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アールグレーン公爵
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今日は陛下が話があるというので妻と王城へと向かっている。
ずいぶん急なことだが、もしや娘に何かあったのではないかと悪いことばかり考えてしまう。妻も同じ気持ちのようで王城から連絡がきてからずっと顔色が悪い。いや、顔色が悪いのはここ最近ずっとだったか。
娘がいなくなってから私も妻も息子も、ずっと気持ちが沈んだままだ。
娘が無実の罪で国外追放になった時はどうしようかと思ったが、娘が隣国に行くと自分で決めた。
ならば離れるのは寂しくても娘が出来るだけ幸せな生活を国外でも送れるようにと、できる限りの援助をしようと思っていた。
まずは隣国へと安全に向かえるよう、娘を乗せてくれる船を探したがどうも様子がおかしい。いくら隣国まで娘を乗せてくれる船を探しても見つからないのだ。
勝手に行き先を変えて悪いが、隣国ではなくてもいいと言ったが見つからない。
これはおかしいと思い馴染みの商会へ行くと商会長室へと案内された。
「申し訳ありませんが、うちもアールグレーン嬢を乗せることはできません。ここだけの話なのですが、実は王と第二王子が手を回しているのです。アールグレーン嬢を乗せたら王族から目をつけられてしまうとどこの商船も怯えております」
商会長からは悔しそうにそう告げられた。
なんということだ!!
この国は他の国と強い魔物の多い大森林で分断されており、船でも交易を主にしている。
大森林も通れないことはないが力のある護衛を複数人つけないとかなり危険だ。
それに護衛をつけたとしても、公爵令嬢として育ったオレリアにはかなり過酷な旅になるだろう。
商会長にはオレリアも幼い頃から世話になっている。
話したことを知られたら商会長自身も危ないというのに、この事を教えてくれて力になれないことを涙を浮かべながら詫びてくれた。
王と王子からの密命を話してくれた商会長へは絶対に秘密にすることを誓い、何度も礼を言い商会を後にした。
オレリアには事情を話し腕利きの冒険者を雇うと伝え冒険者を探したが、そちらも上手くはいかなかった。
強いと評判の冒険者は皆何かしらの依頼を受け王都周辺からいなくなっていたのだ。
一斉に腕利きの冒険者に依頼が入るなど流石におかしい。
きっとこちらにも王と王子の手が回っているのだろう。
クソッ! 船もダメ、冒険者もダメではオレリアが1人で大森林を進むしかない。
そんなことをしたら魔法が使えないオレリアでは死んでしまう!
オレリアには今日は冒険者も見つからなかったが絶対になんとかすると約束した。
オレリアもショックを受けているだろうに気丈に振る舞っている姿が痛々しい。
次の日の朝、今日はもう少し王都から離れた冒険者ギルドにも護衛を探しに行ってみようと出かける準備をしていると、オレリアの侍女のサーラの悲鳴が聞こえる。
もしやオレリアに何かあったのだろうか!?
