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5 ひさしぶりにお仕事しましたっ!
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夏が終わり、季節は秋へ。
夏着のままだと肌寒さを感じるようになった、10月中旬。
わたしは数年ぶりに、イラストのお仕事をしていた。
お金はほぼ出ないけど、出版社のノベルティーグッズに使うカレンダーに、わたしの絵を使いたいらしい。
できれば新作を……と、わたし担当編集者であり大学の先輩でにある人に頼まれたから、断ることはできなかった。
あの人がわたしの見出してくれたから、今の「無職でもやっていけてるわたし」があるのだから。
わたしは発表はしていなかったけど、デジタルで絵は描き続けていた。
ずっと描き続けている猫の絵も、風景や、弟の碧くんの絵も……。
求めらているのは、過去にヒットした猫のキャラクターの絵だろう。
カレンダーの何月に使われる絵なのかわからなかったから、わたしはどの月で使われてもいいように、12枚の絵を描いた。
思ったいたより早くかけて、作業は3日で終わった。
お仕事という意識を持って絵を描いたのは、本当にひさしぶりだ。そのおかげかな? 自分でもいい絵になってると思う。
だけど出版社で先輩に絵を見せる日まで、まだ一週間もある。
わたしは絵を描きたい気分になっていて、なんだかいい絵が描けそうな気分でもあった。
時間はある。というか、時間ばかりがある。
わたしは自分のココロが望むままに、自分の中にある絵をこの世界へと取りだす作業を続けた。
◆
一応、自分なりにおしゃれはして、出版社で先輩と会う。
タブレットを渡すと、先輩は保存されている画像を確認していった。
「どうですか? ひさしぶりだから、わかんないですけど。大丈夫そうですか?」
なにか答えてよ。なんで無言なの。
「あの……先生?」
先輩は社内では、わたしを「先生」と呼ぶ。普段は「あなた」だけど。
わたしにあるイラストが映された画面を見せて、
「これ、なんですか?」
探るような視線を突き刺す先輩。
なにといわれても、
「イラストですけど」
「そういう意味じゃなくて、これ、実在している誰かなんですか? 先生の絵にしたらリアリティーがあるというか、先生の色ですけど、別人が描いたみたいにも見えるというか、モデルがいて見て描いたような……先生の世界観の住人じゃないですよね、この美少年」
うーん……別に隠すことじゃないか?
「それ、弟です。血は繋がってないですけど、実在している、わたしの弟です」
わたしの言葉に、
「妄想じゃないの!? 引きこもりすぎて頭おかしくなったんじゃないの!? あなた大丈夫なの!? そういう作家先生はときどきいるのよ? こころの病院ってわかる?」
いやいやいや、失礼な先輩だな。
「ちがいますよ、ほら」
わたしはスマホに保存してある、碧くんとのプライペートな姉弟写真を見せる。
「い、いや……でも……ねえ?」
なにが、「いや……でも……ねえ?」になるの。
姉弟だっていってるでしょ!?
わたしは碧くんにテレビ電話をかける。先輩が映らないように気をつけながら。
碧くんはすぐ電話に出てくれた。背景を見るかぎり、家で夕ご飯を作ってくれてるみたい。
「どうしたの、お姉ちゃん。お仕事終わった? 今日はお姉ちゃんが好きな、コーンシチュー作ってるんだよ。お仕事終わったなら、早く帰ってきてね」
「うん、もうすぐ帰るよ。あと1時間くらいで帰れるかな?」
「わかった。あっ、お姉ちゃん」
「なに? 碧くん」
「今日はおしゃれしてるんだね、とっても可愛いよ。楽しみだな、早くおしゃれ可愛いお姉ちゃんに会いたな。じゃあ、待ってるからね」
電話は碧くんの方から切られた。
料理している途中みたいだから、しょうがない。
「ね?」
「あなた、外人の美少年囲ってお姉ちゃんなんて呼ばせてるの!? 犯罪でしょそれっ!」
「いや、ホントに弟なんですって! なんで信じないんですかっ」
めっちゃコワイ顔でわたしを睨んでくる先輩。
この人、本気で疑ってるよ……。
出版業界には、そういうことしちゃうヤバイ先生もいるのかな?
