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第1章
第37話:早くも冬の準備
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2年目の春
巨樹たちが実らせた果実は全て収穫できた。
完熟して落ちる寸前の果実もあったが、ムダにする事なく収穫できた。
魔境神が手伝ってくれなかったら無理だった。
魔境神も加えた村人全員で大収穫祭をした。
飲めや歌えやの大宴会だった。
雪が完全にとけるまで、延々と大宴会をつづけた。
雪が完全にとけたら遊んでいられない。
雪がとけた大地を使って、収穫できるだけの作物を実らせる。
村人総出で収穫できる量だけ実らせる。
コメ、ムギ、ソバ、イモ、トウモロコシ、サトウダイコン、野菜などを収穫した。
「大地よ、俺を助けてくれる全ての巨樹が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる巨樹たちよ、草木を保管する真空用の樽を作れ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての巨樹が必要とする豊かな地となれ!」
果物を真空パックできたのでひらめいた。
イネのイモの茎や葉を、サイレージではなく真空パックできるのではないか?
俺たちは実を収穫して、残った茎や葉を冬ごもり用に真空パックした。
だがそこで終わりはしなかった。
家畜たちが美味しく食べられるように味変させる事も考えた。
「大地よ、俺を助けてくれる全ての巨樹が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる巨樹たちよ、樽に入れた草木を乳酸発酵させろ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての巨樹が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる巨樹たちよ、サイレージを入れた樽を真空パックしろ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての巨樹が必要とする豊かな地となれ!」
味変させただけでは終わらない。
乳酸発酵させてサイレージにした茎と葉を新鮮なまま保存する。
新鮮な茎と葉、乾燥させた茎と葉、乳酸発酵させた茎と葉。
1種の草木を3種の味がする飼料にする。
コメのワラ、オオムギのワラ、コムギのワラなど、多くの植物を3種にする。
「ずいぶんと早くから冬ごもりの準備をするのですね」
俺が色々やっていると、聖女ジャンヌがやってきて話しかけてきた。
「そうだな、気が早いかもしれないが、命に係わる事だからな」
「村長は家畜の事まで考えてくれるのですね」
「ある意味では、1番弱い存在だからな」
「あら、1番弱いのは私たち人間だと思うのですが?」
「確かに、毛皮の全くないジャンヌと俺が1番弱いかもしれない。
だがその分、ギフトを授かっている。
ジャンヌなら聖魔術で大魔境の冬を乗り越えられるのではないか?」
「最悪の場合は、聖魔術に頼る気でいましたが、頼らなくてすみました。
それも全部村長のお陰です、ありがとうございました。
頼ってばかりで申し訳ないのですが、村長がいなくなった後、金猿獣人族が生きて行けるように考えていただけますか?」
「そうだな、俺が死んだ後も、エンシェントトレントが村人たちを身体の中に住ませてくれればだいじょうぶだが、追い出される事もありえるな」
「はい、何百年後なら徐々に対策できますが、妖精狩猟団のような事もあります。
数年後に村長がなくなられた場合の対策をお願いします」
「そうだな、やっておいた方が良いな。
分かった、何かいい方法がないか考えておく」
そう答えた後で、色々と考えた。
死ぬ気などないが、殺されないとは言い切れない。
死んだ後で、村のみんなが死んでしまうような事はいやだ。
巨樹、エンシェントトレントたちに見放されたら、人は大魔境で生きて行けない。
元々大魔境の人ではない金猿獣人族も普通の家畜も生きていない。
「ヴァルタル、俺が何者かに殺された後でも、金猿獣人族が大魔境で生きて行けるようにしたい。
醸造酒を報酬に渡す、非常用の地下街を造ってくれ。
エンシェントドワーフ国の者に頼んでくれていい」
「分かった、そうはっきり言われたら断れん。
だが、そう簡単には死なせてやらんからな!」
「分かっている、ヴァルタルたちを頼りにしている。
俺が殺されないように守ってくれ」
「おうよ、まかせろ、絶対に守り切ってやる」
ヴァルタルたちエンシェントドワーフの助力は手に入れた。
普段の言動をから見て、彼らは必ず約束を守る。
だが、彼らだけに頼るのではいけない。
エンシェントドワーフが造ってくれた地下街でも、守り切れない場合もある。
「シェイマシーナ、ベイヴィル、頼みたい事がある。
ヴァルタルたちにも頼んだのだが、妖精族にも頼んでおきたい事がある」
俺は妖精族の代表と言える2人に頼む事にした。
「聖女ジャンヌと金猿獣人族の事ですね」
「ああ、俺がいる間はだいじょうぶだと思う。
妖精族もエンシェントドワーフも俺を守ってくれるだろう。
だが、妖精狩猟団を捕らえた時に魔境神が口出してきた。
その魔境神で中程度の神だと言っていた。
上級の神が口出ししてきた時に、生き残れるとは思えない。
その時に、聖女ジャンヌと金猿獣人族を安全な場所に転移させて欲しい。
彼らが新天地で生きて行けるくらいの、食糧と財宝も転移させて欲しい。
報酬はエンシェントドワーフと同じ醸造酒だ」
「分かりました、村長に安心していただくために約束しましょう。
ですが、そう簡単に村長を殺させはしませんよ」
シェイマシーナが不敵な笑みを浮かべながら言う。
「そうですね、村長のために約束はさせていただきます。
今から転移する安全な場所を用意しておきましょう。
その方が村長に安心していただけますから。
ですが、絶対に村長を死なせたりしませんよ」
ベイヴィル、目が怖い、笑って笑って。
巨樹たちが実らせた果実は全て収穫できた。
完熟して落ちる寸前の果実もあったが、ムダにする事なく収穫できた。
魔境神が手伝ってくれなかったら無理だった。
魔境神も加えた村人全員で大収穫祭をした。
飲めや歌えやの大宴会だった。
雪が完全にとけるまで、延々と大宴会をつづけた。
雪が完全にとけたら遊んでいられない。
雪がとけた大地を使って、収穫できるだけの作物を実らせる。
村人総出で収穫できる量だけ実らせる。
コメ、ムギ、ソバ、イモ、トウモロコシ、サトウダイコン、野菜などを収穫した。
「大地よ、俺を助けてくれる全ての巨樹が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる巨樹たちよ、草木を保管する真空用の樽を作れ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての巨樹が必要とする豊かな地となれ!」
果物を真空パックできたのでひらめいた。
イネのイモの茎や葉を、サイレージではなく真空パックできるのではないか?
