493 / 785
第四部 異世界建築士と幸せの鐘塔
第466話︰誠実?
しおりを挟む
フェルミが来なくなってから、もう七日目。
あの夜以来、姿を見ていない。心配になって家を訪問しても、ドアが開くことも、返事もなかった。
もう、二度と来てくれないかもしれない。
最後まで残って点検を手伝ってくれていたフェルミ。そのありがたみを今さら噛みしめながら、今日も最終点検をしている最中だった。
「……やっぱり、監督ってお人好しっスね」
聞き慣れた声。
軽い口調。
振り返らなくても分かった。
「……フェルミ、どうしてここへ?」
「やだなあ、手伝いに来たに決まってるじゃないスか」
彼女が微笑む。
「それにしても監督、どうして他のひとを使わないんスか?」
「俺は実作業より、隣に立って眺めてるだけのほうが多い男だからさ。役に立たないぶん、こういうところで誠意を見せないと」
「嘘ばっかり。ムラタさんがぼーっと立ってるだけのところなんて、見たことないっスよ?」
「働いてる職人さんに比べたら、微々たるもんさ」
「ほんとに、背負い込むのが好きな人っスね」
そう言って、フェルミは竹筒を差し出してきた。
「……これは?」
「何言ってるんスか。ムラタさんがオレたちに教えてくれたことっスよ?」
中身は俺が広めたもの――ほんのり甘く味付けした、生理食塩水。
「……スポドリか」
「これでも集合住宅再建のころから、監督と一緒だったんスからね?」
「そう……だったな」
フェルミは笑って、まだ俺が確認できていないところに立った。一応、手伝いに来たというのは本当らしい。
「……助かった。おかげで、随分と早く終わったよ」
「だから、ひとりでやるんじゃなくて、人を使えばいいって言ってるんスけどね?」
フェルミが笑う。
「監督は、変なところで頑固っスよね」
「どうせ俺は、融通が利かない男だよ」
地上三十メートルの塔の上から見下ろす街は、明かりが多い。
日本の、星も見えないギラギラした夜景とはずいぶんと趣が異なるけれど、あの窓一つ一つの奥に人がいるのは、同じだ。
そしてこの塔の頂上のランプの明かりのもとにも、俺とフェルミがいる。
「なあ、フェルミ。どうして今夜は、来てくれたんだ?」
「どうせムラタさんのことだから、一人で作業、してるだろうって思って」
そう言って、小さく笑う。
「……君の予想通りだったよ」
「ホントにね」
フェルミが、俺の隣に座る。
「監督……ムラタさん。私、あれからいろいろ考えたんですけどね?」
フェルミが、どこか遠くを見ながら、そっと肩を寄せてきた。
「やっぱり私、ムラタさんのそばに、このままずっといたいなあ……って」
「フェルミ、それは」
「分かってるんです。……でも、それでも」
多夫多妻を「制度上は」認めているこの土地で、でも実践している夫婦はほとんどない。当然だ、制度の問題と、個人の感情の問題は、別だから。
リトリィは、自分が第一夫人であること、そして自分を一番に尊重してほしいという条件のもと、多妻を認めてくれた。
でも、だから無節操が許されるってわけじゃない。
「あの夜、ムラタさんがなんにもしてくれなかった夜――もう、街を出ようかって思ったんです」
「……そうか」
「ずっと考えて、考えて。ここ数日、ムラタさんが家に来てくれたとき、ホントはすごく、嬉しかった。……でも、ベッドから動けなかった」
「……そうか」
「私、ムラタさんが好きです」
俺は、答えられなかった。
「こんなにひとを好きになったのって、あの夜――戦で女でなくなった夜以来でした」
実は第四四二戦闘団のヒーグマン隊長のこと、ずっと好きだったりしたんですけどね――そう言ってフェルミは笑う。
「隊長は憧れだったんですよ。そばにいると、自分も強くいられる――そんな感じで。でもあなたは、本当の……強がらなくてもいい私でいられる、そんなひとで」
そう言って、フェルミが肩を寄せてくる。
好意を寄せられること自体は、悪い気はしない。
だが、どれだけ好意を寄せられても、リトリィが認められない相手と、共に生きることはできない。
フェルミが家にやってきたとき、においから俺との関係を察知したリトリィが、フェルミに対して毛を逆立てて牙を剥き、敵意を露わにした姿――あんなリトリィを、俺は初めて見た。
