92 / 135
第三部 異世界剣士と血塗れの聖女
第92話:秩序の番人?だから何だ!
しおりを挟む
「わたくしはいと高き座にまします創世の女神様の定めし世の理と秩序の番人、異端審問官のアンゴウルと申します」
異端審問官……だって?
なんでそんな奴が、こんなところに!
「わたくしの使命は、創世の女神様の創りたもうた世界の理と秩序を保つこと。聡明な貴女ならば、この意味がお分かりでしょう?」
「わ、分かりません……!」
青い顔で、肩で息をするような状態なのに、セイクレアはか細い声で叫んだ。
「全ての奇蹟は女神さまが与えたもうた恩寵だとおっしゃるなら、私にできることをして、少しでも苦しむ人が安らかになれるなら、それがどうして異端なのですか」
「おお、聡明な貴女らしくもない」
アンゴウルはいかにも残念そうに首を大きく横に振ってみせると、憐れむような目をセイクレアに向けた。
「女神様は慈悲をお与えになられます。それこそが奇蹟。ですが、それは──」
アンゴウルは、その右手の杖を再び高く掲げる。
「──それは本来、『神の右手』より『光あれ』と差し出され、選ばれた聖職者の手を通してのみ、与えられるべきなのです。貴女のそれは、その秩序がない」
「秩序……? じゃあ、デリカは──この獣人の女性は、神殿に連れて行けば治療してもらえたのか?」
俺の問いに、アンゴウルは大袈裟に目を見開いてみせた。
「まさか。女神様の家たる神殿に、なぜそのようなケダモノを入れることができると思うのです? 寄付と共に慈悲を乞い願うのであればともかく、それもできぬのであれば救貧院でよろしかろう」
「じゃあダメじゃねえか! お前らが助ける気がないっていうなら、助けてくれる人にお願いするさ!」
思わず噛み付くように叫ぶと、アンゴウルは俺を憐れむような目で見つめた。
「神のお慈悲が、そう簡単に手に入ると思い込んでいるところが、貧民の貧民たる所以なのだと分からないところがまた、哀れな。無秩序な者が無秩序に奇蹟の力を振るえば、それは混乱を生み、この美しい世界の秩序に亀裂をもたらす」
そう言って、彼は静かに俺たちを見回した。
「ケダモノのために、その身を削って奇蹟を起こす──その行い自体は、実に美しく、尊い。それを見た人々は、何を思うでしょう?」
「女神さまのお慈悲は、あまねく民草のために注がれると、思うのではありませんか」
肩を震わせるようにしながら訴えるセイクレアに、アンゴウルはうなずく。
「ええ、そうでしょうとも。ですがこうも考えるのではありませんか?『女神様の恩寵は、神殿によらずとも、誰の許しがなくとも、浴することができるのだ』と。するとどうなるか──」
彼は、いかにも悲しそうに首を振ってみせた。
「秩序は崩れます。司祭の権威は揺らぎ、人々は己の都合で、我先にと『奇蹟』を求め始めるでしょう。愚か者の欲は、際限がありません」
「そんなことは……!」
「まして貴女の『癒し』の力は、法術でできることを超えています。神の奇蹟の一端を解き明かした『力ある言葉』の体系を、理と秩序を、根本から揺るがすものです」
静かに語るアンゴウルの表情が、徐々に険しくなっていく。
「それは混乱と堕落を生むでしょう。創世の女神様のお創りになられた秩序と安寧は、崩壊するのです」
アンゴウルは、悲劇を語る詩人のようだった。まるでこれから起こることが、全て分かっているかのように。
「わたくしは、貴女を憎んでいるわけではない。むしろ貴女ほどの力を持つ者が、同じ信徒でありながら正しき道を歩もうとしないことが、哀れでならないのです」
そう言って、アンゴウルは左手の分厚い本を、俺たちに向けて突き出す。
「『神の左手』は、『悔い改めよ』と贖罪を求め差し出される。神の摂理を乱し、秩序を破壊する者を、わたくしはその番人として、裁かねばならない。よって──」
「お前……!」
微笑みすら浮かべるアンゴウルに向けて、俺は正眼に構えた木刀を握り直す。
こいつは──
「異端と知りながら力を使った貴女は、縛り首だ」
──敵だ!
「……素晴らしい打ち込みですね、さすが冒険者といったところでしょうか」
俺がこの世界に来てデュクスに鍛えられた、「最初の一撃」。
なのにこの男は、それを受け止めやがった!
「しかしなぜ白刃の剣ではなく、木剣なのですか? 今の腕であれば、もしかしたらこの戦鎚ごと、この愚僧を両断できたかもしれないのに」
「俺にはこの木刀が合ってるんだよ!」
アンゴウルは俺の木刀を軽く払うようにして、後ろに飛び退き間合いから離れる。自分のことを愚僧、とか言ってるけど、間違いなくこいつは坊さんじゃなくて一流の戦士だ!
