魔法を放ちました。
 ほんの一瞬の事でした。
 本当に塵一つ残さずに、消えてしまいました。

 いえ、それだけではありません。
 それだけで済ますわけにはいかないのです。
 今が好機なのです。
 力ある御子が宿った今、私と御子の力が何の抵抗もなく混じりあっているのです。
 しかもそれをエドアルド様に重ねることができるのです。
 その力を使って、マッティーア王と繋がっていた魔王を、魔界から引きずり出して、合体聖魔法で一気に斃しにかかりました。

「人間ごときが身の程をしれ!」

 身体の一部を浄化され、塵一つ残さず消し去られた魔王が、怒りに任せて圧倒的な魔力の塊を叩きつけてきました!
 その破壊力の大きさは、昨日までの私たちなら、私たちの方が塵一つ残さずに消え去っていたことでしょう。

 ですが今の私たちには、御子の力があるのです。
 私の身体に宿った御子が、魔王の攻撃を受け止め防ぎ切ってくれました。
 それだけではなく、即座に反撃の魔力と祈願力を放ってくれたのです。
 自然と私の魔力と祈願力が消費されます。
 御子を通じて無尽蔵に沸き上がってきた魔力と祈願力が、みるみる失われていくので、御子にとっても魔王は強敵なのでしょう。

「エドアルド様!
 力をお貸しください!」

 私が願うと、直ぐにエドアルド様が協力してくださいました。
 ですがそれでも、魔王を圧倒する事はできません。
 じりじりと押している感じです。
 ですが私かエドアルド様の魔力や祈願力が切れたら、逆転されてしまいます。
 魔王に圧倒されてしまう事は明らかです。

 ですがここと思いがけないことが起こりました。
 レベッカから莫大な魔力と祈願力が発生したのです。
 これは、私の身体に宿る御子の力と同じです。
 レベッカの身体にも、もう一人の御子が宿っていたのです。
 レベッカの御子の魔力と祈願力が、私の御子の力にあわさります。
 何の言葉も残さず、魔王は消え去りました。

「レベッカ、あなた御子ができたの?」

「うふふふ、半信半疑だったので言えなかったの。
 でもこれで私たち姉妹ですね!」
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