おそらくリトリィはあのとき、本能的に察知したんだ。
ただの一夜では収まらない、フェルミの気持ちを、俺への想いを。
あのあと、たしかにリトリィは俺たちの事情を理解してくれた。自分が一番であると確かめ、そして納得してくれた。
だけど、そんなリトリィの忍耐に甘えて無節操がいつまでも続けられるとは、さすがに思えない。
これ以上泣かせるものか――そう誓ったはずなのに、やっていることはリトリィを傷つけるようなことばかり。
「フェルミ、俺がいかにヒョロガリか、分かってるだろ? そんな俺が、たくさんのものを抱えて守っていけると思うか?」
「ムラタさんなら、大丈夫ですよ」
「無茶を言うな、俺にできることなんてたかが知れている。それでも、自分を愛してくれる家族はどんなことがあっても守りたいってだけだ」
「知ってますよ? あの戦いのなかでみせてくれた姿、とってもカッコ悪くて――」
フェルミはそう言ってくすっと笑うと、俺の頬に口づけをした。
「――とっても、カッコよかったですから」
「カッコいいわけないだろ。最愛の家族を助けるために必死だっただけだ。だからフェルミ、お前の好意は嬉しいけど、受け取るわけには――」
俺の言葉に、フェルミは少しだけ身を離して、ため息をついてみせた。
「……監督、モテたこと、なかったでしょ」
ぐさぁッ!
胸に突き刺さる刃の如き言葉に、俺は水面の鯉のように口をぱくぱくとさせたまま、二の句が継げなくなる。
「図星だったんですね。まあ、そうだろうとは思ってましたけど」
「……なんで、分かるんだ」
「そりゃそうですよ。馬鹿正直というか――わざとなのかどうか知りませんけど、女の子がそのとき一番欲しい言葉を外して、どうでもいい本音をすぐに言っちゃうんですから」
「どうでもいいって……おい! 俺は誠実に生きてるつもりだぞ、俺に嘘でもつけっていうのか」
冷や汗をかきながら必死に反論した俺に、フェルミがあきれたような目で答えた。
「当たり前じゃないですか。女の子っていうのは、甘い嘘が大好きなんですよ」
「おい、嘘が好きって……」
「違いますよ、『甘い嘘』が好きなんです」
フェルミは、くすくす笑ってから続けた。
「お前が一番だ、お前だけだ、本当に好きなのはお前だ……モテる男の人って、そう言って女の子をいい気分にしてくれるでしょ? だからモテるんですよ」
「……俺は、そんな不誠実な男になりたくない」
「それを不誠実と受け取るかどうかは、人それぞれですけどね? それは別にいいんですけど、まさかムラタさん、おうちでもそんな態度なんですか?」
目を丸くするフェルミに、俺は首を傾げた。
「いえ、だから……。リトリィさんが一番、マイセルが二番、って、口に出してますか?」
「そりゃ、口ではっきり言うわけじゃないけど、うちでは本人たちがそれで納得してるから、序列はあって当然だと……」
「……ムラタさん、それは正直でも誠実でもなくて、ただのおバカさんですって」
ふたたび、というか、今度ははっきりとあきれられた。
「ムラタさん……。女の子は誰だって、好きな人にとっての特別な一人になりたいんですよ。だから、嘘でもいいから『君のここが俺にとっての一番』って、モテる男の人は言うんです」
「嘘でもいいって、だから俺は――」
「そんな特別な一人になりたくて、だからそう言ってくれる男の人に、女の子は惹かれちゃうって言ってるんですよ。マイセルにもちゃんと、『君は特別な人だ』って言ってあげてます?」
……言われてみて、真剣に思い返してみて、果たして自分はそれを、言えていただろうかと自問自答する。
……むしろ、最近はリノにばっかりそれ、言っていた気がする……!?
一人でパントマイムのようにばたばたしていると、フェルミが特大の長いため息をついた。
「……きっとリトリィさんにもマイセルにも、ついでにリノちゃんにも、そうやって無自覚に『誠実な振舞い』をした結果が、今のムラタさんの境遇なんでしょうね。……そんなムラタさんのこと、こうして私も好きになっちゃったんだから、ひとのこと、笑えないですけど」
――なんてこった! そうしたら俺、もし今のようなことをやってたら日本でもモテモテだったということか!?