「しかし困りました。わたくしは、ただ異端を処断するという目的を遂行したいだけであって、君のような未熟で愚かな子供を叩きのめすことは、本来の仕事ではないのですよ」
「言ってくれるぜ。こっちこそ、知人を助けてくれた人を守りたいだけで、別に坊さんをぶん殴りたいわけじゃないんだぜ?」
俺には、宗教について正しいとか間違っているとか、そういうことはよく分からない。だけど、誰かを助け、守ろうとする人を、「自分たちの信じるやり方と違うから縛り首」って、いくらなんでもおかしいだろ!
「よく分からぬのであれば、くちばしを挟まぬことです……よ」
ドガァッ!
あっ──と思った瞬間には、奴はもう目の前だった。飛び込んでくる足音すらなかった。自分でもよく受け止めることができたと思う。
「ふむ……。随分と硬い木だ。鉄芯でも入っているのですか? いや、しかしこの感触は間違いなく木剣……」
「うるせえよ! 最高級の本赤樫でこしらえてくれた爺ちゃんの仕事だぞ、最高に決まってるだろ!」
──ガッ!
ガカッ!
奴の杖と俺の木刀が、鈍い音を立てながら打ち合わされる!
くそっ、モーニングスターみたいなトゲトゲ球付きのあの杖、やっぱり戦闘用だったか! まともに受けると木刀が折れそうにすら感じる!
おまけにこの狭い部屋の中じゃ、この木刀は十分に振れない。リーチがあって有利なように見えて、むしろ不利……!
「ご主人さまっ!」
シェリィが壁を蹴って、とんでもない角度から奴を急襲する!
さすがシェリィ! 俺も──
「邪魔です」
「ぎゃふっ……!」
「ぐうっ……⁉」
一瞬、何が起きたのか理解できなかった。
本能的に全力でとびすさった瞬間に、耳元を何かが通り過ぎる!
「ほう……? 未熟な子供かと思ったら、意外に耐えましたね」
「爺ちゃんに……鍛えられたからな!」
あのとき、あの瞬間──
奴の左側面の頭上から跳びかかったシェリィを、奴は無造作に左手で打ち払う。
床に叩きつけられたシェリィを蹴りながら木刀を右手で受け流し、そのまま俺の懐に入り込むようにして、左手の分厚い本の背でわき腹をぶん殴る!
奴は的確に、鎧で覆われていない所をぶん殴ってきやがったんだ。
──そう、あの一瞬で!
爺ちゃんに殴られ慣れていなかったら、そのあとさらに振り回してきたトゲトゲ金玉棍棒で頭をぶっとばされているところだったよ!
倒れていたシェリィの手をつかんで引っ張り込み、「シェリィ、大丈夫か!」と呼びかけると、「だい、じょう、ぶ……」と弱々しい声。
「くそっ……! よくもシェリィを!」
俺の大切な人を傷つけた!
見知らぬ相手のために、自分が具合を悪くしてでも救おうとする人を貶めた!
秩序の番人? だから何だというんだ! こっちこそお前を許さない!
「困った子供だ。力任せに来られてしまうと──」
奴の杖は、俺の一撃をしなやかにいなしていく。デュクスの変幻自在な剣とはまた違った動き……!
──まただ! また剣先を払われ、内側に入られて……くそおっ!
ぶん殴られる前にむしろ突っ込み鍔迫り合いに持ち込む!
「ぐぬっ……なるほど、未熟ながら考えますね。ですが──」
ダンッ! つま先を思いっきり踏まれる!
「ぬっ……⁉ まさか……!」
「『安全靴』だよこんちくしょうっ!」
見た目は普通のソフトレザーブーツだけど、足のつま先に、非常に硬い木である樫の木をくりぬくようにした保護材を特注で入れてあるのさ!
そのまま思いっきり体ごと木刀の柄を叩きつけると、肩をかすめて奴がふらつく!
「ぐうっ……! 貴様、加減をしておれば……!」
「お上品な化けの皮が剥がれたな! ──破邪顕正!」
俺の叫びと共に木刀が青白い光をまとう!
「なに……⁉ なんだその力は……!」
「俺の根性だよ、思い知れっ!」
「おのれっ……貴様も異端か!」
満身の力を込めて一気に振り下ろした木刀が、受け止めた奴の杖と打ち合った瞬間──青い稲妻のような閃光と共にすさまじい衝撃!
「ぐわあっ⁉」
「くぅっ……!」
閃光と衝撃に辛うじて耐えた俺に対して、奴の手からは例の金玉棍棒が失われていた。壁際の床に落ちているのを視界の端にとらえつつ、奴に木刀を突き付ける!
これで形勢逆転──俺の大切な人を傷つけたこと、後悔させてやる!
