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第1章
第40話:無理
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2年目の春
信じられない事に、直接の農業でもないのにギフトが使えた。
エンシェントドワーフたちですら掘るのに困る、火竜の崖が掘れた。
掘れただけでなく、家も醸造所も蒸留所も保管庫もできてしまった。
できてしまったら止まる事はできない。
一気に隠れ家、避難村を完成させるしかない。
エンシェントトレントを頼らなくてもいい避難村を作る。
「大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる草木たちよ、イネになってコメを実らせてくれ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!」
俺の命令に従って雑草がイネに変化して実りをつける。
信じられない早さだが、もう慣れてしまった。
その実りを大魔境から来た魔境神と妖精族、金猿獣人族が収穫する。
魔境神は神通力を使って次々と脱穀まですまして酒カメに入れていく。
妖精族は魔術を使って同じことをするが、どうしても神より遅い。
金猿獣人族は妖精族の1割も収穫できていない。
「魔境神様、酒カメがたりません、どんどん造ってください。
この酒は100年熟成させる事ができます。
造った酒は約束した割合でお礼に差し上げます、どんどん造りましょう」
「そうか、今回は2割くれる約束だ、村長が止めたいと言うまで手伝うぞ」
「いいんですか、陽が暮れるまで休みませんよ」
「任せろ、これでも大魔境を預かる神だ。
いくら来訪神様からギフトを授かっているとはいえ、魔力量では人間に負けん」
魔境神はそう言って莫大な量の酒カメを土から造り出す。
その酒カメに、1番好きな酒になるように精米したコメを次々と入れていく。
エンシェントトレントの力を借りずにギフトで発酵させて清酒にする。
「大気よ、俺を助けてくれる酵母が必要とする豊かな風となれ!
酵母よ、豊かな風を取り入れて魔境神が求める酒を造れ!」
1度のギフトで実らせたコメが全て酒カメに入れられてから、発酵させた。
コメを原料にした清酒だが、今回は純米大吟醸酒になっている。
魔境神は60%の精米をした酒が好みだそうだ。
俺が造る時は、少しでも食糧をすてたくないから精米をしない。
だから俺の造る酒は純米酒になっている。
ほとんど精米しなくても、美味しい清酒になると思っている。
「村長、清酒はこれくらいで良い、次は凍結高酒精エールを頼む。
1度飲んで、あの味わいと酒精の強さが忘れられないのだ。
村長が焼酎と言った酒やウオッカと言った酒も美味いが、忘れられないのだ」
「分かりました、次はオオムギを作ります。
大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる草木たちよ、オオムギになって実らせてくれ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!」
俺が命じると、イネを成長させた反対側の大地にオオムギが実った。
あっという間に魔境神が収穫して脱穀していく。
これまたあっという間に精麦してエールの原料にする。
負けじと妖精たちもオオムギを収穫して脱穀する。
金猿獣人族は、もうあわてず自分たちのペースで収穫している。
収穫して酒カメに入れた量の2割が自分たち専用の酒になる。
金猿獣人族は、村に残る8割から飲めるのであせっていない。
妖精たちも飲めるのだが、なぜが魔境神に張り合って急いでいる。
魔境神は毎食1杯しか酒が奉納されないので、必死で造っている。
「大気よ、俺を助けてくれる酵母が必要とする豊かな風となれ!
酵母よ、豊かな風を取り入れて魔境神が求める酒を造れ!」
ここまでが俺の役目だ。
最短3日で発酵させるエールを10倍の時間をかけて造るバーレーワイン。
麦のワインと言われるくらい、モルトの甘みとコクが凝縮された麦酒。
アルコール度数は10パーセントを超えている。
それを更に魔境神が凍結魔術を使って水とアルコールに分ける。
とんでもなく濃厚な麦芽の甘みと旨味が詰まった凍結高酒精麦酒。
魔境神がとりこになるのも分かる。
焼酎や泡盛、ウィスキーやウオッカも美味しい。
だが蒸留の時に沸騰させているから新鮮な生の味わいはない。
好き嫌いの問題だが、魔境神は凍結酒の味わいが好きなようだ。
「大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる草木たちよ、ソバになって実らせてくれ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!」
コメ、オオムギとくれば、次はソバになる。
俺たちは焼酎にするが、魔境神は凍結高酒精ソバ酒にするそうだ。
たまに飲むのは好いが、毎食飲みたいとは思わない。
まあ、魔境神も毎食凍結高酒精ソバ酒を飲むわけではない。
俺たちが毎食奉納する酒は同じだが、それ以外はその日の気分で変わる。
それも、純米大吟醸酒、凍結高酒精エールなどと組み合わせて飲んでいる。
「大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる草木たちよ、コムギになって実らせてくれ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!」
次にコムギを使った白ビールを造る。
上面発酵だからエールになるのだが、オオムギも使わないと造れない。
ベルギーのヴィットとドイツのヴァイスビアが代表的なエールだ。
子供たちのために、アルコール度数が1パーセントのボザも造る。
かすかに酸味のある甘い香りを持つボザは、子供たちでも美味しく飲める。
「魔境神様、疲れたのでしたら休みますか?」
「何を言っている、まだまだ余裕だ。
村長こそ疲れたのではないか?」
「魔境神様が余裕なら、ライムギが原料のクワスを造りますよ?」