確かに碧くんの外見じゃ、わたしと姉弟とは思えないだろうけど。
「わかりました。じゃあ弟から直接確認してください。わたしたちが姉弟だって。今からうちに来ます? 今日は弟お手製のコーンシチューみたいですよ? うちの弟、料理上手ですよー?」
わたしよりは確実にねっ!
碧くんはわたしが「お友だち」を家に連れてきたことを、とっても喜んでいた。
「お姉ちゃん、お友だちいたんだね。よかったー」
と、涙ぐんでいたね。
わたし弟に、どれだけ心配かけてるんだろ?
こっわ……。
ちなみに先輩は、納得できるまで、3日連続でうちに来た。
で、カレンダーには、こどもの日をイメージした5月のイラストを使いたいそうだ。
それとは別に、小学生の頃の碧くんをイメージして描いたイラスト数点も、子供服の雑誌で使いたいといってて、それにはちゃんと原稿料が出るらしい。
そのお金で、お正月に碧くんと美味しいものを食べようかな。
◆
12月も中旬に入り、寒さがはっきりしてきた頃。
わたしが風邪で寝込んだ。
病院にはいったけど、
「お薬を飲んでゆっくりしてください」
という診察結果でその通りにしてたけど、病院にいった翌朝には身体を動かすのもだるくて、わたしはベッドから起き上がれなくなった。
その日。
わたしを心配した碧くんは、学校を休んで家にいてくれた。
「ごめんね」
そういったけど、声に出ていたかどうかわからない。そのくらい、わたしは弱っていた。
碧くん、とっても心配そうな顔している。
安心させたかったけど、わたしの意識はもうろうとしていて、弱った姿を弟に見せることしかできなかった……。
◆
で、翌朝。土曜日。
昨日の辛さがウソのように、身体に多少の痛みは感じたけど、風邪の症状はなくなっていた。
わたしが目覚めたのがわかったかの様なタイミングで、わたしの部屋のドアがノックされる。
「お姉ちゃん、起きてる?」
ドアの向こうからの呼びかけに、
「今起きたよ」
わたしは返す。
「入っていい?」
「うん、いいよ」
わたしの返事に、すぐにドアが開いて、心配顔の碧くんがベッドに近づいてくる。
「大丈夫?」
「うん、もう大丈夫だよ」
「なにか欲しいものは? なにたべられる?」
しっかりしてるな、この子。
「お風呂入りたいな。わたし、汗くさくない?」
碧くんは頭を横に動かして、
「お姉ちゃんは、いつも通りいい匂いだよ」
な、なに変態みたいなこといってるのこの子!? いつもわたしの匂い嗅いでるの!?
碧くんだからギリギリ気持ち悪くないレベルだよ? そのセリフ。
「じゃあ、お風呂沸かしてくるね。お姉ちゃんは寝てて」
碧くん今日は学校……と一瞬思ったけど、今日は土曜日で学校はお休みだ。
なら安心かな。
ベッドで待つこと10分くらい。
「お姉ちゃん、もうすぐお風呂が沸くよ」
部屋の外から碧くんの声。
「うん、ありがとう」
ベッドから降りると、一瞬だけクラっとしたけど、すぐに良くなった。
パジャマのまま部屋を出て、碧くんに手を握られて支えられながらお風呂場へ移動する。
お風呂場へ入るときには、
「なにかあったら呼んでね。ぼく、お風呂場の前にいるから」
心配そうな顔の弟にそういわれた。
「それはやめて」
「でも、心配だよ……」
確かに、心配をさせているのはわたしだ。
「あんまり、音聞かないでね。恥ずかしいから」
「お風呂の中の音は聞こえないと思うよ?」
そうかな?