異端審問官……だって?
なんでそんな奴が、こんなところに!
「わたくしの使命は、創世の女神様の創りたもうた世界の理と秩序を保つこと。聡明な貴女ならば、この意味がお分かりでしょう?」
「わ、分かりません……!」
青い顔で、肩で息をするような状態なのに、セイクレアはか細い声で叫んだ。
「全ての奇蹟は女神さまが与えたもうた恩寵だとおっしゃるなら、私にできることをして、少しでも苦しむ人が安らかになれるなら、それがどうして異端なのですか」
「おお、聡明な貴女らしくもない」
アンゴウルはいかにも残念そうに首を大きく横に振ってみせると、憐れむような目をセイクレアに向けた。
「女神様は慈悲をお与えになられます。それこそが奇蹟。ですが、それは──」
アンゴウルは、その右手の杖を再び高く掲げる。
「──それは本来、『神の右手』より『光あれ』と差し出され、選ばれた聖職者の手を通してのみ、与えられるべきなのです。貴女のそれは、その秩序がない」
「秩序……? じゃあ、デリカは──この獣人の女性は、神殿に連れて行けば治療してもらえたのか?」
俺の問いに、アンゴウルは大袈裟に目を見開いてみせた。
「まさか。女神様の家たる神殿に、なぜそのようなケダモノを入れることができると思うのです? 寄付と共に慈悲を乞い願うのであればともかく、それもできぬのであれば救貧院でよろしかろう」
「じゃあダメじゃねえか! お前らが助ける気がないっていうなら、助けてくれる人にお願いするさ!」
思わず噛み付くように叫ぶと、アンゴウルは俺を憐れむような目で見つめた。
「神のお慈悲が、そう簡単に手に入ると思い込んでいるところが、貧民の貧民たる所以なのだと分からないところがまた、哀れな。無秩序な者が無秩序に奇蹟の力を振るえば、それは混乱を生み、この美しい世界の秩序に亀裂をもたらす」
そう言って、彼は静かに俺たちを見回した。
「ケダモノのために、その身を削って奇蹟を起こす──その行い自体は、実に美しく、尊い。それを見た人々は、何を思うでしょう?」
「女神さまのお慈悲は、あまねく民草のために注がれると、思うのではありませんか」
肩を震わせるようにしながら訴えるセイクレアに、アンゴウルはうなずく。
「ええ、そうでしょうとも。ですがこうも考えるのではありませんか?『女神様の恩寵は、神殿によらずとも、誰の許しがなくとも、浴することができるのだ』と。するとどうなるか──」
彼は、いかにも悲しそうに首を振ってみせた。
「秩序は崩れます。司祭の権威は揺らぎ、人々は己の都合で、我先にと『奇蹟』を求め始めるでしょう。愚か者の欲は、際限がありません」
「そんなことは……!」
「まして貴女の『癒し』の力は、法術でできることを超えています。神の奇蹟の一端を解き明かした『力ある言葉』の体系を、理と秩序を、根本から揺るがすものです」
静かに語るアンゴウルの表情が、徐々に険しくなっていく。
「それは混乱と堕落を生むでしょう。創世の女神様のお創りになられた秩序と安寧は、崩壊するのです」
アンゴウルは、悲劇を語る詩人のようだった。まるでこれから起こることが、全て分かっているかのように。
「わたくしは、貴女を憎んでいるわけではない。むしろ貴女ほどの力を持つ者が、同じ信徒でありながら正しき道を歩もうとしないことが、哀れでならないのです」
そう言って、アンゴウルは左手の分厚い本を、俺たちに向けて突き出す。
「『神の左手』は、『悔い改めよ』と贖罪を求め差し出される。神の摂理を乱し、秩序を破壊する者を、わたくしはその番人として、裁かねばならない。よって──」
「お前……!」
微笑みすら浮かべるアンゴウルに向けて、俺は正眼に構えた木刀を握り直す。
こいつは──
「異端と知りながら力を使った貴女は、縛り首だ」
──敵だ!
「……素晴らしい打ち込みですね、さすが冒険者といったところでしょうか」
俺がこの世界に来てデュクスに鍛えられた、「最初の一撃」。
なのにこの男は、それを受け止めやがった!
「しかしなぜ白刃の剣ではなく、木剣なのですか? 今の腕であれば、もしかしたらこの戦鎚ごと、この愚僧を両断できたかもしれないのに」
「俺にはこの木刀が合ってるんだよ!」
アンゴウルは俺の木刀を軽く払うようにして、後ろに飛び退き間合いから離れる。自分のことを愚僧、とか言ってるけど、間違いなくこいつは坊さんじゃなくて一流の戦士だ!