俺たちは実を収穫して、残った茎や葉を冬ごもり用に真空パックした。
だがそこで終わりはしなかった。
家畜たちが美味しく食べられるように味変させる事も考えた。
「大地よ、俺を助けてくれる全ての巨樹が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる巨樹たちよ、樽に入れた草木を乳酸発酵させろ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての巨樹が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる巨樹たちよ、サイレージを入れた樽を真空パックしろ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての巨樹が必要とする豊かな地となれ!」
味変させただけでは終わらない。
乳酸発酵させてサイレージにした茎と葉を新鮮なまま保存する。
新鮮な茎と葉、乾燥させた茎と葉、乳酸発酵させた茎と葉。
1種の草木を3種の味がする飼料にする。
コメのワラ、オオムギのワラ、コムギのワラなど、多くの植物を3種にする。
「ずいぶんと早くから冬ごもりの準備をするのですね」
俺が色々やっていると、聖女ジャンヌがやってきて話しかけてきた。
「そうだな、気が早いかもしれないが、命に係わる事だからな」
「村長は家畜の事まで考えてくれるのですね」
「ある意味では、1番弱い存在だからな」
「あら、1番弱いのは私たち人間だと思うのですが?」
「確かに、毛皮の全くないジャンヌと俺が1番弱いかもしれない。
だがその分、ギフトを授かっている。
ジャンヌなら聖魔術で大魔境の冬を乗り越えられるのではないか?」
「最悪の場合は、聖魔術に頼る気でいましたが、頼らなくてすみました。
それも全部村長のお陰です、ありがとうございました。
頼ってばかりで申し訳ないのですが、村長がいなくなった後、金猿獣人族が生きて行けるように考えていただけますか?」
「そうだな、俺が死んだ後も、エンシェントトレントが村人たちを身体の中に住ませてくれればだいじょうぶだが、追い出される事もありえるな」
「はい、何百年後なら徐々に対策できますが、妖精狩猟団のような事もあります。
数年後に村長がなくなられた場合の対策をお願いします」
「そうだな、やっておいた方が良いな。
分かった、何かいい方法がないか考えておく」
そう答えた後で、色々と考えた。
死ぬ気などないが、殺されないとは言い切れない。
死んだ後で、村のみんなが死んでしまうような事はいやだ。
巨樹、エンシェントトレントたちに見放されたら、人は大魔境で生きて行けない。
元々大魔境の人ではない金猿獣人族も普通の家畜も生きていない。
「ヴァルタル、俺が何者かに殺された後でも、金猿獣人族が大魔境で生きて行けるようにしたい。
醸造酒を報酬に渡す、非常用の地下街を造ってくれ。
エンシェントドワーフ国の者に頼んでくれていい」
「分かった、そうはっきり言われたら断れん。
だが、そう簡単には死なせてやらんからな!」
「分かっている、ヴァルタルたちを頼りにしている。
俺が殺されないように守ってくれ」
「おうよ、まかせろ、絶対に守り切ってやる」
ヴァルタルたちエンシェントドワーフの助力は手に入れた。
普段の言動をから見て、彼らは必ず約束を守る。
だが、彼らだけに頼るのではいけない。
エンシェントドワーフが造ってくれた地下街でも、守り切れない場合もある。
「シェイマシーナ、ベイヴィル、頼みたい事がある。
ヴァルタルたちにも頼んだのだが、妖精族にも頼んでおきたい事がある」
俺は妖精族の代表と言える2人に頼む事にした。
「聖女ジャンヌと金猿獣人族の事ですね」
「ああ、俺がいる間はだいじょうぶだと思う。
妖精族もエンシェントドワーフも俺を守ってくれるだろう。
だが、妖精狩猟団を捕らえた時に魔境神が口出してきた。
その魔境神で中程度の神だと言っていた。
上級の神が口出ししてきた時に、生き残れるとは思えない。
その時に、聖女ジャンヌと金猿獣人族を安全な場所に転移させて欲しい。
彼らが新天地で生きて行けるくらいの、食糧と財宝も転移させて欲しい。
報酬はエンシェントドワーフと同じ醸造酒だ」
「分かりました、村長に安心していただくために約束しましょう。
ですが、そう簡単に村長を殺させはしませんよ」
シェイマシーナが不敵な笑みを浮かべながら言う。
「そうですね、村長のために約束はさせていただきます。
今から転移する安全な場所を用意しておきましょう。
その方が村長に安心していただけますから。
ですが、絶対に村長を死なせたりしませんよ」
ベイヴィル、目が怖い、笑って笑って。
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