悲鳴が聞こえたオレリアの部屋の方へ向かうと、妻と息子も既にオレリアの部屋へ集まっていた。
「何があったのだ!」
そう聞くと妻は涙を零しながら「オレリアが……」と言いこちらに紙を差し出した。
それはオレリアからの手紙で、そこには私たち家族へ迷惑をかけたことへの謝罪と1人で大森林を通り隣国へ向かうことが書いてあった。
「何と言うことだ! 魔法の使えないオレリアが1人で大森林に向かうなど自殺行為だ! オレリアは!? もう屋敷を出ているのか!?」
そう聞くとオレリアの侍女サーラが、「私が先程起こしに来た時にはもうおりませんでした」と泣きながら言う。
「奥様!!」
妻はショックからか倒れ込んでしまう。
「早く! 早くオレリアを探すのだ! きっとオレリアの足ではまだそう遠くへは行っていないはずだ!」
そう思いすぐに王都中を探したが、オレリアは見つからなかった。
ずいぶん急なことだが、もしや娘に何かあったのではないかと悪いことばかり考えてしまう。妻も同じ気持ちのようで王城から連絡がきてからずっと顔色が悪い。いや、顔色が悪いのはここ最近ずっとだったか。
娘がいなくなってから私も妻も息子も、ずっと気持ちが沈んだままだ。
娘が無実の罪で国外追放になった時はどうしようかと思ったが、娘が隣国に行くと自分で決めた。
ならば離れるのは寂しくても娘が出来るだけ幸せな生活を国外でも送れるようにと、できる限りの援助をしようと思っていた。
まずは隣国へと安全に向かえるよう、娘を乗せてくれる船を探したがどうも様子がおかしい。いくら隣国まで娘を乗せてくれる船を探しても見つからないのだ。
勝手に行き先を変えて悪いが、隣国ではなくてもいいと言ったが見つからない。
これはおかしいと思い馴染みの商会へ行くと商会長室へと案内された。
「申し訳ありませんが、うちもアールグレーン嬢を乗せることはできません。ここだけの話なのですが、実は王と第二王子が手を回しているのです。アールグレーン嬢を乗せたら王族から目をつけられてしまうとどこの商船も怯えております」
商会長からは悔しそうにそう告げられた。
なんということだ!!
この国は他の国と強い魔物の多い大森林で分断されており、船でも交易を主にしている。
大森林も通れないことはないが力のある護衛を複数人つけないとかなり危険だ。
それに護衛をつけたとしても、公爵令嬢として育ったオレリアにはかなり過酷な旅になるだろう。
商会長にはオレリアも幼い頃から世話になっている。
話したことを知られたら商会長自身も危ないというのに、この事を教えてくれて力になれないことを涙を浮かべながら詫びてくれた。
王と王子からの密命を話してくれた商会長へは絶対に秘密にすることを誓い、何度も礼を言い商会を後にした。
オレリアには事情を話し腕利きの冒険者を雇うと伝え冒険者を探したが、そちらも上手くはいかなかった。
強いと評判の冒険者は皆何かしらの依頼を受け王都周辺からいなくなっていたのだ。
一斉に腕利きの冒険者に依頼が入るなど流石におかしい。
きっとこちらにも王と王子の手が回っているのだろう。
クソッ! 船もダメ、冒険者もダメではオレリアが1人で大森林を進むしかない。
そんなことをしたら魔法が使えないオレリアでは死んでしまう!
オレリアには今日は冒険者も見つからなかったが絶対になんとかすると約束した。
オレリアもショックを受けているだろうに気丈に振る舞っている姿が痛々しい。
次の日の朝、今日はもう少し王都から離れた冒険者ギルドにも護衛を探しに行ってみようと出かける準備をしていると、オレリアの侍女のサーラの悲鳴が聞こえる。
もしやオレリアに何かあったのだろうか!?
悲鳴が聞こえたオレリアの部屋の方へ向かうと、妻と息子も既にオレリアの部屋へ集まっていた。
「何があったのだ!」
そう聞くと妻は涙を零しながら「オレリアが……」と言いこちらに紙を差し出した。
それはオレリアからの手紙で、そこには私たち家族へ迷惑をかけたことへの謝罪と1人で大森林を通り隣国へ向かうことが書いてあった。
「何と言うことだ! 魔法の使えないオレリアが1人で大森林に向かうなど自殺行為だ! オレリアは!? もう屋敷を出ているのか!?」
そう聞くとオレリアの侍女サーラが、「私が先程起こしに来た時にはもうおりませんでした」と泣きながら言う。
「奥様!!」
妻はショックからか倒れ込んでしまう。
「早く! 早くオレリアを探すのだ! きっとオレリアの足ではまだそう遠くへは行っていないはずだ!」
そう思いすぐに王都中を探したが、オレリアは見つからなかった。
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