そう閃いたが、今のようになれたのはリトリィが俺の情けないところを全部受け入れてくれたからだということにも気づき、やっぱりリトリィがいなければ今の俺はあり得ないことに思い至る。
「ふふ、ムラタさんって面白いですね。本当にわたしより年上なんですか? どこかほっとけなくて、かわいくて」
「……悪かったな、年の割に子供っぽくて――」
言いかけて、不意打ち気味に口をふさがれる。
彼女の舌が、口の中を占領する。
「……お前な」
「恋人同士の口づけ――ですよね?」
こいつ、しっかり学習していやがった。
この前は、唇をくっつけるだけで精いっぱいだったくせに。
「ムラタさん。私、ムラタさんが好きです。一緒にいたいです。でも、困らせたくもないんです」
俺の目を、まっすぐに見つめて、フェルミは言う。
「だから、ムラタさんの恋人になりたい。ムラタさんの都合のいいときに来てくれるだけでいいんです。そのときに私だけを見てくれるなら、私はそれで――」
フェルミは瞬時ためらうそぶりを見せ、けれどまた、俺の目をまっすぐに見た。
「――それで、十分ですから」
あの夜以来、姿を見ていない。心配になって家を訪問しても、ドアが開くことも、返事もなかった。
もう、二度と来てくれないかもしれない。
最後まで残って点検を手伝ってくれていたフェルミ。そのありがたみを今さら噛みしめながら、今日も最終点検をしている最中だった。
「……やっぱり、監督ってお人好しっスね」
聞き慣れた声。
軽い口調。
振り返らなくても分かった。
「……フェルミ、どうしてここへ?」
「やだなあ、手伝いに来たに決まってるじゃないスか」
彼女が微笑む。
「それにしても監督、どうして他のひとを使わないんスか?」
「俺は実作業より、隣に立って眺めてるだけのほうが多い男だからさ。役に立たないぶん、こういうところで誠意を見せないと」
「嘘ばっかり。ムラタさんがぼーっと立ってるだけのところなんて、見たことないっスよ?」
「働いてる職人さんに比べたら、微々たるもんさ」
「ほんとに、背負い込むのが好きな人っスね」
そう言って、フェルミは竹筒を差し出してきた。
「……これは?」
「何言ってるんスか。ムラタさんがオレたちに教えてくれたことっスよ?」
中身は俺が広めたもの――ほんのり甘く味付けした、生理食塩水。
「……スポドリか」
「これでも集合住宅再建のころから、監督と一緒だったんスからね?」
「そう……だったな」
フェルミは笑って、まだ俺が確認できていないところに立った。一応、手伝いに来たというのは本当らしい。
「……助かった。おかげで、随分と早く終わったよ」
「だから、ひとりでやるんじゃなくて、人を使えばいいって言ってるんスけどね?」
フェルミが笑う。
「監督は、変なところで頑固っスよね」
「どうせ俺は、融通が利かない男だよ」
地上三十メートルの塔の上から見下ろす街は、明かりが多い。
日本の、星も見えないギラギラした夜景とはずいぶんと趣が異なるけれど、あの窓一つ一つの奥に人がいるのは、同じだ。
そしてこの塔の頂上のランプの明かりのもとにも、俺とフェルミがいる。
「なあ、フェルミ。どうして今夜は、来てくれたんだ?」
「どうせムラタさんのことだから、一人で作業、してるだろうって思って」
そう言って、小さく笑う。
「……君の予想通りだったよ」
「ホントにね」
フェルミが、俺の隣に座る。
「監督……ムラタさん。私、あれからいろいろ考えたんですけどね?」
フェルミが、どこか遠くを見ながら、そっと肩を寄せてきた。
「やっぱり私、ムラタさんのそばに、このままずっといたいなあ……って」
「フェルミ、それは」
「分かってるんです。……でも、それでも」
多夫多妻を「制度上は」認めているこの土地で、でも実践している夫婦はほとんどない。当然だ、制度の問題と、個人の感情の問題は、別だから。
リトリィは、自分が第一夫人であること、そして自分を一番に尊重してほしいという条件のもと、多妻を認めてくれた。
でも、だから無節操が許されるってわけじゃない。
「あの夜、ムラタさんがなんにもしてくれなかった夜――もう、街を出ようかって思ったんです」
「……そうか」
「ずっと考えて、考えて。ここ数日、ムラタさんが家に来てくれたとき、ホントはすごく、嬉しかった。……でも、ベッドから動けなかった」
「……そうか」
「私、ムラタさんが好きです」
俺は、答えられなかった。
「こんなにひとを好きになったのって、あの夜――戦で女でなくなった夜以来でした」
実は第四四二戦闘団のヒーグマン隊長のこと、ずっと好きだったりしたんですけどね――そう言ってフェルミは笑う。
「隊長は憧れだったんですよ。そばにいると、自分も強くいられる――そんな感じで。でもあなたは、本当の……強がらなくてもいい私でいられる、そんなひとで」
そう言って、フェルミが肩を寄せてくる。
好意を寄せられること自体は、悪い気はしない。
だが、どれだけ好意を寄せられても、リトリィが認められない相手と、共に生きることはできない。
フェルミが家にやってきたとき、においから俺との関係を察知したリトリィが、フェルミに対して毛を逆立てて牙を剥き、敵意を露わにした姿――あんなリトリィを、俺は初めて見た。
おそらくリトリィはあのとき、本能的に察知したんだ。
ただの一夜では収まらない、フェルミの気持ちを、俺への想いを。
あのあと、たしかにリトリィは俺たちの事情を理解してくれた。自分が一番であると確かめ、そして納得してくれた。
だけど、そんなリトリィの忍耐に甘えて無節操がいつまでも続けられるとは、さすがに思えない。
これ以上泣かせるものか――そう誓ったはずなのに、やっていることはリトリィを傷つけるようなことばかり。
「フェルミ、俺がいかにヒョロガリか、分かってるだろ? そんな俺が、たくさんのものを抱えて守っていけると思うか?」
「ムラタさんなら、大丈夫ですよ」
「無茶を言うな、俺にできることなんてたかが知れている。それでも、自分を愛してくれる家族はどんなことがあっても守りたいってだけだ」
「知ってますよ? あの戦いのなかでみせてくれた姿、とってもカッコ悪くて――」
フェルミはそう言ってくすっと笑うと、俺の頬に口づけをした。
「――とっても、カッコよかったですから」
「カッコいいわけないだろ。最愛の家族を助けるために必死だっただけだ。だからフェルミ、お前の好意は嬉しいけど、受け取るわけには――」
俺の言葉に、フェルミは少しだけ身を離して、ため息をついてみせた。
「……監督、モテたこと、なかったでしょ」
ぐさぁッ!
胸に突き刺さる刃の如き言葉に、俺は水面の鯉のように口をぱくぱくとさせたまま、二の句が継げなくなる。
「図星だったんですね。まあ、そうだろうとは思ってましたけど」
「……なんで、分かるんだ」
「そりゃそうですよ。馬鹿正直というか――わざとなのかどうか知りませんけど、女の子がそのとき一番欲しい言葉を外して、どうでもいい本音をすぐに言っちゃうんですから」
「どうでもいいって……おい! 俺は誠実に生きてるつもりだぞ、俺に嘘でもつけっていうのか」
冷や汗をかきながら必死に反論した俺に、フェルミがあきれたような目で答えた。
「当たり前じゃないですか。女の子っていうのは、甘い嘘が大好きなんですよ」
「おい、嘘が好きって……」
「違いますよ、『甘い嘘』が好きなんです」
フェルミは、くすくす笑ってから続けた。
「お前が一番だ、お前だけだ、本当に好きなのはお前だ……モテる男の人って、そう言って女の子をいい気分にしてくれるでしょ? だからモテるんですよ」
「……俺は、そんな不誠実な男になりたくない」
「それを不誠実と受け取るかどうかは、人それぞれですけどね? それは別にいいんですけど、まさかムラタさん、おうちでもそんな態度なんですか?」
目を丸くするフェルミに、俺は首を傾げた。
「いえ、だから……。リトリィさんが一番、マイセルが二番、って、口に出してますか?」
「そりゃ、口ではっきり言うわけじゃないけど、うちでは本人たちがそれで納得してるから、序列はあって当然だと……」
「……ムラタさん、それは正直でも誠実でもなくて、ただのおバカさんですって」
ふたたび、というか、今度ははっきりとあきれられた。
「ムラタさん……。女の子は誰だって、好きな人にとっての特別な一人になりたいんですよ。だから、嘘でもいいから『君のここが俺にとっての一番』って、モテる男の人は言うんです」
「嘘でもいいって、だから俺は――」
「そんな特別な一人になりたくて、だからそう言ってくれる男の人に、女の子は惹かれちゃうって言ってるんですよ。マイセルにもちゃんと、『君は特別な人だ』って言ってあげてます?」
……言われてみて、真剣に思い返してみて、果たして自分はそれを、言えていただろうかと自問自答する。
……むしろ、最近はリノにばっかりそれ、言っていた気がする……!?