「おお、造ろう造ろう、まだまだ余裕だ」
魔境神、見栄をはるな、顔色が悪いぞ。
信じられない事に、直接の農業でもないのにギフトが使えた。
エンシェントドワーフたちですら掘るのに困る、火竜の崖が掘れた。
掘れただけでなく、家も醸造所も蒸留所も保管庫もできてしまった。
できてしまったら止まる事はできない。
一気に隠れ家、避難村を完成させるしかない。
エンシェントトレントを頼らなくてもいい避難村を作る。
「大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる草木たちよ、イネになってコメを実らせてくれ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!」
俺の命令に従って雑草がイネに変化して実りをつける。
信じられない早さだが、もう慣れてしまった。
その実りを大魔境から来た魔境神と妖精族、金猿獣人族が収穫する。
魔境神は神通力を使って次々と脱穀まですまして酒カメに入れていく。
妖精族は魔術を使って同じことをするが、どうしても神より遅い。
金猿獣人族は妖精族の1割も収穫できていない。
「魔境神様、酒カメがたりません、どんどん造ってください。
この酒は100年熟成させる事ができます。
造った酒は約束した割合でお礼に差し上げます、どんどん造りましょう」
「そうか、今回は2割くれる約束だ、村長が止めたいと言うまで手伝うぞ」
「いいんですか、陽が暮れるまで休みませんよ」
「任せろ、これでも大魔境を預かる神だ。
いくら来訪神様からギフトを授かっているとはいえ、魔力量では人間に負けん」
魔境神はそう言って莫大な量の酒カメを土から造り出す。
その酒カメに、1番好きな酒になるように精米したコメを次々と入れていく。
エンシェントトレントの力を借りずにギフトで発酵させて清酒にする。
「大気よ、俺を助けてくれる酵母が必要とする豊かな風となれ!
酵母よ、豊かな風を取り入れて魔境神が求める酒を造れ!」
1度のギフトで実らせたコメが全て酒カメに入れられてから、発酵させた。
コメを原料にした清酒だが、今回は純米大吟醸酒になっている。
魔境神は60%の精米をした酒が好みだそうだ。
俺が造る時は、少しでも食糧をすてたくないから精米をしない。
だから俺の造る酒は純米酒になっている。
ほとんど精米しなくても、美味しい清酒になると思っている。
「村長、清酒はこれくらいで良い、次は凍結高酒精エールを頼む。
1度飲んで、あの味わいと酒精の強さが忘れられないのだ。
村長が焼酎と言った酒やウオッカと言った酒も美味いが、忘れられないのだ」
「分かりました、次はオオムギを作ります。
大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる草木たちよ、オオムギになって実らせてくれ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!」
俺が命じると、イネを成長させた反対側の大地にオオムギが実った。
あっという間に魔境神が収穫して脱穀していく。
これまたあっという間に精麦してエールの原料にする。
負けじと妖精たちもオオムギを収穫して脱穀する。
金猿獣人族は、もうあわてず自分たちのペースで収穫している。
収穫して酒カメに入れた量の2割が自分たち専用の酒になる。
金猿獣人族は、村に残る8割から飲めるのであせっていない。
妖精たちも飲めるのだが、なぜが魔境神に張り合って急いでいる。
魔境神は毎食1杯しか酒が奉納されないので、必死で造っている。
「大気よ、俺を助けてくれる酵母が必要とする豊かな風となれ!
酵母よ、豊かな風を取り入れて魔境神が求める酒を造れ!」
ここまでが俺の役目だ。
最短3日で発酵させるエールを10倍の時間をかけて造るバーレーワイン。
麦のワインと言われるくらい、モルトの甘みとコクが凝縮された麦酒。
アルコール度数は10パーセントを超えている。
それを更に魔境神が凍結魔術を使って水とアルコールに分ける。
とんでもなく濃厚な麦芽の甘みと旨味が詰まった凍結高酒精麦酒。
魔境神がとりこになるのも分かる。
焼酎や泡盛、ウィスキーやウオッカも美味しい。
だが蒸留の時に沸騰させているから新鮮な生の味わいはない。
好き嫌いの問題だが、魔境神は凍結酒の味わいが好きなようだ。
「大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる草木たちよ、ソバになって実らせてくれ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!」
コメ、オオムギとくれば、次はソバになる。
俺たちは焼酎にするが、魔境神は凍結高酒精ソバ酒にするそうだ。
たまに飲むのは好いが、毎食飲みたいとは思わない。
まあ、魔境神も毎食凍結高酒精ソバ酒を飲むわけではない。
俺たちが毎食奉納する酒は同じだが、それ以外はその日の気分で変わる。
それも、純米大吟醸酒、凍結高酒精エールなどと組み合わせて飲んでいる。
「大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!
俺を助けてくれる草木たちよ、コムギになって実らせてくれ!
大地よ、俺を助けてくれる全ての草木が必要とする豊かな地となれ!」
次にコムギを使った白ビールを造る。
上面発酵だからエールになるのだが、オオムギも使わないと造れない。
ベルギーのヴィットとドイツのヴァイスビアが代表的なエールだ。
子供たちのために、アルコール度数が1パーセントのボザも造る。
かすかに酸味のある甘い香りを持つボザは、子供たちでも美味しく飲める。
「魔境神様、疲れたのでしたら休みますか?」
「何を言っている、まだまだ余裕だ。
村長こそ疲れたのではないか?」
「魔境神様が余裕なら、ライムギが原料のクワスを造りますよ?」
「おお、造ろう造ろう、まだまだ余裕だ」
魔境神、見栄をはるな、顔色が悪いぞ。
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