でも、浴室のドアもあるから聞こえないかー。
「じゃあ、なにかあったら呼ぶから、そこにいてね」
わたしはいい残して、お風呂場に入った。
わたしのバスタオルは、準備されてる。それ以外……着替えはないみたい。
さすがにそれは自分で準備した。お風呂場には、パジャマや下着を入れてあるタンスがあるから。
昨日一日中着ていたパジャマを脱ぎ、ショーツだけの下着姿に。
碧くんに看病してもらっているとはいえ、さすがにブラはしていられなかった。ノーブラなのは少し気になったけど、そんな状態じゃなかったから。
パジャマとショーツを洗濯カゴに入れて、浴室へ。
一日ぶりのお風呂は、やっぱり気持ちよかった。
だけど浴室から出た瞬間。
急に目の前が真っ暗になって、電源が切られたみたいに、意識が、なくなった……。
夏着のままだと肌寒さを感じるようになった、10月中旬。
わたしは数年ぶりに、イラストのお仕事をしていた。
お金はほぼ出ないけど、出版社のノベルティーグッズに使うカレンダーに、わたしの絵を使いたいらしい。
できれば新作を……と、わたし担当編集者であり大学の先輩でにある人に頼まれたから、断ることはできなかった。
あの人がわたしの見出してくれたから、今の「無職でもやっていけてるわたし」があるのだから。
わたしは発表はしていなかったけど、デジタルで絵は描き続けていた。
ずっと描き続けている猫の絵も、風景や、弟の碧くんの絵も……。
求めらているのは、過去にヒットした猫のキャラクターの絵だろう。
カレンダーの何月に使われる絵なのかわからなかったから、わたしはどの月で使われてもいいように、12枚の絵を描いた。
思ったいたより早くかけて、作業は3日で終わった。
お仕事という意識を持って絵を描いたのは、本当にひさしぶりだ。そのおかげかな? 自分でもいい絵になってると思う。
だけど出版社で先輩に絵を見せる日まで、まだ一週間もある。
わたしは絵を描きたい気分になっていて、なんだかいい絵が描けそうな気分でもあった。
時間はある。というか、時間ばかりがある。
わたしは自分のココロが望むままに、自分の中にある絵をこの世界へと取りだす作業を続けた。
◆
一応、自分なりにおしゃれはして、出版社で先輩と会う。
タブレットを渡すと、先輩は保存されている画像を確認していった。
「どうですか? ひさしぶりだから、わかんないですけど。大丈夫そうですか?」
なにか答えてよ。なんで無言なの。
「あの……先生?」
先輩は社内では、わたしを「先生」と呼ぶ。普段は「あなた」だけど。
わたしにあるイラストが映された画面を見せて、
「これ、なんですか?」
探るような視線を突き刺す先輩。
なにといわれても、
「イラストですけど」
「そういう意味じゃなくて、これ、実在している誰かなんですか? 先生の絵にしたらリアリティーがあるというか、先生の色ですけど、別人が描いたみたいにも見えるというか、モデルがいて見て描いたような……先生の世界観の住人じゃないですよね、この美少年」
うーん……別に隠すことじゃないか?
「それ、弟です。血は繋がってないですけど、実在している、わたしの弟です」
わたしの言葉に、
「妄想じゃないの!? 引きこもりすぎて頭おかしくなったんじゃないの!? あなた大丈夫なの!? そういう作家先生はときどきいるのよ? こころの病院ってわかる?」
いやいやいや、失礼な先輩だな。
「ちがいますよ、ほら」
わたしはスマホに保存してある、碧くんとのプライペートな姉弟写真を見せる。
「い、いや……でも……ねえ?」
なにが、「いや……でも……ねえ?」になるの。
姉弟だっていってるでしょ!?
わたしは碧くんにテレビ電話をかける。先輩が映らないように気をつけながら。
碧くんはすぐ電話に出てくれた。背景を見るかぎり、家で夕ご飯を作ってくれてるみたい。
「どうしたの、お姉ちゃん。お仕事終わった? 今日はお姉ちゃんが好きな、コーンシチュー作ってるんだよ。お仕事終わったなら、早く帰ってきてね」
「うん、もうすぐ帰るよ。あと1時間くらいで帰れるかな?」
「わかった。あっ、お姉ちゃん」
「なに? 碧くん」
「今日はおしゃれしてるんだね、とっても可愛いよ。楽しみだな、早くおしゃれ可愛いお姉ちゃんに会いたな。じゃあ、待ってるからね」
電話は碧くんの方から切られた。
料理している途中みたいだから、しょうがない。
「ね?」
「あなた、外人の美少年囲ってお姉ちゃんなんて呼ばせてるの!? 犯罪でしょそれっ!」
「いや、ホントに弟なんですって! なんで信じないんですかっ」
めっちゃコワイ顔でわたしを睨んでくる先輩。
この人、本気で疑ってるよ……。
出版業界には、そういうことしちゃうヤバイ先生もいるのかな?
確かに碧くんの外見じゃ、わたしと姉弟とは思えないだろうけど。
「わかりました。じゃあ弟から直接確認してください。わたしたちが姉弟だって。今からうちに来ます? 今日は弟お手製のコーンシチューみたいですよ? うちの弟、料理上手ですよー?」
わたしよりは確実にねっ!
碧くんはわたしが「お友だち」を家に連れてきたことを、とっても喜んでいた。
「お姉ちゃん、お友だちいたんだね。よかったー」
と、涙ぐんでいたね。
わたし弟に、どれだけ心配かけてるんだろ?
こっわ……。
ちなみに先輩は、納得できるまで、3日連続でうちに来た。
で、カレンダーには、こどもの日をイメージした5月のイラストを使いたいそうだ。
それとは別に、小学生の頃の碧くんをイメージして描いたイラスト数点も、子供服の雑誌で使いたいといってて、それにはちゃんと原稿料が出るらしい。
そのお金で、お正月に碧くんと美味しいものを食べようかな。
◆
12月も中旬に入り、寒さがはっきりしてきた頃。
わたしが風邪で寝込んだ。
病院にはいったけど、
「お薬を飲んでゆっくりしてください」
という診察結果でその通りにしてたけど、病院にいった翌朝には身体を動かすのもだるくて、わたしはベッドから起き上がれなくなった。
その日。
わたしを心配した碧くんは、学校を休んで家にいてくれた。
「ごめんね」
そういったけど、声に出ていたかどうかわからない。そのくらい、わたしは弱っていた。
碧くん、とっても心配そうな顔している。
安心させたかったけど、わたしの意識はもうろうとしていて、弱った姿を弟に見せることしかできなかった……。
◆
で、翌朝。土曜日。
昨日の辛さがウソのように、身体に多少の痛みは感じたけど、風邪の症状はなくなっていた。
わたしが目覚めたのがわかったかの様なタイミングで、わたしの部屋のドアがノックされる。
「お姉ちゃん、起きてる?」
ドアの向こうからの呼びかけに、
「今起きたよ」
わたしは返す。
「入っていい?」
「うん、いいよ」
わたしの返事に、すぐにドアが開いて、心配顔の碧くんがベッドに近づいてくる。
「大丈夫?」
「うん、もう大丈夫だよ」
「なにか欲しいものは? なにたべられる?」
しっかりしてるな、この子。
「お風呂入りたいな。わたし、汗くさくない?」
碧くんは頭を横に動かして、
「お姉ちゃんは、いつも通りいい匂いだよ」
な、なに変態みたいなこといってるのこの子!? いつもわたしの匂い嗅いでるの!?
碧くんだからギリギリ気持ち悪くないレベルだよ? そのセリフ。
「じゃあ、お風呂沸かしてくるね。お姉ちゃんは寝てて」
碧くん今日は学校……と一瞬思ったけど、今日は土曜日で学校はお休みだ。
なら安心かな。
ベッドで待つこと10分くらい。
「お姉ちゃん、もうすぐお風呂が沸くよ」
部屋の外から碧くんの声。
「うん、ありがとう」
ベッドから降りると、一瞬だけクラっとしたけど、すぐに良くなった。
パジャマのまま部屋を出て、碧くんに手を握られて支えられながらお風呂場へ移動する。
お風呂場へ入るときには、
「なにかあったら呼んでね。ぼく、お風呂場の前にいるから」
心配そうな顔の弟にそういわれた。
「それはやめて」
「でも、心配だよ……」
確かに、心配をさせているのはわたしだ。
「あんまり、音聞かないでね。恥ずかしいから」
「お風呂の中の音は聞こえないと思うよ?」
そうかな?
でも、浴室のドアもあるから聞こえないかー。
「じゃあ、なにかあったら呼ぶから、そこにいてね」
わたしはいい残して、お風呂場に入った。
わたしのバスタオルは、準備されてる。それ以外……着替えはないみたい。
さすがにそれは自分で準備した。お風呂場には、パジャマや下着を入れてあるタンスがあるから。
昨日一日中着ていたパジャマを脱ぎ、ショーツだけの下着姿に。
碧くんに看病してもらっているとはいえ、さすがにブラはしていられなかった。ノーブラなのは少し気になったけど、そんな状態じゃなかったから。
パジャマとショーツを洗濯カゴに入れて、浴室へ。
一日ぶりのお風呂は、やっぱり気持ちよかった。
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