「しかし困りました。わたくしは、ただ異端を処断するという目的を遂行したいだけであって、君のような未熟で愚かな子供を叩きのめすことは、本来の仕事ではないのですよ」
「言ってくれるぜ。こっちこそ、知人を助けてくれた人を守りたいだけで、別に坊さんをぶん殴りたいわけじゃないんだぜ?」
俺には、宗教について正しいとか間違っているとか、そういうことはよく分からない。だけど、誰かを助け、守ろうとする人を、「自分たちの信じるやり方と違うから縛り首」って、いくらなんでもおかしいだろ!
「よく分からぬのであれば、くちばしを挟まぬことです……よ」
ドガァッ!
あっ──と思った瞬間には、奴はもう目の前だった。飛び込んでくる足音すらなかった。自分でもよく受け止めることができたと思う。
「ふむ……。随分と硬い木だ。鉄芯でも入っているのですか? いや、しかしこの感触は間違いなく木剣……」
「うるせえよ! 最高級の本赤樫でこしらえてくれた爺ちゃんの仕事だぞ、最高に決まってるだろ!」
──ガッ!
ガカッ!
奴の杖と俺の木刀が、鈍い音を立てながら打ち合わされる!
くそっ、モーニングスターみたいなトゲトゲ球付きのあの杖、やっぱり戦闘用だったか! まともに受けると木刀が折れそうにすら感じる!
おまけにこの狭い部屋の中じゃ、この木刀は十分に振れない。リーチがあって有利なように見えて、むしろ不利……!
「ご主人さまっ!」
シェリィが壁を蹴って、とんでもない角度から奴を急襲する!
さすがシェリィ! 俺も──
「邪魔です」
「ぎゃふっ……!」
「ぐうっ……⁉」
一瞬、何が起きたのか理解できなかった。
本能的に全力でとびすさった瞬間に、耳元を何かが通り過ぎる!
「ほう……? 未熟な子供かと思ったら、意外に耐えましたね」
「爺ちゃんに……鍛えられたからな!」
あのとき、あの瞬間──
奴の左側面の頭上から跳びかかったシェリィを、奴は無造作に左手で打ち払う。
床に叩きつけられたシェリィを蹴りながら木刀を右手で受け流し、そのまま俺の懐に入り込むようにして、左手の分厚い本の背でわき腹をぶん殴る!
奴は的確に、鎧で覆われていない所をぶん殴ってきやがったんだ。
──そう、あの一瞬で!
爺ちゃんに殴られ慣れていなかったら、そのあとさらに振り回してきたトゲトゲ金玉棍棒で頭をぶっとばされているところだったよ!
倒れていたシェリィの手をつかんで引っ張り込み、「シェリィ、大丈夫か!」と呼びかけると、「だい、じょう、ぶ……」と弱々しい声。
「くそっ……! よくもシェリィを!」
俺の大切な人を傷つけた!
見知らぬ相手のために、自分が具合を悪くしてでも救おうとする人を貶めた!
秩序の番人? だから何だというんだ! こっちこそお前を許さない!
「困った子供だ。力任せに来られてしまうと──」
奴の杖は、俺の一撃をしなやかにいなしていく。デュクスの変幻自在な剣とはまた違った動き……!
──まただ! また剣先を払われ、内側に入られて……くそおっ!
ぶん殴られる前にむしろ突っ込み鍔迫り合いに持ち込む!
「ぐぬっ……なるほど、未熟ながら考えますね。ですが──」
ダンッ! つま先を思いっきり踏まれる!
「ぬっ……⁉ まさか……!」
「『安全靴』だよこんちくしょうっ!」
見た目は普通のソフトレザーブーツだけど、足のつま先に、非常に硬い木である樫の木をくりぬくようにした保護材を特注で入れてあるのさ!
そのまま思いっきり体ごと木刀の柄を叩きつけると、肩をかすめて奴がふらつく!
「ぐうっ……! 貴様、加減をしておれば……!」
「お上品な化けの皮が剥がれたな! ──破邪顕正!」
俺の叫びと共に木刀が青白い光をまとう!
「なに……⁉ なんだその力は……!」
「俺の根性だよ、思い知れっ!」
「おのれっ……貴様も異端か!」
満身の力を込めて一気に振り下ろした木刀が、受け止めた奴の杖と打ち合った瞬間──青い稲妻のような閃光と共にすさまじい衝撃!
「ぐわあっ⁉」
「くぅっ……!」
閃光と衝撃に辛うじて耐えた俺に対して、奴の手からは例の金玉棍棒が失われていた。壁際の床に落ちているのを視界の端にとらえつつ、奴に木刀を突き付ける!
これで形勢逆転──俺の大切な人を傷つけたこと、後悔させてやる!
10
あなたにおすすめの小説
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~
草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。
勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。
だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。
勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。
しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ!
真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。
これは少女と世話焼き神獣の癒しとグルメに満ちた気ままな旅の物語!
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る
夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる