Toward a dream 〜とあるお嬢様の挑戦〜

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第三章 勝負の三年間 二年生編

第十七話 現段階の経験値

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 年は明け、一月二十五日の練習終了後。

 午後二時十三分に綾乃が帰宅すると、浩平が玄関で出迎える。


 「話がある」


 綾乃は浩平の書斎へ。


 「まあ、掛けなさい」

 「失礼します」


 綾乃は椅子を勧められ、腰を落とす。それからしばらくし、浩平も椅子に腰を落とす。


 「宮城先生から話があったかと思う」


 浩平の言葉に綾乃は小さく頷く。


 「まだその状況。お前がどのような選手なのか確かめるということが一番の狙いだろう。安心するな」

 「はい」


 綾乃が応えると、浩平は小さく頷く。


 「高校生活は一度だけ。仲間とともにボールを追い、ゴールを目指す。その先に見えるのは全国の舞台。今は、その舞台を目指すことを考えろ。全国へ向かう過程の中で何かが見えてくるはずだ。今を楽しめ。以上だ」

 「ありがとうございました」


 綾乃は立ち上がり、頭を下げる。書斎を出て、自身の寝室へ


 「そうです…。今は皆さんと全国に行くこと…。それが一番の夢です」


 寝室のドアを閉めた綾乃は天井を見つめ、そう呟く。同時に、真希達の姿が綾乃の頭の中に浮かぶ。

 仲間と切磋琢磨し合い、ボールを追いかけた時間は綾乃にとって貴重な財産。それは綾乃の夢への経験値となって積み重なっている。

 現段階の経験値はどのくらいなのか。ふと、そのようなことを考えていると、寝室のドアをノックする音が。


 「はい」


 綾乃はドア前に立ち、ドアノブを掴む。開けると、晴義が立っていた。


 「お帰りなさいませ。ご準備が整いましたので」

 「ありがとうございます」


 笑顔でお礼を伝え、綾乃は食堂へ。


 階段を下りながら綾乃は無意識に呟く。


 「全国の舞台で活躍するためには、どれくらいの経験値が必要なのでしょう…」


 そして、プロになるためには、どのくらいの経験値が必要なのか。

 晴義のやさしい眼差しを受けながらあれこれ考えているうちに、綾乃は食堂のドアノブを右手で掴んでいた。


 綾乃の人生を左右する勝負の新年度には、どのようなドラマが待っているのだろう。
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