一人でパントマイムのようにばたばたしていると、フェルミが特大の長いため息をついた。
「……きっとリトリィさんにもマイセルにも、ついでにリノちゃんにも、そうやって無自覚に『誠実な振舞い』をした結果が、今のムラタさんの境遇なんでしょうね。……そんなムラタさんのこと、こうして私も好きになっちゃったんだから、ひとのこと、笑えないですけど」
――なんてこった! そうしたら俺、もし今のようなことをやってたら日本でもモテモテだったということか!?
そう閃いたが、今のようになれたのはリトリィが俺の情けないところを全部受け入れてくれたからだということにも気づき、やっぱりリトリィがいなければ今の俺はあり得ないことに思い至る。
「ふふ、ムラタさんって面白いですね。本当にわたしより年上なんですか? どこかほっとけなくて、かわいくて」
「……悪かったな、年の割に子供っぽくて――」
言いかけて、不意打ち気味に口をふさがれる。
彼女の舌が、口の中を占領する。
「……お前な」
「恋人同士の口づけ――ですよね?」
こいつ、しっかり学習していやがった。
この前は、唇をくっつけるだけで精いっぱいだったくせに。
「ムラタさん。私、ムラタさんが好きです。一緒にいたいです。でも、困らせたくもないんです」
俺の目を、まっすぐに見つめて、フェルミは言う。
「だから、ムラタさんの恋人になりたい。ムラタさんの都合のいいときに来てくれるだけでいいんです。そのときに私だけを見てくれるなら、私はそれで――」
フェルミは瞬時ためらうそぶりを見せ、けれどまた、俺の目をまっすぐに見た。
「――それで、十分ですから」
0
あなたにおすすめの小説
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
#密売じゃありません!ミツバイギフトで最高に美味しい果物作ったら、領主令息が夫になった件について
国府知里
ファンタジー
「がんばっても報われなかったあなたに」“スローライフ成り上がりファンタジー”
人生に疲れ果てた北村めぐみは、目覚めると異世界の農村で少女グレイスとして転生していた。この世界では6歳で神から“ギフト”を授かるという。グレイスが得た謎の力「ミツバイ」は、果物を蜜のように甘くするという奇跡の力だった!村を、領地を、やがて王国までも変えていく果樹栽培の物語がいま始まる――。美味しさが未来を育てる、異世界農業×スローライフ・ファンタジー!
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)
なかじまあゆこ
ファンタジー
可愛いもふもふ達とアリナは異世界でスローライフをします。
異世界召喚された安莉奈は幼女の姿になっていた。神様に与えられた能力を使い眷属聖獣猫モフにゃーや魔獣のライオン魔獣鳥に魔獣の日焼けとお料理を創造します!
熊元安莉奈(くまもとありな)は黄色のバスに乗せられ異世界召喚された。 そして、なぜだか幼女の姿になっていた。しかも、日本の地球人だったことを忘れていたのだ。 優しいモリーナ夫妻に養子として引き取れた安莉奈はアリナになった。 モリーナ夫妻はカフェ食堂を経営していたが繁盛しておらず貧乏だった。料理が出来ないアリナはお皿洗いなどのお手伝いを小さな体ながらしていたのだけど。 神様から日本料理を創造する力が与えられていた! その力を使うと。
地球では辛い生活を送っていた安莉奈が異世界ではアリナとしてお父さんに激愛され幸せに生きている。
エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる